公開:bluewin.ch / cbsnews.com / arkeonews.net / foxnews.com

アルプスの湖で歴史的発見
ドイツ・スイス・オーストリアの国境に広がるアルプスの湖「コンスタンス湖」で、未発見だった31隻の沈没船が確認されました。バーデン=ヴュルテンベルク州文化財保護局が発表したもので、この湖の深部には数世紀にわたる海事史を物語る船舶が眠っていることが明らかになりました。
この発見は、2022年に始まった「沈没船と深海」プロジェクトの成果です。研究チームはマルチビーム音響測深器やサイドスキャンソナー、遠隔操作潜水艇などの最新技術を駆使し、250を超える水中異常を調査。そのうち186地点を確認し、31隻が難破船と特定されました。
第二次世界大戦時代の蒸気船も確認
今回の中でも特に注目されるのは、以下の2隻の大型蒸気船の残骸です。
- SDフリードリヒスハーフェンII号
最大600人の乗客を運ぶことができた外輪船。第二次世界大戦中の空襲で損傷し、その後1946年に自沈。 - SDバーデン号
1930年に退役後、最終的に湖に沈没。
プロジェクトの研究員アレクサンドラ・ウリッシュ氏は、「難破船は単なる失われた乗り物ではなく、当時の物語と職人技を保存する“タイムカプセル”です」と強調しています。
完全な形で残る貨物帆船と謎の樽
調査では、マストと帆桁が残るほぼ無傷の貨物帆船も発見されました。保存状態が良好で、船首クランプや係留ピン、ラチェット付きギアリングといった精巧な部分の調査も可能となりました。
さらに別の地点では、蓋が intact(無傷)な木製樽が少なくとも17個確認され、その一部にはブランド印と思われる刻印も。ところが対応する船体は見つからず、積荷の出所はいまだ謎のままです。
内陸水域考古学の新たなマイルストーン
プロジェクトは2027年夏まで継続予定で、研究者たちは引き上げよりも水中遺跡の記録と保存を重視しています。
コンスタンス湖はライン川から水を得ており、最大水深は約800フィート。歴史的に貿易・旅行・レジャーの拠点として栄えてきたこの湖に眠る沈没船の数々は、当時の航海技術や造船技術を知る貴重な手がかりとなるでしょう。

