高市早苗首相は3月23日、自民党役員会で、2026年度予算案が3月末までに成立しない場合に備え、暫定予算案の編成を検討する方針を表明しました。
また、木原稔官房長官も同日、参院幹部との会談で「不測の事態に備えて暫定予算を編成する方向で検討したい」と伝えています。
そのため、暫定予算の編成が現実的な選択肢として浮上しました。
さらに、暫定予算が編成されれば2015年以来、11年ぶりの事態となります。
つまり、通常であれば年度内成立が前提となる予算編成が、大きく揺らいでいる状況です。
年度内成立を阻む参議院の構図
2026年度予算案は3月13日に衆議院を通過しました。
また、一般会計総額は122兆3092億円で、過去最大規模です。
しかし、憲法の規定に基づき、自然成立は4月中旬となります。
一方で、高市首相は3月末までの年度内成立を目指してきました。
そのため、日程的な制約が極めて厳しくなっています。
さらに、問題となっているのが参議院の状況です。
参議院では与党が過半数に届かず、少数与党の状態にあります。
つまり、衆議院のように数の力で押し切ることができません。
衆院の短期審議が参院に影響
衆議院では、与党が議席の優位を背景に審議を進めました。
実際に、審議時間は2000年以降で最短となる59時間でした。
しかし、この短期間の審議は参議院に影響を及ぼしました。
一方で、野党は参議院での十分な審議時間を強く求めています。
そのため、拙速な採決には応じない姿勢を明確にしています。
つまり、衆議院で前倒しした分、参議院での調整が難航しています。
野党が求めた暫定予算の明確化
こうした中、野党側は早い段階から問題提起を行っていました。
立憲民主党の斎藤嘉隆国対委員長は「魔法のつえでもない限り年度内成立は難しい」と指摘しました。
さらに、暫定予算の編成方針を明確にするよう求めています。
つまり、現実的な対応として暫定予算を準備すべきだという立場です。
そのため、今回の政府の発言は、野党の要求に応じた側面もあります。
衆院解散がもたらした日程圧縮
今回の審議難航の背景には政治日程の問題があります。
高市首相は2月8日に衆院解散・総選挙に踏み切りました。
そのため、予算案の提出が約1カ月遅れました。
さらに、国会審議の日程も大幅に圧縮されました。
一方で、衆議院では与党が大きく議席を伸ばしました。
しかし、参議院では状況が異なります。
つまり、衆参の勢力差が審議の難しさを生んでいます。
暫定予算の仕組みと意味
暫定予算とは、本予算が年度開始までに成立しない場合に編成する「つなぎ予算」です。
また、行政サービスを止めないために必要最低限の支出を認めます。
そのため、国家機能の維持という実務的な役割を持ちます。
しかし、暫定予算の編成は通常ではありません。
つまり、本予算の成立が間に合わない異例の状況を示します。
こうした中、政治的な影響も小さくありません。
ガソリン補助と財政対応が同時進行
一方で、政府は別の対応も進めています。
中東情勢の悪化を受け、2025年度予備費から約8000億円を活用する方針です。
さらに、ガソリン補助金の基金を積み増します。
実際に、ガソリン価格を1リットル170円程度に抑える措置を維持します。
また、補助10円あたり月1000億円規模の財政負担が発生します。
そのため、エネルギー対策と予算問題が同時に進行しています。
今後の焦点は二つの選択
今後の最大の焦点は明確です。
年度内に本予算を成立させるのか、それとも暫定予算で対応するのかです。
しかし、自然成立は4月中旬となります。
そのため、4月1日時点では間に合いません。
つまり、年度初日の財政運営が課題になります。
さらに、今回の問題は政治構造も反映しています。
衆議院では強い与党、参議院では少数与党というねじれ状態です。
そのため、今後の国会運営にも影響を与える可能性があります。
ソース
毎日新聞
TBS NEWS DIG

