日本企業ユーロ債発行が5倍急増 ドル離れと資金調達多様化の実態

日本企業や政府系機関のユーロ債発行が、2026年1月から4月までで185億ユーロに達しました。
これは約3兆5000億円に相当します。
また、前年同期比で5倍超となり、過去最高水準を記録しました。

Bloombergの集計では、年間の過去最高に迫るペースです。
一方で、ドル建て債は53%増でした。
しかし、円建て債は3.6%減となり、ユーロ債の存在感が際立ちました。

国内金利上昇がユーロ債シフトを後押し

この流れの背景には、日本の金利環境の変化があります。
日本銀行は政策金利を0.75%に据え置きました。
しかし、10年国債利回りは2.49%に達し、高い水準となりました。

そのため、国内での調達コストは急上昇しました。
つまり、日本企業にとっては、国内市場だけに頼る調達が重くなった形です。
こうした中、ユーロ債市場へ資金調達先を広げる動きが強まりました。

三菱商事が示したユーロ債活用の具体例

実際に、三菱商事は2月に初のユーロ債として10億ユーロを発行しました。
この発行によって、同社は有利な条件を獲得しました。
また、この事例は日本企業のユーロ債活用を象徴する動きとして注目されています。

国内金利が上昇する一方で、海外市場には相対的な魅力が残っています。
そのため、企業は調達先を見直しました。
ユーロ債は、その選択肢の一つとして急速に存在感を高めています。

ソフトバンクもユーロ債発行に踏み出した

ソフトバンクは4月、同社初のユーロ建て社債の発行を開始しました。
年限は6年と10年満期です。
規模は約12億ユーロとされています。

さらに、親会社のソフトバンクグループもドルとユーロを組み合わせた発行を計画中です。
これは一つの通貨に偏らない資金調達を進める動きです。
一方で、ドル市場への依存を和らげる意味もあります。

JBICの大型ユーロ債が示す政府系機関の動き

国際協力銀行、つまりJBICも積極姿勢を示しました。
JBICは4月中旬に、25億ユーロの5年満期ユーロ債を発行しました。
しかも、これは政府保証付きでした。

この資金はM&A資金調達を支える役割を持ちました。
M&Aとは、企業の買収や合併を指します。
つまり、ユーロ債は企業再編や海外展開を支える資金源にもなっています。

日本だけではないユーロ債拡大の世界的潮流

ユーロ債発行の拡大は、日本だけの現象ではありません。
欧州外企業によるユーロ債発行は1060億ユーロ超に達しました。
さらに、前年比で40%増となっています。

また、アジア太平洋地域のシェアは25%まで上昇しました。
これは5年平均の17%を上回る水準
です。
そして、日本がその半分以上を占めています。

ドル離れの文脈で見るユーロ債拡大

このユーロ債拡大には、世界的なドル離れの流れがあります。
トランプ政権の貿易政策への不安が、その一因とされています。
さらに、日本銀行の利上げもドル依存脱却を後押ししました。

つまり、企業は通貨を分散させながら調達環境を整えています。
一方で、ドルだけに頼る構図には変化が見え始めています。
こうした中、ユーロ債は代替手段ではなく主力候補へ近づいています。

専門家予測が示す2026年の拡大余地

HSBCやDeutsche Bankの専門家は、今後の拡大余地にも注目しています。
その予測では、アジアのユーロ発行が2026年に1250億ドル超へ拡大する可能性があります。
この見通しは、ユーロ債市場への期待の強さを示しています。

実際に、日本企業のユーロ債発行は足元で急増しました。
そのため、2026年通年でも高い水準が続く可能性があります。
さらに、調達通貨の多様化は今後の標準戦略になる可能性があります。

ハイイールド企業と欧州市場の魅力

今後はハイイールドの日本企業もオフショア発行をさらに拡大する見通しです。
ハイイールドとは、利回りが高い一方で信用リスクも高めの債券を指します。
こうした企業にとっても、ユーロ債市場は重要な選択肢になりつつあります。

また、欧州債市場はECB利下げ期待によって魅力が増すと見込まれます。
ECBは欧州中央銀行のことです。
つまり、欧州の金利低下期待がユーロ債市場の追い風になっています。

資金調達多様化が意味するもの

今回のユーロ債拡大は、単なる一時的な発行増ではありません。
日本企業の資金調達多様化を象徴する動きです。
さらに、世界の資本市場が一極集中から変わる流れも映しています。

これまでドルが中心だった資本市場に、変化の兆しが見えています。
一方で、日本企業は国内金利上昇という現実にも直面しています。
そのため、ユーロ債の活用は今後も重要な経営判断になりそうです。

グローバル資本市場の多極化が進む

この動きは、グローバル資本市場の「多極化」を示しています。
多極化とは、一つの中心だけに依存せず、複数の市場や通貨が力を持つ状態です。
ユーロ債の拡大は、その変化を具体的に映しています。

実際に、日本企業はドル建て、円建て、ユーロ建てを使い分け始めています。
つまり、最適な市場を選ぶ時代に入ったということです。
ユーロ債は、その中核に浮上しつつあります。

ソース

Bloomberg
Yahoo!ニュース
moomoo.com
GlobalCapital
AllianceBernstein
JBIC公式

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