高市内閣支持率に異変 若年層支持が初の50%割れとなった背景

2026年6月5日、毎日新聞が報じた全国世論調査の結果が、政治関係者やネット上で大きな注目を集めました。
その理由は、高市早苗内閣の18~29歳の支持率が45%となり、発足以来初めて50%を下回ったためです。
つまり、これまで高市内閣を強く支えてきた若年層の支持に、はっきりとした変化が表れたことになります。

また、内閣全体の支持率も50%で前月比3ポイント減となりました。
これで3カ月連続の下落となります。
一方で、不支持率は33%であり、依然として支持が上回っている状況です。

発足当初は異例の高支持で始まった政権

高市内閣は、2025年10月の発足当初、歴代内閣でも異例といえる支持率65%超を記録しました。
特に目立ったのが若い世代の支持です。
18~29歳では70~76%、30代でも68~76%と、若年層が政権を強く後押しする構図が鮮明でした。

当時の自由回答でも期待の大きさが表れていました。
「これからの日本を変えてくれそう」とする20代男性の声や、「女性ならではの視点で日本を引っ張ってほしい」とする30代女性の声が目立ちました。
初の女性首相としての新鮮さと改革への期待が、若者の支持を集めていたのです。

2026年3月以降に流れが変わった

しかし、2026年3月以降、支持率の流れは明確に変わります。
18~29歳の支持率は、3月に61%、4月に51%、そして5月調査で45%へと急落しました。
そのため、わずか数カ月で若年層の支持が大きく縮小したことになります。

30代も同じ傾向をたどりました。
3月は62%、4月は54%、5月は53%でした。
つまり、若年層だけでなく、比較的若い現役世代全体で支持の低下が進んでいる構図です。

全体支持率も下落基調に戻った

全体支持率は、1月に57%まで落ち込みました。
しかし、2月の衆院選大勝を受けて60%台を回復しました。
それでも、3月以降は再び下降線をたどっています。

こうした流れを見ると、選挙結果による一時的な持ち直しはあったものの、政権への評価そのものが再び問われる局面に入ったといえます。
さらに、若年層の落ち込みが全体の基調にも影響していることがうかがえます。
支持率の数字は高水準を保ちながらも、内実には変化が起きているのです。

5月調査で見えた年代別の支持構造

5月23日から24日に実施された毎日新聞の全国世論調査では、年代別の支持率が次のように示されました。
18~29歳は45%、30代は53%、40代は54%、50代は52%、60代は56%、70歳以上は46%です。
不支持率は、18~29歳が25%、30代が25%、40代が29%、50代が29%、60代が32%、70歳以上が43%でした。

この結果から、若年層と70歳以上で支持が相対的に低く、30代から60代の現役世代で比較的高いという構造が見えてきます。
一方で、発足当初のような「若者が突出して支える政権」という姿は薄れました。
支持基盤が変わり始めていることは、数字の並びからも明らかです。

若年層で増える迷いと失望

若年層では「答えない」という回答も多かったとされます。
これは単なる無関心だけではなく、支持と不支持の間で揺れている状態を示すものとも受け取れます。
実際に、支持を続けるかどうかを決めきれない迷いや、期待がしぼみつつある空気がにじみます。

発足時には「変えてくれそう」という期待が先行していました。
しかし、こうした中で、現実の政策評価が厳しく見られるようになりました。
つまり、イメージで支えられていた支持が、成果によって試される段階へ移ったのです。

最大の背景は止まらない物価高

では、なぜ若年層の支持がここまで下がったのでしょうか。
記事が指摘する最大の背景は、日常生活を直撃する物価高です。
若年層は相対的に収入が低い人も多く、食料品やエネルギー価格の上昇を生活の中で最も敏感に感じやすい世代です。

実際に、2026年3月調査では、18~29歳と30代の物価対策評価で「評価する」はわずか16%にとどまりました。
さらに、4月調査でも「十分だと思う」は18~29歳で25%、30代で30%にとどまりました。
一方で、「十分だとは思わない」がこれを上回りました。

