川崎市に住む在日コリアンの女性が、インターネット上に「さっさと祖国へ帰れ」などと投稿されて名誉を傷つけられたとして、書き込みをした男性に賠償を求めた裁判で、横浜地方裁判所川崎支部は、「悪意のある差別的な言動だ」などとして、190万円あまりの支払いを命じる判決を言い渡しました。
川崎市に住む在日コリアン三世の崔江以子さんは、平成28年6月、茨城県に住む男性のブログ上で崔さんを名指しして「日本国に仇なす敵国人め。さっさと祖国へ帰れ」などと差別的な投稿をされて名誉を傷つけられたとして、書き込みをした男性に対して300万円あまりの賠償を求める訴えを起こしていました。
12日の判決で、横浜地裁川崎支部の櫻井佐英裁判長は、「書き込みは、出身地を理由に在日コリアンなどの外国人を敵と決めつけ、国外へ排斥しようとする悪意のある表現で、差別的な言動だ」と指摘しました。
さらに、「『祖国へ帰れ』という表現は、女性のこれまでの人生や存在自体を否定するもので、多数の人が閲覧できるネット上で差別的な書き込みをしたことも悪質だ。名誉や尊厳などが侵害された精神的苦痛は非常に大きい」として、男性に対して194万円の賠償を命じました。