ハリガネムシとカマキリ:自然界の「遺伝子ハッキング」

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宿主の行動操る仕組みか ハリガネムシのDNAにカマキリ由来遺伝子(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
寄生虫のハリガネムシはカマキリに寄生して行動を操り、自ら川や池に入水させる習性が知られている。理化学研究所などのチームは20日、ハリガネムシのDNA(デオキシリボ核酸)にカマキリから伝わったとみら

2023年10月20日、理化学研究所などの研究チームが、自然界の「遺伝子ハッキング」事例を発表しました。

それは、ハリガネムシがカマキリの遺伝子を「利用」して、その行動を操作するというものです

この驚くべき発見は、ハリガネムシとカマキリの脳のDNA配列解析から明らかになりました。

研究チームは、ハリガネムシのDNAにカマキリ由来と思われる1342個の遺伝子を特定。

これらには、カマキリの行動を操作する可能性のある機能を持つ遺伝子が含まれていました。

特に興味深いのは、「ドパミン受容体」に似た遺伝子と「光受容体」に似た遺伝子の存在です。

これらは、それぞれ、カマキリの行動を制御する神経伝達物質と、光を感知するタンパク質に関連しています。

これにより、ハリガネムシはカマキリを特定の光に引き寄せ、水に飛び込ませることができるのです。

感想・考察 この研究は、自然界における「遺伝子の借用」という現象を示すもので、生物学的相互作用の複雑さと、生物間の関係の深さを改めて認識させられるものです。

また、寄生虫がどのようにして宿主の行動を制御下に置くのか、そのメカニズムの一端が明らかになった点も画期的です。

さらに、この発見は将来的に、寄生虫による感染症の新たな治療法や予防策の開発に繋がる可能性を秘めています。自然界から学ぶことで、人類が直面する多くの問題に対する解決策を見出すことができるかもしれません。

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