米国・イスラエルとイランの軍事衝突が3週目に突入しました。
その影響で、原油価格が主要指標で1バレル100ドルを突破しました。
この事態は世界のエネルギー供給網に大きな衝撃を与えています。
さらに、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続いています。
つまり、世界の石油供給に直接影響する危機です。
今後のエネルギー価格や金融政策にも波及する可能性があります。
原油価格が急騰、WTIとブレントが100ドル超え
今週の取引開始時、原油価格は急騰しました。
主要な2つの国際指標が同時に100ドルを超えました。
米国指標のWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)原油は、
1バレル約100ドルまで上昇しました。
また、国際指標であるブレント原油は、
1バレル106ドルを突破しました。
この急騰の背景には、ホルムズ海峡の封鎖があります。
そのため、世界の石油輸送が深刻な影響を受けています。
ハルグ島攻撃で緊張拡大、イラン石油輸出の中枢
トランプ大統領は金曜日深夜、重大な発表を行いました。
米軍がイラン最大の石油輸出拠点ハルグ島の軍事目標を破壊したと述べました。
ハルグ島は、イランの石油輸出の中心です。
イランの原油出荷の約90%がこの島を経由します。
しかし、米軍は石油インフラへの直接攻撃は控えました。
一方で、状況次第では対応を変える可能性を示しました。
トランプ大統領は、イランが船舶妨害を続ける場合、
「直ちに再考する」と警告しました。
さらにNBCニュースの取材に対し、
「ただ楽しむために再び攻撃する可能性もある」と述べました。
この発言は、紛争拡大の可能性を強く示唆しています。
ホルムズ海峡の事実上の封鎖
ホルムズ海峡は世界最大級の石油輸送ルートです。
世界の海上石油輸送の重要な通路として知られています。
しかし、2月28日の米国・イスラエルによるイラン攻撃以降、
海峡は事実上閉鎖された状態になっています。
イランのイスラム革命防衛隊は警告を出しました。
通過を試みる船舶は攻撃対象になる可能性があるとしています。
つまり、民間船舶の航行は極めて危険な状況です。
そのため、多くの商業船舶が航行を停止しています。
世界の石油供給が日量1700万バレル減少
エネルギー市場への影響は深刻です。
調査会社S&Pグローバル・エナジーは供給減少を試算しました。
この戦争により、
ペルシャ湾からの石油・石油製品の供給が1日約1700万バレル減少したと推定しています。
これは世界の供給量にとって非常に大きな規模です。
そのため、エネルギー市場の緊張が続いています。
また、米軍の海兵遠征部隊の配備も報じられました。
これにより、トランプ大統領にはハルグ島占拠の選択肢も生まれました。
しかしアナリストは警告しています。
この作戦は極めて高いリスクを伴うと指摘しています。
IEAが過去最大の石油備蓄放出を決定
こうした中、国際社会は緊急対応を開始しました。
国際エネルギー機関(IEA)は重大な決定を下しました。
加盟国の備蓄から4億バレルを放出すると承認しました。
これは過去最大規模の石油備蓄放出です。
比較すると、2022年のウクライナ戦争対応では
1億8270万バレルの放出でした。
つまり、今回はそれを大きく上回ります。
市場安定を目的とした緊急措置です。
IEAのファティ・ビロル事務局長は次のように述べました。
「大規模な措置である」
しかし同時に重要な指摘もしました。
市場安定にはホルムズ海峡の再開が不可欠だと強調しました。
原油高が金融政策にも影響
原油価格の急騰は金融政策にも波及しています。
インフレ見通しが変化しているためです。
ロイターの調査では、
96人のエコノミストのほぼ全員が予測を示しました。
彼らは、
FRBが3月の会合で金利を据え置くと見ています。
さらに市場の利下げ期待も縮小しました。
現在、市場は
年末までの利下げ幅を約20ベーシスポイントと織り込んでいます。
これは戦争開始前の
50ベーシスポイント予想から大きく縮小しました。
インフレ率はFRB目標を上回る可能性
著名エコノミストのモハメド・エラリアン氏も分析を示しました。
2026年のインフレ見通しについてです。
同氏は、
平均インフレ率が約3%になると予測しました。
これはFRBの目標である
2%を大きく上回る水準です。
つまり、原油ショックが続けば
金融政策はさらに難しくなる可能性があります。
トランプ大統領、海峡防衛で同盟国に協力要請
月曜日、トランプ大統領は外交面でも動きました。
海峡の安全確保を巡る発言です。
トランプ氏は、
中国とNATO同盟国に協力を求めました。
目的はホルムズ海峡の安全確保です。
つまり、国際連携による航路防衛です。
さらに強い警告も発しました。
協力が得られない場合についてです。
「NATOの将来にとって非常に悪い結果になる」
この発言は、同盟国への強い圧力とも受け止められています。
ソース
AFP通信
AP通信
ロイター
ニューヨーク・タイムズ
ウォール・ストリート・ジャーナル
NBCニュース
Al Jazeera
Times of Israel
Politico

