3日、聖籠町で70代の男性の救助要請を受けた救急隊が、機材などを忘れたため取りに戻り、現場への到着がおよそ6分遅れる事案が発生したと地元の消防本部が発表しました。
男性は病院で死亡が確認され、消防本部は、搬送先の医師が「搬送の遅れと死亡の因果関係はないと考える」という見解を示しているとしたうえで、再発防止策を行うとしています。
新発田地域広域事務組合消防本部によりますと、3日午後3時すぎ、聖籠町にある入浴施設で70代の男性が浴槽に沈んでいるのをほかの客が見つけ、施設の職員が消防に通報しました。
通報を受け新発田消防署聖籠分署の救急隊が出動しましたが、出動から3分後に血圧計などの機材や携帯電話を忘れたことに気付いて取りに戻り、現場への到着がおよそ6分遅れたということです。
救急隊が現場に到着した時、男性は意識がなく呼吸が弱い状態で病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。
消防本部によりますと、搬送先の病院の医師は「多量の水を飲んだ形跡があり、仮に早く救急隊が接触して処置を開始したとしても蘇生は難しく、搬送の遅れと死亡の因果関係はないと考える」という見解を示しているということです。
消防本部は、救急隊の不手際で救急車の到着が遅れたことを男性の家族に報告して謝罪し、今後は今回の事案を検証し、出動手順の見直しや徹底を指示し、再発防止策を図るとしています。