日本で咳止め・アレルギー薬が規制強化へ 若者の市販薬乱用防止が目的

厚生労働省は、若い世代による市販薬の過剰摂取が増えている状況を受けて、乱用を防ぐための販売規制を強化する方針を決めました。
今回の見直しでは、咳止め薬やアレルギー薬に含まれる成分が新たに規制の対象に加えられます。

この決定は、厚生労働省の小委員会で了承され、2月中旬に正式に公示される予定です。
これにより、乱用防止のために販売制限がかかる成分は、これまでの6つから8つに増えることになります。

背景には、中学生や高校生の間で市販薬を大量に飲んでしまうケースが増えているという、深刻な実態があります。

新しく規制される成分はどんなものか

今回、新たに規制の対象となるのは、次の2つの成分です。

デキストロメトルファン
主に咳止め薬に使われている成分で、咳を抑える働きがあります。

ジフェンヒドラミン
アレルギー症状を和らげる薬に使われる成分で、眠くなる作用があることでも知られています。

これらは、すでに規制対象となっている成分に追加されます。
すでに指定されている成分には、風邪薬や咳止め薬によく使われている成分が含まれています。

エフェドリン
コデイン
ジヒドロコデイン
ブロモバレリル尿素
プソイドエフェドリン
メチルエフェドリン

いずれも、正しく使えば安全性が確認されている成分ですが、たくさん飲みすぎると体や心に悪影響を及ぼすおそれがあります。

法律の改正で、何が変わるのか

2026年5月から施行される改正法では、18歳未満の人が薬を買う際のルールがよりはっきり定められます

具体的には、
指定された成分を含む薬は、1回の購入につき1個までとなります。
また、1つの箱に入る量も、5日から7日分程度に制限されます。

これまでは、こうした対応は行政からのお願いや指導が中心でしたが、
今回の改正によって、法律として明確なルールになります

若い世代で広がる市販薬の乱用

規制が強化される背景には、若者の市販薬乱用が想像以上に広がっているという調査結果があります。

2024年度の調査では、市販薬を乱用した高校生のうち、
ほぼ毎日使っていた人が4.6%
週に数回使っていた人が6.3%
いることが分かりました。

また、女子生徒のほうが男子生徒よりも乱用率が高いことも明らかになっています。

全国では、およそ65万人が市販薬を乱用していると推計されており、
特に15歳から19歳の年齢層で割合が高いとされています。

コロナ禍が影響した若者の孤立

専門家は、新型コロナウイルスの流行が市販薬依存を増やした一因だと指摘しています。

学校生活では、
マスクの着用
距離を取る行動
会話の制限
といった状況が続き、若者が孤立しやすい環境が生まれました。

そうした中で、
「気分が楽になる」
「ストレスが和らぐ」
といった言葉とともに、依存性のある市販薬がネット上で紹介されるケースも増えたとされています。

専門医は、
悩みを抱えた若者が、身近に買える薬に頼ってしまう流れができてしまった
と話しています。

ソース

時事通信
読売新聞(The Japan News)
共同通信
毎日新聞
The Japan Times

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