25日正午すぎ、飯南町にある県の研究センターのシカを飼育しているおりの中で、男性職員が倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されました。
職員は全身に傷があり、警察はシカに襲われた可能性があるとみて詳しい状況を調べています。
25日午後0時20分ごろ、飯南町上来島の県中山間地域研究センターから「シカの飼育場で職員が倒れている」と警察に通報がありました。
職員はシカを飼育している、屋外にあるおりの中であおむけの状態で倒れ全身に傷があり、病院に運ばれましたが、およそ2時間後に死亡が確認されました。
死亡したのは奥出雲町高尾の藤原悟さん(64歳)です。
警察によりますと、藤原さんは1人で作業をしていて、休憩時間になっても戻ってこないことから、同僚が様子を見に行ったところ倒れているのが見つかり、近くには雄のニホンジカ1頭がいたということです。
また、センターの職員によりますと、シカの角には赤い血のようなものが付いていたということです。
警察は藤原さんがシカに襲われた可能性があるとみて、詳しい状況を調べています。
県中山間地域研究センターは中山間地域の調査研究などを行っていて、平成10年4月に設置されました。
センターでは野生動物の対策などを調査するため、施設内でシカを1頭、飼っているということです。
県中山間地域研究センターではおりの中でオスのシカ1頭を飼育しています。
このシカは10年前に子鹿としてセンターに来て、死亡した職員は当時から飼育を担当していました。
センターによりますと、この時期はシカの発情期にあたり縄張り意識が強くなることから、飼育場内に入るときには距離を取るなど注意するよう決めていたということです。
センターによりますと、職員はセンターでの勤務は21年目で、研究員の補助としてシカやアライグマなどの動物の飼育やおりの点検、フィールド調査への同行などをしていました。
センターによりますと、職員は25日は午前10時半以降に1人でシカのおりに入って作業をしていたということで、残されていた道具から飼育場内の雑草を取り除いていたとみられるということです。