中部電力 浜岡原発耐震データ不正報告書を3月31日提出へ|基準地震動問題の全容焦点

中部電力は3月24日、浜岡原子力発電所の耐震データ不正問題を巡り、3月31日午前に原子力規制委員会へ報告書を提出すると明らかにしました。

提出日は、原子力規制委員会が1月14日に出した報告徴収命令の期限である3月31日に合わせた対応です。
つまり、今回の報告書提出は、規制当局が定めた期限内での正式な報告になります。

この問題は、浜岡原発の再稼働審査に関わる重要案件です。
そのため、報告書で不正の全容がどこまで明らかになるかが今後の大きな焦点になります。

規制当局が厳しく見ている理由

浜岡原発を巡っては、耐震設計の目安となる基準地震動の策定過程が問題になっています。
基準地震動とは、原発が耐えるべき地震の揺れの強さを定める重要な基準です。

しかし、規制庁は2月、その策定過程に関する記録が十分に残っていなかったことを規制委に報告しました。
一方で、規制委の委員からは、記録の不十分さについて厳しい指摘が出ていました。

中部電力側は、「策定過程のデータは事後的に検証する対象にしておらず、保管しなかった」と説明しています。
しかし、原発の安全審査に関わる記録管理として、この説明が重く受け止められています。

勝野会長が示した現時点の対応

中部電力の勝野哲会長は3月23日、中部経済連合会会長としての定例記者会見で発言しました。
この中で、原子力規制庁に対し、調査のための資料を「引き続き準備ができたものから出していく」と述べました。

また勝野氏は、当局の指示に基づいて、関係者特定のための名簿や打ち合わせ資料などを提出してきたと説明しました。
一方で、一部は未提出の状態が続いていることも明らかになっています。

こうした中で、3月31日に出す報告書が、どこまで資料提出の遅れや不足を補えるのかが注目されます。
さらに、規制当局がその内容をどう評価するかも重要です。

問題の発端は公益通報でした

この問題は、2025年2月の公益通報制度による情報提供をきっかけに発覚しました。
公益通報制度とは、組織内部の不正や法令違反の疑いを外部に知らせる仕組みです。

実際に、この通報を受けて、浜岡原発3・4号機の再稼働審査に関わる不正の疑いが表面化しました。
そのため、この案件は単なる書類不備ではなく、審査の根幹に関わる問題として扱われています。

不正の疑いが持たれている内容

問題となっているのは、基準地震動を策定する際に用いた「統計的グリーン関数法」による計算です。
統計的グリーン関数法とは、地震動を予測するための計算手法の一つです。

中部電力はこの計算で、意図的に揺れを小さく見せるようデータを操作していた疑いがあるとされています。
つまり、原発の耐震性評価の前提を左右する数値に手が加えられた疑いです。

具体的には、平均に最も近い波ではないものを代表波として選んだとされています。
さらに、残り19組を操作してつじつまを合わせていたとされており、問題の深刻さが際立っています。

1月以降に広がった影響

中部電力が2026年1月5日に不正を公表すると、波紋は一気に広がりました。
原子力規制委員会の山中伸介委員長は、「原子力規制に対する暴挙」「原子力安全を破壊するもの」と厳しく批判しました。

この発言は、規制当局が今回の問題を極めて重大に受け止めていることを示しています。
また、原発審査の信頼性そのものが問われる事態であることも浮き彫りになりました。

審査は白紙となり立ち入り検査も実施

不正公表を受けて、規制委は審査を白紙にする方針を決めました。
これは、再稼働に向けた手続きが事実上大きく後退したことを意味します。

さらに、1月26日には中部電力本店への立ち入り検査も実施されました。
こうした対応からも、規制側が通常とは異なる厳しい姿勢で臨んでいることが分かります。

一方で、企業側にとっては、単なる追加説明では済まない局面に入ったとも言えます。
そのため、31日の報告書には、事実関係の整理だけでなく、説明責任を果たす中身が求められます。

経済産業省も別途報告を求めています

今回の問題では、原子力規制委員会だけではなく、経済産業省も動いています。
経済産業省は1月5日、電気事業法に基づく報告徴収を発出しました。

こちらの期限は、4月6日となっています。
つまり、中部電力は規制委対応と並行して、経産省への説明も進める必要があります。

こうした中で、企業統治、記録管理、審査対応の在り方が幅広く問われています。
さらに、報告内容次第では、今後の行政対応が追加で強化される可能性もあります。

31日の報告書が今後を左右する

3月31日に提出される報告書では、不正の全容がどこまで明らかになるかが最大の焦点です。
実際に、誰が関与し、どの段階で、どのような判断が行われたのかが注目されています。

また、記録がなぜ十分に残っていなかったのかも重要です。
さらに、未提出の資料がどこまで補われるのかも、規制当局の判断材料になります。

一方で、説明が不十分であれば、審査のやり直しだけでなく、企業としての信頼回復も遠のきます。
そのため、3月31日の報告書提出は、浜岡原発の再稼働審査だけでなく、中部電力の信頼性そのものを左右する節目になります。

ソース

読売新聞
中部電力の説明
原子力規制委員会
原子力規制庁
経済産業省

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