ワキガとは、アポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚表面の細菌によって分解されることで発生する悪臭です。この悪臭は、汗自体ではなく、細菌が産生する揮発性脂肪酸やアンモニアなどの物質が原因です。
では、なぜ細菌が繁殖するのでしょうか？それは、体内の酸性度が高いことが大きな要因です。体内の酸性度とは、血液や組織液などのpH値（水素イオン指数）のことで、7より低いと酸性、7より高いとアルカリ性と言います。一般的に、人間の体内のpH値は7.35～7.45程度で、わずかにアルカリ性です。
しかし、現代人の食生活や生活習慣は、体内の酸性度を上げる傾向にあります。特に、肉類や卵類、砂糖や油脂などの酸性食品を多く摂取すると、体内で酸性物質が増えてしまいます。これらの酸性物質は、皮膚から排出される際に汗と混ざり合い、細菌のエサになってしまいます。その結果、細菌が増殖しやすくなり、ワキガの臭いが強くなってしまうのです。
逆に言えば、体内の酸性度を下げることができれば、細菌の繁殖を抑えることができます。そのために有効なのが、アルカリ性食品です。アルカリ性食品とは、消化吸収された後に体内でアルカリ物質を生成する食品のことで、野菜や果物、海藻類、豆類、乳製品などがあります。これらの食品を摂取することで、体内のpH値を上げることで、細菌のエサになる酸性物質を減らし、ワキガの臭いを軽減することができます。実際に、アルカリ性食品を摂取することで、ワキガの臭いが改善されたという報告もあります 。
では、具体的にどのようなアルカリ性食品を摂取すればよいのでしょうか？ここでは、ワキガ対策に特に効果的なアルカリ性食品を５つご紹介します。
１．レモン
レモンは、ビタミンCが豊富な果物です。ビタミンCは、体内の酸性度を下げるだけでなく、抗酸化作用や免疫力向上作用もあります。また、レモンに含まれるクエン酸は、疲労回復や代謝促進にも役立ちます。レモンは、水やお茶に絞って飲んだり、サラダや魚料理にかけたりすると美味しく摂取できます。
２．バナナ
バナナは、カリウムが豊富な果物です。カリウムは、体内の余分な塩分や水分を排出する利尿作用があります。これにより、体内の酸性度を下げるだけでなく、むくみや高血圧の予防にもなります。また、バナナに含まれる食物繊維は、便秘解消や腸内環境の改善にも効果があります。バナナは、そのまま食べたり、スムージーやヨーグルトに入れたりすると美味しく摂取できます。
３．ほうれん草
ほうれん草は、鉄分や葉酸などのミネラルが豊富な野菜です。これらのミネラルは、血液の質を向上させることで、体内の酸性度を下げます。また、ほうれん草に含まれるクロロフィルは、悪臭の原因となる物質を中和する作用があります。ほうれん草は、生でサラダにしたり、炒め物やスープに入れたりすると美味しく摂取できます。
４．納豆
納豆は、大豆を発酵させた食品です。大豆はアルカリ性食品ですが、発酵させることでさらにアルカリ性度が高まります。また、納豆に含まれる納豆菌は、腸内で善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすことで、腸内環境を改善します。これにより、体内の酸性度を下げるだけでなく、免疫力や代謝も向上させます。納豆は、ご飯や味噌汁に入れたり、トーストにのせたりすると美味しく摂取できます。
５．ヨーグルト
ヨーグルトは、乳酸菌が発酵させた乳製品です。乳酸菌は、腸内で善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすことで、腸内環境を改善します。これにより、体内の酸性度を下げるだけでなく、消化や吸収も促進します。また、ヨーグルトに含まれるカルシウムは、骨や歯の健康にも必要な栄養素です。ヨーグルトは、そのまま食べたり、果物やグラノーラと混ぜたりすると美味しく摂取できます。
いかがでしたか？これらのアルカリ性食品を日常的に摂取することで、体内の酸性度を下げてワキガの臭いを抑えることができます。もちろん、食事だけではなく、適度な運動や水分補給、睡眠なども大切です。また、ワキガの原因は個人差がありますので、自分に合った対策を見つけることも重要です。
