幼児期の超加工食品摂取が低IQと関連|2歳時の食習慣が6〜7歳の知能に影響か【ブラジル出生コホート研究】

幼児期の超加工食品とIQ低下の関連が判明

幼児期の超加工食品摂取が低IQと関連する可能性があるとする研究結果が発表されました。

この研究は、2歳時に加工肉や甘いスナック菓子、炭酸飲料を多く含む食事を摂取していた幼児が、就学年齢に達するまでに知能テストで低いスコアを示す傾向があったことを示しています。

なぜ重要なのでしょうか。
それは、幼児期は脳の発達が急速に進む極めて重要な時期だからです。

今後、栄養指導や食育政策の見直しにつながる可能性もあります。

研究の背景

この研究は、ブラジルで実施された大規模な長期追跡調査に基づいています。

使用されたのは、2015年ペロタス出生コホートのデータです。

「コホート研究」とは、特定の集団を長期間追跡し、健康状態や生活習慣の影響を分析する研究手法です。

この調査はラテンアメリカで最も包括的な人口健康研究の一つとされています。

研究では、4,275人の子どもの食事パターンと認知的転帰を分析しました。

ブラジルのペロタス連邦大学とイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究者が共同で実施しました。

食事パターンの分類

研究者は、個々の食品ではなく統計的手法を用いて食事パターンを特定しました。

つまり、どの食品をどれだけ組み合わせて摂取しているかを総合的に分析したのです。

その結果、幼児の食習慣は大きく2つに分類されました。

「不健康な」パターン

不健康なパターンには、次の食品が含まれていました。

  • インスタント麺
  • 包装されたスナック菓子
  • 甘いビスケット
  • キャンディ
  • 炭酸飲料
  • ソーセージ
  • 加工肉

これらは一般に超加工食品と呼ばれます。

超加工食品とは、工業的に高度な加工を施し、添加物や保存料、人工甘味料などを多く含む食品を指します。

「健康的な」パターン

一方で健康的なパターンには、次の食品が含まれていました。

  • 豆類
  • 果物
  • 野菜
  • ベビーフード
  • 天然果汁

これらは比較的加工度が低く、栄養価が高い食品です。

IQスコアへの影響

研究の結果は明確でした。

不健康な食事パターンへの高い順守を示した子どもは、低い順守の子どもと比較してIQが2.24ポイント低下していました。

さらに注目すべき点があります。

生育初期に発育不全があった子どもでは、IQ低下はより顕著でした。

発育不全とは、年齢に対して体重、身長、または頭囲が低い状態を指します。

このグループでは、IQの低下は4.78ポイントに達しました。

イリノイ大学の助教授であり本研究の共著者であるThaynã Ramos Flores氏は次のように述べています。

「文献によると、出生から生後1年までの身長と頭囲に不足のある子どもは、低IQに分類される可能性が高かったのです。」

生物学的脆弱性と累積的不利

研究者らは、この結果を「累積的不利」と呼んでいます。

累積的不利とは、生物学的な弱さと環境要因が重なることで、より悪い結果が生じる現象です。

つまり、生物学的脆弱性と食事の質の低さが相互に作用するということです。

どちらか一方だけの場合よりも影響が大きくなります。

一方で、健康的な食事パターンはIQ向上との明確な関連を示しませんでした。

その理由についてFlores氏は説明しています。

「子どもたちの約92%が、健康的パターンを特徴づける食品を習慣的に4種類以上摂取していました。」

つまり、多くの子どもが健康的食品をある程度摂取していたため、統計的な差が検出しにくかったのです。

公衆衛生への影響

この研究は因果関係を直接証明するものではありません。

しかし研究者らは、いくつかの生物学的メカニズムを提唱しています。

例えば、腸脳相関の破綻です。

腸脳相関とは、腸内環境と脳機能が相互に影響し合う関係のことです。

また、全身性炎症や酸化ストレスも挙げられています。

酸化ストレスとは、体内で発生する活性酸素が細胞にダメージを与える状態を指します。

これらが発達中の脳に影響を及ぼす可能性があります。

Flores氏は次のように述べています。

「我々の研究結果は、定期的な小児健康診療における栄養指導の強化の重要性を裏付けるものであり、超加工食品や不健康な食品を習慣的に提供することを制限する必要性を強調しています。」

さらに彼女はこう指摘しています。

「確立されたガイドラインがあるにもかかわらず、超加工食品の摂取はこの年齢ですでに一般的になっています。」

今後の展望

この研究はブラジル南部で実施されました。

しかし、超加工食品は現在、世界中の幼児の食事に広く普及しています。

そのため、研究者らは、この結果が他地域にも当てはまる可能性があると述べています。

つまり、幼児期の超加工食品摂取と低IQの関連性は、グローバルな課題かもしれません。

食事は毎日の選択の積み重ねです。

しかし、その積み重ねが将来の認知発達に影響する可能性があるとすれば、社会全体での対応が求められます。

ソース

British Journal of Nutrition
medicalxpress.com
psypost.org
ahs.illinois.edu

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