令和8年4月10日官報まとめ|マイナンバー施行日確定と技能実習追加・薬局方改正

2026年4月10日付の官報では、号外第85号で政令1件・省令3件、本紙第1684号で法規的告示などが公布されました。 今回の動きは、大きく分けると次の4分野です。


①マイナンバー法・住民基本台帳法改正法の施行日確定、②外国人受入れ制度の細目修正、③技能実習の対象職種追加、④二酸化炭素貯留設備の技術基準の具体化です。
さらに本紙では、日本薬局方の全面改正や、自動運行を見据えた旅客運送約款の見直しなども掲載されました。

今回確認できた主な公布情報は次のとおりです。

区分法令番号等主な内容施行日
政令政令第139号マイナンバー法・住基法改正法の施行期日を定める2026年6月1日
省令法務省令第35号特定技能省令の引用条項修正2026年5月13日
省令法務省・厚生労働省令第4号技能実習に「かばん製造」「化粧品製造」を追加公布日施行
省令経済産業省令第41号CO2貯留設備の技術基準を大幅具体化官報で確認した範囲では本文抜粋上、詳細施行日は要原文最終確認
告示厚生労働省告示第193号日本薬局方を全面改正告示日適用
告示国土交通省告示第539号タクシー・乗合・貸切の標準運送約款改正公布日施行
告示国土交通省告示第540号特定技能の自動車運送業分野の基準見直し公布日適用

号外第85号の公布ポイント

今回の号外で確認できる柱は、デジタル行政、外国人就労・技能実習、CCS(二酸化炭素回収・貯留)関連設備の安全基準です。
目次上も、政令第139号、法務省令第35号、法務省・厚生労働省令第4号、経済産業省令第41号が掲載されています。

1. 政令第139号 マイナンバー法・住基法改正法の施行日を確定

「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律及び住民基本台帳法の一部を改正する法律」の施行期日を定める政令で、施行日は2026年6月1日とされました。
つまり、すでに成立していた改正法について、「いつから動くのか」をこの政令で正式に確定した形です。

一般読者向けに言えば、法律の中身そのものを今回変えたのではなく、改正法のスタート日を決めたという位置づけです。

2. 法務省令第35号 特定技能省令の条項整理

特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の一部改正では、船員法等の改正に伴い、労働者派遣等に関する引用条項が修正されました。
官報上では、船員職業安定法の参照先が「第六条第十一項」から「第六条第十三項」に修正されており、施行日は2026年5月13日です。

これは制度の骨格を大きく変える改正というより、関連法改正に合わせた整合性確保のための条文修正と見るのが自然です。

3. 法務省・厚生労働省令第4号 技能実習に新職種追加

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則の改正では、技能実習の対象に新たな職種・作業が追加されました。
追加されたのは、少なくとも官報で確認できる範囲で、次の2つです。

  • かばん製造/かばん製造作業
  • 化粧品製造/仕上工程管理作業

これに伴い、別表第一・別表第二の「その他」区分の職種数・作業数も増えています。
別表第一では13職種21作業から15職種23作業へ、別表第二では21職種39作業から23職種41作業へ拡大しています。施行日は公布日です。

この改正は、実務的には受入れ可能な技能実習分野の拡張を意味します。企業や監理団体にとっては、対象業種の広がりが重要です。

4. 経済産業省令第41号 CO2貯留設備の技術基準を大幅具体化

貯留等工作物等の技術上の基準を定める省令の一部改正では、二酸化炭素の地下貯留事業に関する技術基準がかなり細かく整理・追加されています。
官報で確認できる範囲では、目次構成自体が大きく変わり、次のような章立てが新設・再編されています。

  • 坑井
  • 掘削用機械
  • 圧送機
  • 火薬類取扱所等
  • 導管輸送工作物

また、定義規定でも、圧送機、導管、高圧ガス、液化ガス、貯槽、低温貯槽、充塡容器、残ガス容器などが新たに整理されています。さらに、導管については、設置場所、材料、耐圧・気密、溶接、水分除去、防護、防食、遮断装置などの基準が追加されています。

要するに、CCS関連設備の安全ルールを、かなり実務寄りに細かく書き込んだ改正です。
なお、今回確認できた抜粋範囲では、この省令の附則の施行日全文までは確認しきれていません。官報で最終確認が必要です。

本紙第1684号の具体化内容

本紙では、号外の大枠を補うというより、同日に公布・改正された告示レベルの実務ルールが並んでいます。
今回の対象範囲で重要なのは、医薬品分野、自動車運送分野、特定技能分野です。

1. 厚生労働省告示第193号 日本薬局方を全面改正

日本薬局方が全部改正されました。日本薬局方は、医薬品の品質基準書のようなもので、医薬品の名称や規格、試験方法などの基準になります。
附則では、告示日から適用するとしたうえで、既存承認品や旧薬局方収載品については、2027年9月30日まで旧基準をみなす経過措置などが設けられています。
また、一部通則や計量器・用器関係では2031年3月31日まで従前の例を認める規定もあります。

これは医薬品行政ではかなり大きな改正で、製薬・流通・品質管理の現場に影響します。

2. 厚生労働省告示第194号・第195号 関連医薬品告示の整合化

日本薬局方の全面改正にあわせて、
「製造販売の承認を要しないものとして厚生労働大臣の指定する医薬品等」と、
「厚生労働大臣が指定する医薬品」の告示も改正されました。
紙面上で確認できる例では、収載名称の整理として、「乳糖水和物」「無水乳糖」などの並びが「乳糖」「乳糖水和物」へ見直されている
ことが分かります。

