2025年12月31日、ついに日本のガソリン税を大きく押し上げてきた 「暫定税率」 が完全に廃止される見通しとなりました。25日の衆議院本会議で、暫定税率を年内に廃止するための法案が 全会一致で可決。この後、参議院での審議を経て、28日にも成立する見込みです。
暫定税率の廃止は、約50年ぶりの非常に大きな税制変更であり、家計への影響も大きい歴史的転換点となります。
■ そもそも「暫定税率」とは何だったのか?
ガソリン税にはもともと本則税率があり、そこに追加されているのが 「暫定税率」25.1円/L です。
これは1974年、第一次オイルショック後に道路整備費を捻出するため、当時の田中角栄内閣が「2年間の臨時措置」として導入したものでした。しかし現実には、その後50年近く延長が繰り返され、2010年には名称を「当分の間税率」と変更しながら、実質的には同じ金額が維持され続けてきました。
● なぜ50年も続いたのか?
理由としては以下が挙げられます。
- 道路整備の財源として継続的に必要とされた
- 国の税収に占める割合が大きく、廃止の政治的ハードルが高かった
- 生活や物流に不可欠な燃料であり、影響が大きい
今回、与野党6党(自民・立憲民主・維新・公明・国民民主・共産)が合意したことで、ようやく廃止に向けて動き出しました。
■ ガソリン税はどれだけ安くなるのか?
結論:25.1円/L ぶん安くなる
これがそのまま価格に反映されるため、仮に燃費がリッター15kmの車で年間走行1万kmとすると、燃料消費約650L、年間で約 1万6,300円の負担軽減 になります。
政府は「平均的な1世帯当たり 年間1万2,000円程度の負担減」と説明しています。
また、同じく燃料にかかる 軽油引取税の暫定税率(17.1円/L) も、2026年4月1日に廃止されることが法案に盛り込まれています。
■ 廃止までの期間はどうなる?段階的に補助金で“同等の値下げ”
暫定税率が完全になくなるのは12月31日ですが、実際の価格引き下げ効果は もっと早く 現れます。
政府は移行措置として、以下のように ガソリン価格補助金を段階的に引き上げる仕組み を導入しています。
● ガソリン補助金(1Lあたり)
- 現在:10円
- 11月13日:15円
- 11月27日:20円
- 12月11日:25.1円(暫定税率と同額)
● 軽油補助金
- 11月27日に暫定税率と同額の 17.1円 に引き上げ
これにより、
- ガソリンは 12月中旬から
- 軽油は 11月下旬から
実質的には「暫定税率が消えたのと同じ」価格で販売される見通しです。
そして 12月31日の暫定税率廃止と同時に、補助金は終了 します。
■ 約1兆円の減税効果──その財源はどうするのか?
暫定税率廃止による減税規模は およそ1兆円 と見込まれています。
しかし当然、これだけ大きな税収減には別の財源が必要になります。政府は現在、以下のような選択肢を検討中です。
- 法人税の特別措置の見直し
- 高所得層への課税見直し
- 税制優遇制度の整理
年末までに代替財源について答えを出す方針となっています。
■ 半世紀続いた制度に幕──なぜ今廃止されるのか?
今回の廃止が実現した背景には、いくつかの世論的・政治的要因があります。
● ① 物価高に対する家計支援
ガソリン価格が高騰しやすい状況が続き、国民の負担軽減が政治テーマとなりました。
● ② エネルギー政策の転換点
脱炭素社会の流れとともに、エネルギー税制の見直しが世界的に進んでいます。
● ③ 野党も含めた超党派の合意
6党がそろって賛成に回るという“異例の一致”が決め手となりました。
■ まとめ:家計に直接効く大型減税、ただし今後の税制改革にも注目
今回の ガソリン暫定税率の廃止は、50年来の負担がようやく軽くなる歴史的な決定 です。
ガソリン代は年末までに実質的に値下がりし、1世帯あたり1万円以上の節約が期待できます。一方で、税収減をどう補うのかという問題は大きく、年末に向けて税制全体の議論がさらに動く可能性があります。
今後の国会審議も重要なポイントとなるでしょう。
■ ソース
- taxlabor
- 47NEWS
- Yahoo!ニュース
- KSBニュース
- note
- DLRI(大和総研)

