14日、航空自衛隊の練習機が愛知県犬山市にある池に墜落した事故で、当時の詳しい状況が明らかになりました。
練習機は離陸後、およそ1分間は安定して飛行していましたが、高度およそ1400メートルで旋回している最中に高度が急速に低下し墜落したということです。
航空自衛隊が当時の詳しい状況の確認を進めるとともに、行方不明になっている隊員2人の捜索を続けています。
14日午後、航空自衛隊のT4練習機が愛知県犬山市の入鹿池に墜落した事故で、航空自衛隊はきょう、乗っていたのは宮崎県新田原基地の第5航空団に所属する井岡拓路1等空尉(31)と網谷奨太2等空尉(29)の2人と明らかにしました。
現場では捜索が続けられていますが、2人の発見には至っていないということです。
その上で、墜落に至るまでの詳しいいきさつについて公表しました。
それによりますと、練習機は愛知県の小牧基地を午後3時6分に北の方角へ離陸したあと、およそ1分間は安定したまま上昇し、正常な交信を行っていたということです。
その後、高度およそ1400メートルで東から南に旋回する中で急速に高度が下がり、離陸からおよそ2分後の午後3時8分ごろ、入鹿池付近でレーダーから航跡が消えたということです。
練習機は離陸後、高度5000メートルまで上昇し新田原基地に向かう飛行計画を立てていたということです。
また、管制との交信の中では、緊急事態や機体の異変を知らせるようなやりとりは確認されていないほか、機体から緊急脱出を行った場合に自動的に発信される救難信号も確認されていないことを明らかにしました。
これまでの捜索の結果、新たに練習機の胴体の一部や座席シート、緊急用の酸素ボトルなどが見つかった一方、エンジンや主翼の大部分など、機体の主要部分は見つかっていないということです。
航空自衛隊は、緊急脱出を行う間もなく墜落した可能性があるとみて、当時の詳しい状況の確認を進めるとともに、2人の捜索を続けています。
また、T4練習機について、およそ200機すべての飛行を見合わせ、緊急点検を始めたとしています。