厚生労働省は29日、警察庁の統計に基づく2025年の自殺者数(暫定値)を公表しました。
それによると、小学生・中学生・高校生を合わせた自殺者数は532人となり、統計が残る1980年以降で過去最多を更新しました。
この数字は、2024年の確定値から3人増えており、2年連続で過去最多となります。
一方で、全年齢を含めた自殺者総数は1万9097人となり、1978年に統計が始まって以来、初めて2万人を下回る過去最少を記録しました。
学校別の内訳
高校生が最も多い状況
小中高生の内訳を見ると、次のようになっています。
・小学生 10人(前年比5人減)
・中学生 170人(前年比7人増)
・高校生 352人(前年比1人増)
高校生が全体の約3分の2を占めていることが分かります。
男女別の状況
女子は減少も依然として高水準
男女別では、
・男子 255人(前年比16人増)
・女子 277人(前年比13人減)
となっています。
女子は前年から減少に転じたものの、依然として男子を上回る状況が続いています。
コロナ禍以降、高止まりが続く子どもの自殺
小中高生の自殺者数は、新型コロナウイルス禍以降、高い水準が続いています。
2022年以降は毎年500人を超える状態が続いています。
毎日新聞によると、2020年に前年比で100人以上増える大幅な増加が見られた後、減少に転じることなく、高止まりしたまま推移しているとされています。
原因・動機は「学校問題」と「健康問題」が拮抗
19歳以下の自殺者823人について、原因・動機を分析すると(複数回答)、次の結果が示されています。
・学校問題 316件(前年比30件減)
・健康問題 315件(前年比29件増)
・家庭問題 181件(前年比33件増)
学業不振や人間関係などを含む「学校問題」と、心身の不調を含む「健康問題」がほぼ同水準で並んでいます。
健康問題の内訳を見ると、うつ病が126人に上っており、心の不調が深刻な要因となっていることがうかがえます。
子どもへの対策強化
AI活用も検討
こうした状況を受け、こども家庭庁は、対策の強化を進める方針を示しています。
具体的には、インターネットの検索履歴などから自殺リスクが高い子どもを早期に把握するため、AIを活用する仕組みの検討を進めています。
早い段階で危険信号に気づき、支援につなげる体制づくりが課題となっています。
全体の自殺者数は減少
経済環境の影響も
全年齢を含めた自殺者総数1万9097人の内訳は、
・男性 1万3117人(前年比684人減)
・女性 5980人(前年比539人減)
と、男女ともに減少しました。
動機別では、
・健康問題 1万1293人
・経済・生活問題 5359人
となっています。
1998年に自殺者数が3万人を超えた時期と比べると、経済・生活問題を理由とする自殺は減少傾向にあります。
この点については、景気動向や雇用環境の変化が影響している可能性があります。
今後の分析と支援の重要性
厚生労働省は、小中高生の自殺について、より詳しい原因分析を継続しており、3月に公表予定の確定値の中で、分析結果を示すとしています。
また、悩みや不安を抱えている場合には、
こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)
などの相談窓口を利用することができます。
子ども本人だけでなく、周囲の大人が異変に気づき、一人で抱え込ませないことが、今後ますます重要になっています。
ソース
・毎日新聞
・神戸新聞
・沖縄タイムス
・FNNプライムオンライン

