NHKは28日、受信料の支払いを求める民事手続きによる督促を、2026年度に全国47都道府県で実施し、年間2,000件を超える規模に拡大する方針を明らかにしました。
これはこれまでで過去最多となる見通しです。
背景には、受信料の支払率が徐々に低下している現状があります。NHKは、簡易裁判所への「支払督促」の申し立てを通じて、強制執行も可能となる法的措置を本格的に強化する姿勢を鮮明にしました。
受信料特別対策センター設置と督促強化の実態
NHKは2025年10月、本部内に「受信料特別対策センター」を新たに設置しました。
このセンターは、受信契約を結んでいるにもかかわらず、1年以上受信料を支払っていない世帯や事業所を主な対象とし、法的手続きを集中的に進める役割を担っています。
センター設置後の2025年10月から12月までの3か月間で、全国で398件の支払督促申し立てが行われました。
これは、2024年度1年間(125件)の約3倍に相当します。
対象地域は、支払率が比較的低い
東京・大阪・千葉・埼玉・愛知の5都府県が中心となりました。
さらにNHKは、2025年度末(2026年3月)までに全国で約750件の申し立てを行う計画です。
東京、大阪、千葉、埼玉、愛知、沖縄の6都府県では、過去最多の申立件数になる見通しとしています。
未払いの現状と、支払い増加という変化
NHKによると、2024年度末時点の受信料支払率は78%でした。
これは5年前と比べて約3ポイント低下しています。
また、1年以上にわたり受信料が未払いとなっている件数は約170万件に達しており、長期未払いが構造的な課題となっています。
一方で、受信料特別対策センター設置後には、一定の効果も表れています。
2025年10月から12月までの3か月間で、長期未払いだった世帯・事業所から約4万件の支払いがありました。
特に、センター設置を公表した2025年11月18日から12月末までの支払い件数は約2万7千件に上り、
これは前年同時期の176%に相当します。
NHKは、法的措置の方針を明確にしたことが、一定の支払い行動につながったとの見方を示しています。
NHKが示す「最後の方法」としての法的措置
NHKは今回の発表で、民事手続きによる督促について、次のような考え方を示しました。
「受信料制度の意義や公共放送の役割について、誠心誠意、丁寧に説明を尽くしてもなお、契約や支払いに応じていただけない場合の“最後の方法”として実施する」
NHKは現在、
ダイレクトメール
訪問による説明
インターネット広告
など、さまざまな手段を通じて受信料制度への理解を求めています。
そのうえで、まずは制度への理解を得る努力を最大限行うことを原則としつつ、負担の公平性を確保するため、法的措置も辞さないという姿勢を明確にしています。
今後の受信料制度を巡る論点
今回の方針は、単なる督促強化にとどまらず、
公共放送の財源をどのように支えるのか
受信料制度をどう維持・見直していくのか
といった、より大きな議論にもつながります。
支払率低下という現実と、公共放送としての役割をどう両立させるのか。
NHKの法的措置拡大は、今後も社会的な関心を集め続けることになりそうです。
ソース
高知新聞
産経新聞
ORICON NEWS
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