政府、基礎的財政収支を複数年度で確認へ 単年度目標から方針転換

政府は25日、経済財政諮問会議を開きました。
この会議では、来年6月ごろを目指して策定される「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる骨太方針の取りまとめに向けた議論が始まりました。

会議では、元日本銀行副総裁で早稲田大学教授の若田部昌澄氏ら民間議員が意見を表明しました。
民間議員は、高市早苗首相が掲げる、基礎的財政収支を複数年度で確認する方針を支持する姿勢を示しました。


基礎的財政収支とは何か

基礎的財政収支は、プライマリーバランス、略してPBとも呼ばれます。
国の歳入から、国債の利払い費や償還費を除いた支出を差し引いた収支のことです。

簡単に言えば、借金の返済を除いた日々の家計簿のような指標です。
財政の健全性を測る目安として使われてきました。


単年度黒字化目標からの方針転換

高市首相は11月の衆議院予算委員会で、従来の方針を見直す考えを示していました。
これまで掲げてきた2025年度から2026年度のPB単年度黒字化目標を転換する意向です。

今後は、単年度ではなく数年単位で財政のバランスを確認する方式に改めるとしています。
首相は、単年度ベースでPBを確認する考え方は、主要7カ国、いわゆるG7の中でも特異だとの認識を示しました。


単年度PBの考え方を取り下げる姿勢

高市首相は、単年度のプライマリーバランスという考え方について言及しました。
この考え方は取り下げると考えてよいと明言しています。

短期的な数字にとらわれず、中長期的な視点で財政を管理する姿勢を示した発言です。
財政運営の枠組みそのものを見直す転換点といえます。


民間議員が示した複数年度管理の提言

25日の会議で、民間議員は連名の提言を提出しました。
その中で、複数年度で財政のバランスを確認する方針を明確に打ち出しています。

同時に、国と地方を合わせた債務残高のGDP比を安定的に引き下げる必要性も指摘しました。
財政規律を維持しながら、柔軟な運営を行う考え方です。


デフレ時代の産物との指摘

若田部氏は、従来のPB黒字化目標について評価を示しました。
この目標は、デフレ時代に生まれた歴史的な産物であり、役割を終えたと指摘しています。

経済環境が大きく変化する中で、同じ指標を使い続けることへの疑問を示した発言です。
財政指標の見直しを求める声を象徴しています。


給付付き税額控除の推進も要請

民間議員は、財政運営に関する提言に加えて、新たな制度の推進も求めました。
それが、給付付き税額控除です。

給付付き税額控除とは、所得税の減税と現金給付を組み合わせた制度です。
中低所得者を対象に、所得に応じた支援を行う仕組みとされています。


物価高対策としての位置付け

政府は、この制度を物価高対策の一つとして位置付けています。
減税と給付を同時に行うことで、家計への直接的な支援を狙います。

政府は、野党も交えた国民会議を年明け以降に設置する方針をすでに示しています。
制度設計に向けた議論が本格化する見通しです。


首相が示す財政持続性への姿勢

高市首相は12月の参議院予算委員会でも、財政運営に関する考えを述べています。
将来の政権に負担を押し付けるような支出は行わないと強調しました。

同時に、無計画な財政運営も行わない姿勢を明確にしています。
責任ある財政管理を重視する立場です。


債務残高対GDP比の引き下げを明言

首相は、財政の持続可能性を確保するための具体的な目標にも言及しました。
債務残高の対GDP比を必ず引き下げる方針を示しています。

複数年度でPBを確認する方針と、この目標はセットで考えられています。
短期と中長期のバランスを取る財政運営が今後の焦点となります。


参考情報源

ロイター通信 日本語版
日本経済新聞
経済財政諮問会議 関連資料
国会での首相答弁および政府発表

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