公益社団法人「米穀安定供給確保支援機構」は2月5日、今後3カ月間のコメ価格の見通しを示す指数(2026年1月調査)が26に低下したと発表しました。前月から1ポイントの低下ですが、注目されるのはその水準です。
この指数は、昨年8月に69を記録した後、5カ月連続で低下しています。価格が下がるとの見方が強まる節目とされる「50」を、すでに4カ月連続で下回っており、先安感が市場全体に定着している状況がうかがえます。指数26という数値は、2021年9月以来、約4年5カ月ぶりの低水準となりました。
需給緩和と在庫増加が指数低下の主因
指数低下の背景として、最も大きいのが国内のコメ在庫の急増です。農林水産省によると、2025年12月末時点の民間在庫量は338万トンに達しました。これは前年同月比で85万トン、率にして34%の増加で、2008年以降で最大の増加幅となっています。
加えて、2025年産米の生産量は約748万トンと見込まれており、需要量を大きく上回る水準です。このため、市場関係者の間では「需給は明確に緩んでいる」との見方が広がっています。
店頭価格は高止まり、流通段階のギャップが顕在化
一方で、消費者が実際に目にする店頭価格は依然として高い水準にあります。農水省の調査では、スーパーでのコメの平均販売価格は、1月に入っても5キロあたり4000円台を20週以上連続で維持しました。
一時は4416円という過去最高値も記録しており、指数や卸売段階の動きとは対照的です。
宇都宮大学農学部の松平尚也助教は、この点について次のように指摘しています。
「業者間の取引価格はすでに下がり始めているが、その変化が店頭価格に反映されるまでには時間差がある」
つまり、卸売から小売に至る流通の途中で価格調整の遅れが生じているという構図です。
今後の価格下落はいつ起きるのか
専門家の間では、価格が動きやすいタイミングとして、いくつかの時期が挙げられています。
まず一つ目が3月の決算期です。在庫圧縮の動きが出やすく、価格調整が進む可能性があります。次に、6月の在庫調整期、そして9月から10月にかけての新米流通期です。
米流通評論家の常本泰志氏は、具体的な水準について、
「3月ごろには5キロのコシヒカリで3780円程度、秋の新米では3300円程度まで下がる可能性がある」
と予測しています。
減産方針とコメ離れリスクという新たな課題
ただし、価格下落が必ずしも一直線に進むとは限りません。主要産地では、2026年産米の減産方針が相次いで示されています。
秋田県は前年比10.4%減、新潟県は4.5%減という生産目安を設定しました。これは、価格の急落を防ぎ、生産者の経営を守る狙いがあります。
一方で、高値が長期化すれば消費者のコメ離れが進むという別のリスクも指摘されています。JA全中は、
「消費者も納得でき、生産者も営農を継続できる価格形成が必要だ」
としており、需給調整と価格水準のバランスが今後の大きな課題となっています。
ソース
・読売新聞
・農林水産省
・日本経済新聞
・宇都宮大学 農学部
・米穀安定供給確保支援機構

