近本光司選手は阪神タイガースのリードオフマンとして活躍する俊足巧打の外野手です。彼のプロ入り前からの経歴、基本情報、プレースタイル、そして彼の特徴について詳しく分析します。
基本情報
近本光司(ちかもと こうじ)選手は1994年11月9日生まれ、現在30歳の阪神タイガース所属の外野手です。兵庫県淡路市出身で、身長171cm、体重71kgとやや小柄ながらも強靭な肉体を持ち、左投左打のスタイルで戦います。現在の背番号は「5」を付けており、阪神タイガースの象徴的な選手として活躍しています。血液型はB型で、50m5秒8を記録する俊足が特徴的な選手です。
経歴と成長の軌跡
学生時代から社会人野球まで
近本選手は学習小学校(仮屋クラブ)から東浦中学校を経て、兵庫県立社(やしろ)高校へと進学しました。高校では当初は投手として入学しましたが、華奢な体格だったため体力づくりの一環として外野手の練習も行っていました。足の速さと打撃センスが評価され、2年秋から再び投手へ転向しつつも、主に外野手として試合に出場することが多かったようです。
高校時代は甲子園出場こそ叶いませんでしたが、準々決勝まで勝ち進んだ実績と潜在能力が評価され、関西学院大学へスポーツ推薦で進学しました。大学時代は度重なるケガに悩まされた4年間となりました。2年時には右肘と右手首を骨折、4年春には再び右肘を骨折、4年秋にはデッドボールで尺骨を骨折するなど、思うように試合に出場できない日々が続きました。
しかし、3年生から正式に外野手に転向すると、同年春のリーグ戦ではリーグ最多の10盗塁を記録し、ベストナイン獲得の活躍を見せました。
大学卒業後は社会人野球の名門・大阪ガスに入社。入社1年目からレギュラーとして活躍し、2018年夏の都市対抗野球では準決勝のJR東日本戦で板東湧梧(現・福岡ソフトバンクホークス)から本塁打を放つなど活躍し、チームの優勝に大きく貢献しました。同大会では打率.524の高打率で首位打者を獲得し、大会MVPに相当する橋戸賞も受賞するなど、全国区の選手として名を馳せました。
また、2018年アジア競技大会では日本代表として出場し、チームの準優勝に貢献しています。
大阪ガス時代は野球だけでなく社業においても高い評価を受け、「社業一本に絞れば重役昇進も有り得る」と関係者から評されるほどでした。そのため、彼がプロ入りした際は「野球部としての損失ではなく会社としての損失」と嘆かれたほどの存在感を示していました。
プロ入りと阪神タイガースでの活躍
2018年のプロ野球ドラフト会議において、阪神タイガースから1位指名を受けてプロ入りしました。当初阪神は大阪桐蔭高校の藤原恭大(現・千葉ロッテマリーンズ)と立命館大学の辰巳涼介の抽選を外した後の指名でしたが、結果的に阪神にとって大きな戦力となりました。
プロ1年目の2019年には、長嶋茂雄が保持していたセ・リーグ新人安打記録を更新し、新人としては歴代3位となる159安打を放ち、鮮烈なデビューを飾りました。同年には最多盗塁者賞も獲得し、一躍チームの主力選手となりました。
2020年は新型コロナウイルスの影響で120試合制の短縮シーズンとなりましたが、139安打を記録し、2年連続の最多盗塁者賞を獲得。2021年にはついに初の2ケタ本塁打(10本)を達成し、自身最多となる178安打を放って最多安打のタイトルも手にしました。
2022年には、4年連続のシーズン100安打を達成し、球団記録となる30試合連続安打の偉業も達成しています。2023年には18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一に貢献し、日本シリーズMVPも獲得する活躍を見せました。
2024年以降も活躍を続け、2025年4月15日現在のシーズン成績では、129試合に出場し、打率.285、8本塁打、54打点、28盗塁を記録しています。特筆すべきは、2021年の最多安打を含め、新人から5年連続の個人タイトル獲得は、阪神の先輩である赤星以来、史上2人目の快挙とされていることです。
タイトル歴と表彰実績
- 最多盗塁者賞:2019年、2020年、2022年、2023年、2024年(計5回)
- 最多安打:2021年
- ゴールデングラブ賞:2021年、2022年、2023年、2024年(4年連続)
- ベストナイン:2021年、2022年、2023年、2024年(4年連続)
- 日本シリーズMVP:2023年
プレースタイルの特徴
打撃面
近本選手は巧みなバットコントロールと安定した打撃技術を持ち合わせています。セーフティーバントも得意としており、シチュエーションに応じた打撃が可能な選手です。2022年5月28日から7月6日までの30試合連続安打を記録するなど、様々なタイプの投手に対応する能力が非常に高いことが特徴です。
走塁能力
50m5秒8の俊足を活かした走塁が最大の武器です。これまでに盗塁王を5度獲得しており、塁上に出ると相手投手と捕手を常に威嚇する存在となっています。2025年シーズンも28盗塁を記録し、2年連続4度目の最多盗塁者賞を獲得しています。
守備力
NPBの通算守備率.992という高い数字が示すように、安定した守備力を誇ります。俊足を活かした広い守備範囲と正確なスローイングが特徴で、2019年にはリーグ最多捕殺を記録するなど、阪神タイガースの守備の要として活躍しています。2021年から2024年まで4年連続でゴールデングラブ賞を受賞していることからも、その守備力の高さが証明されています。
総合評価と特筆すべき記録
近本選手は打撃、走塁、守備の三拍子揃った総合力の高い選手として評価されています。セイバーメトリクスにより打撃、走塁、守備などを総合的に評価し、貢献度を数値化した指標である「WAR(Wins Above Replacement)」で2020年と2023年にリーグ1位を記録していることからも、チームの勝利に大きく貢献していることがわかります。
2025年の年俸は3億7000万円と報じられており、チーム内でも重要な位置づけにあることがうかがえます。
結論
近本光司選手は小柄ながらも三拍子揃った能力を持ち、阪神タイガースの中心選手として活躍しています。プロ入り前から大阪ガスでの社会人野球時代に全国的な注目を集め、プロ入り後もその期待に応える活躍を続けています。特に俊足を活かした走塁と安定した打撃技術、そして堅実な守備力が彼の魅力であり、これからも阪神タイガースの主力選手として更なる活躍が期待される選手です。
新人から5年連続での個人タイトル獲得は赤星以来史上2人目という快挙を達成し、阪神タイガースの日本一にも貢献した近本選手。今後の更なる記録更新と活躍に目が離せません。

