日本の10〜12月期GDP、市場予想を大幅に下回る結果に

内閣府が2月16日に発表した2025年10〜12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動を除いた実質で前期比0.1%増、年率換算で0.2%増となりました。これは、事前の民間予想である年率1.6%増を大きく下回る結果です。

GDPとは、一定期間に国内で生み出されたモノやサービスの付加価値の総額を示す指標で、国の経済規模や景気の動向を測る最も重要な統計の一つです。今回の発表では、2四半期ぶりのプラス成長とはなったものの、市場の期待を大きく裏切る内容となりました。

この結果を受けて、東京市場では円安が進行し、株価も下落しました。経済の基礎体力に対する不安が、為替と株式市場の両方に影響を与えた形です。

個人消費の弱さが鮮明に

今回のGDPの内訳をみると、特に目立ったのが個人消費の弱さです。

GDPの半分以上を占める個人消費は、前期比0.1%増にとどまりました。わずかな増加ではあるものの、物価高が続く中で、家計が積極的に支出を拡大できていない実態が浮き彫りになっています。

物価が上昇しても賃金の伸びが追いつかなければ、実質的な購買力は低下します。こうした状況が消費の足かせとなっているとみられます。

一方、設備投資は前期比0.2%増と、2四半期ぶりにプラスへ転じました。半導体製造装置への支出が増加したことが主な要因です。ただし、力強い回復とまでは言えず、全体を押し上げるには至りませんでした。

輸出は前期比0.3%減となりました。中国経済の減速や自動車輸出の低迷が影響したとされています。外需の弱さも、今回の低成長の背景にあります。

なお、2025年暦年の実質GDP成長率は前年比1.1%増となり、2年ぶりのプラス成長となりました。しかし、足元の勢いには陰りが見られます。

円安進行、日経平均は3日続落

市場の反応は素早いものでした。

今回のGDPが予想を大きく下回ったことで、日本銀行による追加利上げ観測が後退しました。利上げとは、政策金利を引き上げることを指し、通常は通貨高要因となります。逆に、利上げが遠のくとの見方が広がると、円は売られやすくなります。

実際、外国為替市場では円売りが進み、ドル円相場は152円台後半から153円台を回復する場面がありました。

東京株式市場でも動きがありました。日経平均株価は前週末比135円56銭安の5万6806円41銭で取引を終了し、3日続落となりました。東証株価指数(TOPIX)も31.47ポイント安の3787.38と下落しました。

朝方は一時300円近く上昇する場面もありましたが、GDP発表後は売りが優勢となりました。特に銀行株や自動車株が軟調に推移しました。銀行株は利上げ観測後退が逆風となり、自動車株は円安の恩恵が限定的との見方も影響したとみられます。

専門家の見方と今後の焦点

みずほリサーチ&テクノロジーズの服部直樹チーフエコノミストは、2026年1〜3月期もプラス成長が続くとの見通しを示しています。

その根拠として、インフレ率の鈍化に伴い実質賃金がプラスに転じる可能性を挙げています。実質賃金とは、物価変動を考慮した賃金のことです。これが上向けば、家計の購買力が回復し、個人消費の底上げにつながる可能性があります。

ただし、世界経済の減速リスクや中国経済の動向、国内の物価動向など、不確実要素は依然として多く残されています。

今回のGDPは、景気が回復基調にあることを完全に否定するものではありません。しかし、市場の期待とのギャップが大きかったことが、為替と株式市場の変動を招いたのは確かです。

今後は、賃金と物価の動向、そして日銀の金融政策がどのように展開されるかが、経済と市場の方向性を左右する重要なポイントとなります。

ソース

ロイター通信
日本経済新聞
NST.com.my
Kabutan
みんかぶFX

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