これは単なる文言修正に見えて、薬局方改正に合わせた品目整理という意味があります。

3. 国土交通省告示第539号 標準運送約款を自動運行対応に改正

一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款等の一部を改正する告示では、タクシー、乗合、貸切の各標準運送約款について、「特定自動運行保安員」を明記する改正が行われています。
加えて、天災その他の事故の際に旅客へ応急手当などの協力を求める条文が新設され、旅客が従うべき係員の範囲や、運送引受け・継続拒絶事由も見直されています。
施行日は公布日です。

これは、自動運行技術が実用段階に近づく中で、約款も「運転者だけがいる世界」ではなくなってきたことを示しています。

4. 国土交通省告示第540号 特定技能の自動車運送業分野を見直し

出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令等に基づく自動車運送業分野の基準告示も改正されました。
官報で確認できる主なポイントは次のとおりです。

  • 旅客自動車運送事業に従事予定の外国人について、新任運転者研修の修了を基準として明記
  • 一号特定技能外国人という用語を条文上明確化
  • 離島等で旅客自動車運送業務に従事させる場合の条件として、日本語能力の修得支援、補助者の同乗、自治体との協力、ICTを使った緊急時連絡体制整備などを規定
  • 国土交通省またはその委託を受けた者による調査・指導への協力義務を明記

この告示は公布の日から適用です。

改正の全体像整理

号外=大枠

号外第85号は、制度の枠組みや安全基準そのものを定める政令・省令が中心でした。

  • マイナンバー関連改正法の施行日確定
  • 特定技能制度の法体系整合
  • 技能実習制度の対象職種追加
  • CCS設備の技術基準の詳細化

本紙=具体化

本紙第1684号は、現場で直接使う基準や約款、品目整理が中心でした。

  • 日本薬局方の全面改正と経過措置
  • 医薬品関連告示の名称整理
  • 自動運行対応の標準運送約款
  • 自動車運送業における特定技能受入れ条件の見直し

このため、号外で制度の骨格を押さえ、本紙で実務運用の細部を確認すると理解しやすい構成です。

施行日・経過措置まとめ

項目内容
公布日2026年4月10日
施行日政令第139号は2026年6月1日、法務省令第35号は2026年5月13日、技能実習規則改正省令は公布日施行、標準運送約款改正告示は公布日施行
経過措置日本薬局方改正では2027年9月30日までの経過措置、さらに一部は2031年3月31日まで従前例あり
附則

影響を受ける主体

今回の公布で影響を受ける主体は、かなり幅広いです。

  • 自治体・行政機関
    マイナンバー・住基法改正法の施行準備が必要になります。
  • 外国人受入れ企業・監理団体・登録支援機関
    特定技能と技能実習のルール変更を確認する必要があります。
  • かばん製造・化粧品製造関連事業者
    技能実習の対象追加により、受入れ可能性が変わります。
  • エネルギー・CCS関連事業者
    CO2貯留・圧送・導管設備の技術基準確認が不可欠です。
  • 製薬企業・薬局・品質管理部門
    日本薬局方改正と関連告示の確認が必要です。
  • タクシー、バス、貸切事業者
    標準運送約款の見直し対応が求められます。

よくある疑問(Q&A)

Q1. 今回、国会で新しい法律そのものが公布されたのですか?

官報の範囲では、新規の法律公布そのものは確認できませんでした。
号外では、既存の改正法について施行日を定める政令や、制度の細目を定める省令が中心です。

Q2. 技能実習は何が変わったのですか?

対象職種に「かばん製造」と「化粧品製造」が追加されました。
対象職種・作業数も増えているため、受入れ対象業種が広がります。

Q3. CO2貯留関連の改正は何が重要ですか?

坑井、圧送機、導管などの安全基準が細かく規定されたことです。
CCS事業の実装段階に向け、設備面の法的な下支えを強める改正といえます。

Q4. 自動運行対応の約款改正は、一般利用者にも関係ありますか?

あります。
すぐに全利用者の体験が一変するわけではありませんが、将来の自動運行サービスを前提に、旅客が従うべき相手や安全確保のルールが変わり始めたという意味で重要です。

まとめ

2026年4月10日付官報で見えてくるのは、制度を新設する派手な改正よりも、既存制度を実装段階に進めるための「施行日確定」「対象追加」「安全基準具体化」「運用ルール整備」が進んでいることです。

特に重要なのは次の4点です。

  • マイナンバー・住基法改正法の施行日が2026年6月1日に確定
  • 技能実習に「かばん製造」「化粧品製造」が追加
  • CO2貯留設備の技術基準が大幅に具体化
  • 自動運行を見据えた旅客運送約款・特定技能基準の見直しが進行

制度改正は、法律が成立した瞬間よりも、政令・省令・告示で運用の輪郭が固まる局面が実務上は重要です。今回の官報は、まさにその段階を示す内容でした。

ソース

出典:官報発行サイト(令和8年4月10日付 号外第85号 1〜5ページ、本紙第1684号 1〜5ページ)

本記事は官報に掲載(公布)された法令情報をもとに、編集・再構成して解説したものです。官報は一次情報ですが、制度改正の詳細な運用は今後の政省令・通達・Q&A等で補足される場合があります。最終確認は官報および所管官庁の公式情報をご参照ください。

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