SMBC・富士通・ソフトバンクが国産ヘルスケア基盤で提携|健康データと医療データを連携

三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)、富士通、ソフトバンクの3社は、健康・医療分野での業務提携に合意し、国産ヘルスケア基盤を構築すると発表しました。
個人の健康データと、医療機関が持つ診療データを連携させます。
そのため、健康寿命の延伸、医療機関の経営効率化、国の医療費抑制につなげる考えです。

今回の提携は、単なるアプリ開発ではありません。
一方で、国内データセンター上にデータプラットフォームを整備し、本人同意に基づいて収集した医療・健康データを安全に管理し、活用する構想を示しました。
つまり、国産ヘルスケア基盤そのものを築こうとする取り組みです。

高齢化と医療費の拡大が提携の土台

日本では高齢化が進んでいます。
そのため、医療費の増加が大きな課題になっています。
3社は、国民皆保険を基盤とする医療を持続可能にするには、健康増進と医療現場の効率化を同時に進める仕組みが必要だと判断しました。

報道では、2040年に向けて医療費がさらに拡大する見通しも示されています。
こうした中、今回の提携が打ち出されました。
3社は、医療・健康データの活用を通じて、社会全体の負担を抑えることを目標にしています。

データ基盤の中心は日常の記録と診療情報の連携

構想の中心にあるのは、個人の健康データと医療機関の診療データを結びつけるデータ基盤です。
健康データとは、歩数や睡眠のような日々の状態を示す情報です。
また、診療データとは、電子カルテなど医療機関が管理する受診情報です。

スマートフォンで記録される歩数や睡眠などの日常データと、受診先で管理する電子カルテ情報などを組み合わせます。
そのため、より実用的な健康支援につなげる設計を想定しています。
つまり、日々の生活と医療現場の情報を切り離さずに扱う形です。

ソフトバンクはAIエージェント搭載アプリを担います

ソフトバンクは、AIエージェントを備えたユーザー向けアプリの提供を計画しています。
AIエージェントとは、利用者の状況に応じて情報提供や提案を行う仕組みです。
実際に、利用者の状態に応じて、運動や生活習慣の見直しを促す助言を行う構想を示しています。

また、受診予約や支払いなどの導線も統合する方向です。
一方で、単に助言を出すだけではなく、医療にアクセスする流れまでまとめる姿が見えてきます。
そのため、利用者にとっては、健康管理から受診行動まで一つの流れで使える可能性があります。

富士通は医療機関側の基盤整備を支えます

富士通は、データプラットフォームの構築を担います。
同社は電子カルテ分野で強みを持っています。
そのため、医療機関側のデータを安全に取り扱う基盤づくりで、中心的な役割を果たす見込みです。

さらに、国内データセンター上での運用や、医療向けのAI活用も重視されています。
医療情報は機微情報です。
つまり、機微な医療情報を国内で管理し、本人同意を前提に扱う設計を明示している点が重要です。

SMBCは金融と医療をまたぐ接点づくりを狙います

SMBCグループは、金融サービスとの連携を通じて利用者との接点を広げる役割を担います。
同社の「Olive」との連携も進んでいます。
また、医療機関での後払いなど、金融と医療をまたぐ新しい利用体験の検討も進んでいます。

金融機関がヘルスケアに関わる意義は小さくありません。
しかし、役割は決済や資金提供にとどまりません。
生活者の継続的な健康管理を支える導線が作られる可能性があり、これは従来の医療サービスにはなかった発想として注目されます。

利用規模は6,000万人、医療機関は4,000施設超を視野

3社は、将来的に約6,000万人規模の利用を目指しています。
また、医療機関側では4,000以上の施設との連携を視野に入れています。
報道では、日本の病院の半数以上に広がる可能性があるとも伝えられています。

一方で、これらはあくまで目標です。
現時点で実現が確定した数字ではありません。
そのため、今後の展開次第で、利用者数や連携医療機関数は変動する可能性があります。

政府の医療DXとも接点

今回の提携は、政府が進める医療DXの流れとも接点があります。
医療DXとは、医療の現場や制度にデジタル技術を取り入れて、効率化や利便性向上を図る取り組みです。
将来的には、マイナポータルや全国医療情報プラットフォームなど、公的な仕組みとの連携も視野に入っています。

もっとも、現時点で確認できるのは、将来的な連携の可能性です。
具体的な接続方法や開始時期が確定しているわけではありません。
つまり、現段階では、民間主導で医療データ活用の基盤を整える動きとして理解するのが適切です。

成否を左右するのは広がりと安全性の両立

今後の焦点は明確です。
実際にどの医療機関まで広がるのか、どこまで生活サービスと結びつくのか、そしてデータの安全性と利便性をどう両立させるのかが問われます。
医療データは極めて機微性が高いため、利用者の同意設計や運用ルールの整備が成否を分けます。

今回の提携は、日本の医療を支えるインフラを民間の技術で再設計しようとする試みとして位置づけられます。
さらに、制度、技術、生活サービスを横断する構想です。
そのため、実装段階でどこまで前進するのかが、今後の大きな注目点になりそうです。

ソース

ソフトバンク
SMBCグループ
富士通
日本経済新聞
ZDNET Japan
ケータイ Watch
ITmedia
マイナビニュース
TBS NEWS DIG

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