HODL1は2026年6月8日、Startale Group Pte. Ltd.との間で、ブロックチェーン関連事業における業務提携基本合意書を締結したと発表しました。
今回のHODL1とStartaleの業務提携は、ブロックチェーン関連プロダクトの開発支援や技術検証に加え、日本円建てステーブルコインに関する事業開発も協議対象に含みます。つまり、単なる情報交換ではなく、今後の事業展開を視野に入れた枠組みです。
しかし、現時点ではあくまで基本合意の段階です。そのため、具体的な製品ローンチや収益への寄与時期は決まっていません。
協業範囲はプロダクト開発から導入支援まで広がる
開示資料では、今回のHODL1とStartaleの業務提携の対象として、ブロックチェーン関連プロダクトの開発支援が示されています。また、IPプロジェクトの紹介や、ネットワーク導入支援も含まれています。
IPプロジェクトとは、知的財産を活用した事業のことです。たとえば、キャラクターやブランド、コンテンツなどを土台にした企画を指します。
一方で、協業の中心には日本円建てステーブルコインおよび関連事業もあります。ステーブルコインとは、価格が法定通貨などに連動するよう設計したデジタル資産です。
日本円建てステーブルコインの事業開発も協議対象
今回の基本合意では、日本円建てステーブルコインに関して、事業開発、顧客開拓、ユースケース創出を進める構想が示されました。
ユースケースとは、実際の使い道のことです。つまり、ただ発行するだけではなく、どの場面で使い、どの利用者に広げるかまで含めて検討する段階に入っています。
さらに、収益モデルの検討やパートナー企業の開拓、定期的な情報交換も盛り込まれています。こうした中、今回のHODL1とStartaleの業務提携は、単発ではなく中長期の協業を見据えた内容だと分かります。
HODL1は旧クシムから社名変更した上場企業
HODL1は、旧クシムが2026年2月2日付で社名変更した上場企業です。同社は、イーサリアムの保有・運用と、イーサリアム活用に関する事業開発を進めています。
イーサリアムは、ブロックチェーン基盤の一つです。スマートコントラクトと呼ばれる自動実行の仕組みを動かせることから、Web3分野で広く使われています。
また、HODL1は中期経営計画でも、ETH保有の積み上げとWeb3関連事業の拡大を掲げています。そのため、今回のHODL1とStartaleの業務提携は、これまでの路線を踏まえた動きとして位置づけられます。
Startaleは金融インフラ寄りのWeb3領域に強み
Startale Groupは、SBIホールディングスやソニー系の資本も背景に持つWeb3インフラ企業です。Web3インフラとは、ブロックチェーンを使うための基盤や仕組みを指します。
同社はSBIグループとともに、日本初の信託型日本円建てステーブルコイン「JPYSC」の開発を進めています。公式発表では、正式ローンチの目標時期を2026年度第1四半期としていました。
さらに、Startaleはトークン化資産の常時取引を想定した金融向けチェーン「Strium」の開発も進めています。つまり、Startaleはエンタメ寄りではなく、金融インフラ寄りのWeb3領域に強みを持つ企業です。
円建てステーブルコイン市場は実用化が進む局面へ
日本では、円建てステーブルコインの実用化が徐々に進んでいます。実際に、JPYCは2025年に正式リリースされ、国内の円建てステーブルコイン市場を切り開きました。
しかし、一方でJPYSCのように信託型の設計を採る動きもあります。信託型とは、資産管理の仕組みに信託を使う設計です。
そのため、同じ日本円建てステーブルコインでも、発行スキームや用途には違いがあります。つまり、今後は競争だけでなく、役割の棲み分けも進む可能性があります。
HODL1とStartaleの提携は市場環境を踏まえた動き
HODL1とStartaleの業務提携は、こうした円建てステーブルコイン市場の変化を踏まえた動きといえます。
また、ブロックチェーン関連プロダクトの開発支援や技術検証だけでなく、日本円建てステーブルコインの事業開発も協議対象です。そのため、今回の基本合意は、足元の市場テーマと企業戦略が重なる発表として受け止められました。
さらに、HODL1のWeb3拡大方針と、Startaleの金融インフラ寄りの強みは補完関係にあります。こうした中、HODL1とStartaleの業務提携がどこまで具体化するかが注目点になります。
発表当日はHODL1株が急動意
発表当日、HODL1株は材料視され、株価が急動意となりました。市場では、今回の発表が強い関心を集めたことがうかがえます。
ただし、株価上昇の要因を提携内容だけに限定して断定することはできません。実際に、市場ではStartaleの資本背景や、円建てステーブルコインをめぐるテーマ性も含めて注目された可能性があります。
つまり、株価の動きは単一要因ではなく、複数の思惑が重なった結果として見る必要があります。
今後はPoCと事業化の具体化が焦点
今後の焦点は、両社がどの領域から具体的なPoCや事業開発を始めるのかという点です。PoCとは、概念実証のことで、実現可能かどうかを小規模に確かめる取り組みを指します。
特に、日本円ステーブルコイン、RWA、企業向けWeb3インフラのどこで最初の成果が出るのかが重要です。RWAは現実資産のことです。たとえば、不動産や債券などをトークン化して扱う領域を指します。
さらに、どの案件が先に動くのかによって、HODL1とStartaleの業務提携の実効性も見えてきます。しかし、現時点では基本合意段階です。そのため、今後の続報では、個別案件の有無や実装時期を確認する必要があります。
基本合意段階だからこそ続報が重要
今回の発表は、HODL1とStartaleの業務提携の方向性を示すものです。一方で、収益貢献や製品化の時期まではまだ示されていません。
そのため、現段階で期待先行の見方に傾きすぎるのは早計です。実際に重要なのは、どのテーマで協業が具体化し、どの分野で初期成果が表れるかです。
また、日本円建てステーブルコイン市場は今後も制度、競争、用途開拓の3点で動きが続く可能性があります。HODL1とStartaleの業務提携が、その中でどの位置を占めるのかが今後の見どころです。
ソース
HODL1
Startale
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