政府、子ども1人に2万円給付と電気・ガス補助を決定

〜21.3兆円規模の「物価高対策」総合経済対策、その全容〜

■ 総額21.3兆円の経済対策を閣議決定

政府は2025年11月21日、臨時閣議で総額約21.3兆円にのぼる「総合経済対策」を決定しました。
今回の対策は、急速な物価上昇が家計を圧迫するなか、国民の負担を軽減することを目的としています。一般会計の歳出は約17.7兆円で、新型コロナ禍後としては最大規模の経済対策となります。

岸田政権はこの政策を「国民生活を守るための総合的支援」と位置づけており、特に物価高に苦しむ子育て世帯や一般家庭への直接支援に重点を置いています。


■ 子ども1人あたり2万円給付「子育て応援手当」創設

今回の目玉政策のひとつが、0歳から18歳までの子どもを対象にした**「子育て応援手当」**です。
1人あたり2万円が給付され、所得制限は設けられません。つまり、全ての子育て世帯が対象となります。

給付の手続きは、すでに多くの家庭が利用している児童手当の口座を活用する形で行われる見込みです。これにより、申請手続きが不要となり、自動的に振り込まれる世帯が大多数を占めると見られています。支給時期は2026年春ごろが想定されています。

必要経費は約4,000億円にのぼり、既存制度を利用することで迅速な支給を実現する方針です。

● 政策の意義と課題

この給付金は、急激な物価上昇で家計が圧迫されるなか、子どもの生活を守る目的で設計されています。
東京大学の山口慎太郎教授は「出生率の押し上げ効果は限定的だが、子どもの貧困対策としての意義は大きい」と指摘しています。
一方で、「一時的な現金給付では、長期的な安心感や子育て支援制度の改善にはつながらない」との懸念もあります。


■ 電気・ガス料金補助で光熱費を軽減

もう一つの柱となるのが、電気・ガス料金の補助制度です。
2026年1月から3月までの3か月間、標準的な家庭で合計約7,000円の負担軽減となる見込みです。

具体的には、

  • 電気料金は使用量1キロワット時あたり4.5円
  • ガス料金は1立方メートルあたり18円
    が補助されます。特に、暖房や給湯などでエネルギー需要が増す1月・2月に重点を置く形となっています。

● 冬季支援の背景

日本は冬季にエネルギー需要が急増します。物価高と円安の影響で電力・ガスの輸入コストが上昇する中、政府はエネルギー価格の安定を重視しました。
この補助は、家計の即時的な支援と同時に、地域経済の消費を下支えする効果も期待されています。


■ 地方自治体への重点交付金も拡充

政府は地方自治体にも柔軟な支援策を実施できるよう、2兆円規模の重点支援地方交付金を計上しました。
この資金を使って、自治体ごとに食料支援、公共料金の独自補助、地元商店街の支援などが実施できるようになります。
地域の実情に応じた支援策を展開することで、全国的な物価対策のきめ細やかさを確保する狙いがあります。


■ 財源と今後の見通し

経済対策の財源となるのは、主に税収の上振れ分や国債発行です。
一般会計歳出は17.7兆円程度で、そのうち多くが家計支援、エネルギー補助、地方交付金などに充てられます。
政府は「責任ある積極財政」を掲げており、年内に補正予算案を国会に提出し、成立を目指しています。

ただし、専門家からは「財政規模が膨らみ続ける中で、将来的な財政負担やインフレ圧力をどう管理するかが課題」との指摘も出ています。


■ 国民の声と専門家の評価

SNS上では「2万円の給付は助かる」「即効性はあるが根本解決ではない」といった意見が交錯しています。
テレビ報道でも、子育て世帯からは「ありがたい」という声がある一方で、「育児の安心感にはつながらない」との冷静な意見も見られます。

経済学者の間でも評価は分かれており、短期的には家計を支える効果があるものの、中長期的には「持続可能な賃金上昇と社会保障改革が不可欠」とする意見が多くなっています。


■ 首相のコメントと政府の姿勢

高市早苗首相は記者会見で、
「責任ある積極財政のもと、国民に迅速に物価高対策を届けることを最優先とする」と述べました。
また、今回の経済対策を「危機管理投資・成長投資の基盤づくり」と位置づけ、エネルギーや次世代産業分野への投資も併せて進める考えを示しています。


■ まとめ

今回の経済対策は、国民生活の防波堤となる「即効型支援策」です。
子ども1人あたり2万円の給付、電気・ガス補助、自治体支援金という3本柱で、短期的に家計を下支えする構成となっています。
しかし、その効果が一時的に終わるのか、それとも次の成長投資につながるのか——今後の実施状況が注目されます。


ソース

首相官邸発表(令和7年11月21日総合経済対策関連会見)、厚生労働省・経済産業省関連資料、主要報道機関(産経新聞、読売新聞、TBSニュース、NHK、時事通信)など政府および全国紙報道を総合的に確認。

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