KDDI、子会社の架空取引で決算延期 売上高2460億円取り消しの影響と今後の対応

通信大手の KDDI は2月6日、連結子会社における不適切な取引の調査が継続していることを理由に、2026年3月期第3四半期決算短信の公表を延期すると発表しました。同社は同日、業績説明会を開き、問題の概要と業績への影響額を明らかにしています。

問題となっているのは、連結子会社である ビッグローブ と、その子会社ジー・プランが手がけていた広告代理事業です。社内調査の結果、子会社の社員が広告主の実在しない架空の広告代理取引を複数年にわたり計上し、売上高を過大に計上していた疑いが確認されました。

KDDIによると、少なくとも2018年3月期から架空取引が行われていた可能性がある としており、問題は長期間にわたって見過ごされてきた恐れがあります。

売上高2460億円の取り消し見込みと利益への影響

今回の不適切な取引による業績への影響は極めて大きなものとなっています。KDDIが現時点で把握している売上高の取り消し額は、合計で約2460億円 にのぼります。

内訳を見ると、
2024年3月期以前が約960億円
2025年3月期が約820億円
2026年3月期が約680億円
と、複数年度にまたがって売上が過大計上されていたことが分かります。

営業利益への影響も深刻です。これまでに 計上済み利益の取り消しが約500億円、さらに 架空取引に伴う外部流出分として約330億円の引当金 を計上する見通しとしています。外部に流出したとされる資金については回収を目指すとしていますが、実際にどこまで回収できるかは不透明です。

加えて、今後の調査結果次第では 減損損失などの追加的な損失が発生する可能性も否定できない としています。

入金遅延をきっかけに発覚した不正の全容

この問題が表面化したきっかけは、昨年12月中旬に発生した一部広告代理店からの入金遅延でした。KDDIはこの時点で売上高の過大計上の可能性に気づき、内部調査を進めた結果、2026年1月上旬に子会社社員による不適切な取引の疑いを確認しました。

これを受けてKDDIは、1月14日に 外部の弁護士や公認会計士で構成される特別調査委員会 を設置し、事実関係の解明を進めています。調査委員会の報告書は 2026年3月末に提出される予定 で、その後、過年度決算の修正と第3四半期決算短信の公表を同じく3月末を目途に行う方針です。

なお、2026年3月期の本決算については「遅滞なく実施する」としています。

ガバナンス体制への厳しい視線

KDDIは今回の件について、「多大なるご迷惑、ご心配をおかけし、心よりおわび申し上げる」とコメントしています。通信インフラを担う大手企業として、子会社管理や内部統制、ガバナンス体制の在り方が厳しく問われる事態 となりました。

架空取引が複数年にわたり見逃されていた背景や、チェック機能が十分に働いていなかった理由がどこにあるのかは、今後の調査報告で明らかにされる見通しです。投資家や市場関係者にとっては、業績への影響だけでなく、再発防止策の実効性が重要な焦点となりそうです。

ソース

毎日新聞
ロイター
産経新聞

タイトルとURLをコピーしました