ナガエツルノゲイトウ(最悪の侵略植物)とは何か

佐賀市が対策に乗り出した「ナガエツルノゲイトウ」は、南米原産の多年草です。
学名は Alternanthera philoxeroides といいます。
この植物は、日本で特定外来生物に指定されています。
特定外来生物とは、生態系や農業などに深刻な被害を与える外来種として、国が法律で規制する生物です。
環境省によると、ナガエツルノゲイトウは「地球上最悪の侵略的植物」とも呼ばれます。
繁殖力が極めて強いためです。
国内では1989年、兵庫県で野外定着が確認されました。
その後、分布は拡大しました。
現在は福島県から沖縄県まで、29都府県に拡大しています。
水路や河川、水田で大繁殖しています。
佐賀市が全国初の実証実験を発表


2026年度から、佐賀市が全国初の実証実験を始めます。
発表したのは、佐賀市の坂井英隆市長です。
対策の柱は、クウシンサイの栽培です。
クウシンサイは中華料理で使われる葉物野菜です。
別名は空心菜です。
水辺でよく育つ特性があります。
市は、上流でクウシンサイを栽培します。
そして水中の養分を吸収させます。
ナガエツルノゲイトウは、窒素やリンを栄養源にします。
そのため、養分を先に吸収すれば繁殖を抑えられる可能性があります。
仕組みと狙いをわかりやすく解説
実証実験では、水槽にクウシンサイを浮かべます。
そして根から吸収する養分量を測定します。
具体的には、水中の窒素とリンの吸収量を調べます。
窒素とリンは植物の成長に欠かせない栄養素です。
クウシンサイは生育時に大量の水を吸い上げます。
同時に窒素やリンも取り込みます。
つまり、養分を先取りする作戦です。
水質浄化の効果も期待されています。
大学などの研究機関と連携します。
科学的なデータを基に検証します。
実験結果を踏まえ、現場導入を検討します。
本格導入が実現すれば、全国のモデルになります。
「南米の悪魔」と呼ばれる理由
ナガエツルノゲイトウは、刈り取りが難しい植物です。
最大の問題は再生能力です。
茎や根の小さな断片から再生します。
節を含む茎が「種」のように機能します。
ちぎれた部分が流れ着くと、そこで発根します。
そして新たな群落を形成します。
通常の除草作業では逆効果になる恐れがあります。
作業中に断片が広がるからです。
このため「南米の悪魔」とも呼ばれます。
駆除が非常に困難です。
農業や治水への深刻な影響
水田に侵入すると、稲の生育を妨げます。
収穫作業にも支障が出ます。
また、水路や河川では水の流れを阻害します。
その結果、洪水リスクが高まります。
つまり、農業と治水の両面で問題があります。
地域経済にも影響します。
農林水産省と環境省は、駆除マニュアルを公表しています。
全国に対策を呼びかけています。
しかし、完全な解決策は確立していません。
そのため、今回の佐賀市の実験に注目が集まります。
今後の展望と課題
今回の実験は、化学薬剤に頼らない方法です。
環境負荷を抑える点に意義があります。
しかし、実際の河川で同様の効果が出るかは未知数です。
水量や流速の影響もあります。
また、クウシンサイ自体の管理も必要です。
適切に収穫しなければ新たな問題になります。
一方で、成功すれば画期的です。
持続可能な外来種対策になります。
佐賀市の挑戦は、全国的なモデルになる可能性があります。
今後の検証結果が鍵を握ります。
ソース
・西日本新聞
・福井新聞
・北國新聞
・環境省
・農林水産省
・共同通信系配信記事