期待がはがれ落ちた経済政策への不満

発足時の高支持を支えたのは、「変化への期待」でした。
しかし、その期待は、物価対策の遅れという現実に直面して弱まりました。
そのため、支持率の低下は偶然ではなく、政策評価の結果として表れたと見ることができます。

とくに若い世代では、賃金の伸びよりも生活コストの上昇を先に強く感じやすい状況があります。
さらに、食料品や電気代、ガス代といった毎月の支出は、生活実感に直結します。
物価高への不満が若年層の支持低下に直結したという見方は、数字の動きとも整合します。

無党派層でも逆転が起きている

若年層だけではありません。
無党派層でも、支持率35%に対して不支持率37%と逆転しています。
これは、高市内閣が広く無党派層の信頼をつなぎとめることに苦戦している可能性を示します。

また、衆院解散の判断や、西村康稔氏の起用などの人事に対する不信が重なった可能性も指摘されています。
つまり、経済政策だけでなく、政権運営全体への見方も支持率に影響しているということです。
一つの要因ではなく、複数の不満が重なっている構図が見えてきます。

支持基盤は幅広い世代から現役世代中心へ

高市内閣は、発足からわずか8カ月で支持基盤を変化させました。
以前は若年層を含む幅広い世代に支えられていました。
しかし現在は、30代から60代の現役世代が比較的支える構造へと移っています。

この変化は、政権運営にとって小さくない意味を持ちます。
なぜなら、若年層の支持はSNSやXでの空気感に反映されやすく、政治の勢いにも影響を与えやすいためです。
そのため、若者の離反は今後の政策発信や選挙戦略に波及する可能性があります。

それでも全体では高水準を維持している

一方で、全体支持率はなお50%を維持しています。
不支持率33%を大きく上回っており、政権としては依然として高い水準です。
つまり、危機的な水準ではないものの、強固だった支持の質が変わりつつある段階といえます。

他の世論調査でも、電話調査では小幅変動、ネット調査ではやや下落という差が見られます。
しかし、全体として「強い支持」が減少傾向にあるという点は共通しています。
この点は、政権にとって見逃せない変化です。

支持理由にも消極化の兆し

支持理由にも変化が見られます。
これまで目立っていた「政策に期待できるから」が減少しています。
一方で、「他の人よりましだから」が増加しています。

これは、積極的に応援する支持から、消去法で選ぶ支持へと重心が移っていることを意味します。
つまり、支持率の数字が高く見えても、その中身は弱くなっている可能性があります。
実際に、こうした支持の変化は、今後の世論変動を大きくしやすい要素でもあります。

政府に求められる物価高対策の強化

今後、政府に求められる課題は明確です。
それは、物価高対策の強化です。
食料品消費税ゼロの実現や追加経済対策など、生活実感に届く施策が急務となります。

若年層の生活不安を放置すれば、支持率のさらなる低下は避けにくくなります。
一方で、効果的な政策を打ち出し、実際に生活負担の軽減につながれば、失った期待を取り戻す余地もあります。
つまり、今後の支持率は政策の中身とスピードに大きく左右される局面に入っています。

Xで広がる厳しい声と冷静な見方

X上では、「推し活当選だもんなー笑」や「自民党では何も変わらない」といった辛辣な声が見られました。
また、「物価高が背景ではないか」といった冷静な分析も混在しています。
こうした反応からは、政治への失望と現実的な生活不安が同時に広がっている様子がうかがえます。

ただし、SNS上の反応は世論全体をそのまま示すものではありません。
そのため、参考材料として見る必要があります。
しかし、若年層の空気感を知るうえでは無視できない動きでもあります。

若年層50%割れが示す警告信号

今回の若年層支持率50%割れは、高市内閣にとって明確な警告信号です。
期待で支えられた政権が、ここからは現実の成果で評価される段階に入りました。
特に、生活に直結する物価高への対応が不十分だと受け止められれば、支持低下はさらに進む可能性があります。

一方で、全体支持率はまだ高水準を維持しています。
そのため、立て直しの余地が完全に失われたわけではありません。
今後の政策実行と世論の動きが、高市内閣の次の局面を左右することになります。

ソース

毎日新聞
選挙ドットコム
Yahoo!ニュース

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