ベテルギウスに“隠れた隣人”がいた!100年以上の謎、ついに解明へ

夜空に赤く輝くオリオン座のベテルギウス。その星に、100年以上存在が疑われてきた「隠れた隣人」がいたことが、ついに明らかになりました。NASAとジェミニ望遠鏡による歴史的発見は、ベテルギウスの奇妙な明るさの変動の謎を解き明かす鍵となりそうです。

公開日:2025年7月22日
著者:Curator: avidreader


はじめに:赤い星に隠された真実

夜空に輝くオリオン座。その肩に位置する赤色の巨星「ベテルギウス」は、長らく天文学者たちの関心を集めてきました。その理由は、単に目立つ星だからではありません。周期的な明るさの変化や、2019年末から2020年初頭にかけて発生した異常な“大減光現象”など、謎に満ちた振る舞いを見せてきたからです。

そして2025年7月、その謎の核心に迫る発見が報告されました。NASAの研究者たちがついに、長年存在が疑われていたベテルギウスの伴星を直接観測することに成功したのです。


ベテルギウスとは? 謎の“6年周期”の正体

ベテルギウスは、太陽の約1,000倍の直径を持つ赤色超巨星で、地球から約640光年離れています。
その光は約6年ごとに大きく変動する「長周期変動(LSP)」を示しており、これは1910年代から報告されていました。

  • 通常の脈動周期(約400日)とは異なり、この6年周期の正体は長らく不明。
  • 英国の天文学者プラマーは1908年に「伴星の重力的影響」ではと予測。
  • しかし恒星の活動による可能性もあり、確証は得られず。

このたび、伴星の存在が視覚的に確認されたことで、6年周期の変動がこの伴星の影響によるものだとする説が強く支持されるようになりました。


2019年の“大減光イベント”とその後

ベテルギウスは2019年末に突如として明るさを失い、2020年2月までに3分の2以上が減光しました。この現象は「大減光イベント(Great Dimming Event)」と呼ばれ、世界中のメディアでも話題に。

当初は「超新星爆発の前兆か」とも報じられましたが、後の研究で次のことが判明しました:

  • 恒星表面の一部が噴出し、塵の雲を形成
  • 可視光を遮ったが、赤外線ではむしろ明るくなっていた
  • ESOの超大型望遠鏡の干渉計がこの現象を裏付け。

この出来事を契機に、ベテルギウスの詳細な観測が加速し、伴星の存在確認につながったのです。


2025年:ジェミニ望遠鏡による「決定的な撮影」

NASAエイムズ研究センターのスティーブ・ハウエル博士らの研究チームは、ハワイのジェミニ北望遠鏡に搭載されたʻAlopekeスペックルイメージャーを使用し、ベテルギウスの伴星を初めて直接撮影することに成功しました。

  • スペックルイメージング技術により、大気の揺らぎを排除。
  • ハッブル宇宙望遠鏡やチャンドラX線衛星では捉えられなかった天体を可視化。

この伴星は非公式に「ベテルバディ」または「Siwarha(彼女のブレスレット)」と呼ばれ、以下の特徴が明らかになっています:

特徴内容
明るさベテルギウスより6等級暗い
距離約4天文単位(太陽-木星間に近い)
質量太陽の約1.5倍
種類A型またはB型の前主系列星(若く青白い星)

未来に待つ“飲み込み”とさらなる観測

この伴星は現在、ベテルギウスの外層大気中を軌道に沿って内向きに螺旋運動していると見られており、今後約1万年以内に、ベテルギウスに吸収される可能性があるといいます。

また、2027年11月には、伴星がベテルギウスと最大離角となると予測されており、観測にとって最適な機会が訪れます。NASAを含む複数の研究機関が、さらに精密な追跡観測を行う予定です。


おわりに:一世紀越しの答えと新たな問い

100年以上にわたる観測と議論を経て、ようやくベテルギウスの明るさの謎に一つの答えが見つかりつつあります。しかし、今回の発見が示すのは「伴星の存在」だけではなく、宇宙がいかに動的で予測困難であるかという事実です。

ベテルギウスは今もなお、**人類にとって最も身近な“終末を待つ恒星”**として、天文学者の目を引きつけ続けています。


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