米議会が中国の対日威圧を非難 台湾発言を巡る外交対立が拡大

米国の議員らは12月22日、中国が日本に対して行っているとされる威圧的な行動を非難する超党派の決議案を提出しました。
この動きは、日本の首相である高市早苗氏の台湾に関する発言をきっかけに、約1か月続いた外交的対立を受けたものです。

下院でまとめられた決議案の草案では、ドナルド・トランプ大統領に対し、中国の経済的、軍事的、外交的な威圧に対抗するよう求めています。
同時に、日本が経済的または軍事的な圧力を恐れることなく、地域や国際社会の懸念事項について意見を表明する権利を支持する内容となっています。


対立の発端となった高市首相の発言

今回の外交的な緊張は、11月7日の国会答弁から始まりました。
高市首相は、日本の国会で、中国が軍事力を用いて台湾を攻撃した場合、それが日本にとって「存立危機事態」に該当する可能性があると述べました。

存立危機事態とは、日本の存続が脅かされる恐れがある状況を指します。
この認定がなされると、日本は集団的自衛権を行使できる可能性があります。


中国が取った広範な報復措置

中国は、高市首相の発言に対して強く反発しました。
その対応として、日本産水産物の輸入禁止を再開しました。

さらに、中国国民に対して訪日を控えるよう促す渡航勧告を出しました。
沖縄近海では軍事演習も実施されています。

これらの対応は、経済、外交、軍事の各分野にまたがる広範な報復措置と受け止められています。


航空便の大量キャンセルによる旅行混乱

外交上の亀裂は、民間の往来にも大きな影響を与えています。
中国の航空会社は12月中に、日本行きの便を1,900便以上キャンセルしました。

これは、予定されていた便のおよそ40パーセントに相当します。
1月初旬までに、合計46路線が運休となっています。

キャンセルは、中国の正月休暇にあたる1月1日から3日の時期と重なりました。
瀋陽、重慶、武漢などの中国の主要都市と、大阪や名古屋といった日本の主要都市を結ぶ路線が影響を受けています。


日本経済への影響と文化分野への波及

これらの影響により、日本は年末までに最大12億ドル規模の旅行者消費を失う可能性があります。
中国からの予定されていた旅行の約30パーセントがキャンセルされたとされています。

中国の航空会社は、12月31日まで無料キャンセルを提供しています。
これも、渡航を控える動きが広がっていることを示しています。

文化分野にも影響が出ています。
中国・杭州で開かれる中国最大級のコミックコンベンションの一つでは、12月22日、日本をテーマにしたコンテンツを今後のイベントから禁止すると発表しました。

このイベントは、「新中国風」というテーマに転換します。
その結果、日本のアニメや漫画を扱う数十のブースがキャンセルされました。


台湾が示した日本への連帯

こうした状況の中で、台湾は日本への強い支持を示しています。
台湾の総統であるウィリアム・ライ氏は、11月19日に日本産の海産物を使った寿司を食べる写真を投稿しました。

この写真には、北海道産のホタテや鹿児島産のブリが使われていました。
ライ総統は、台湾国民に対し、日本製品の購入を呼びかけました。

この行動は、中国が台湾産パイナップルの輸入を禁止した際、日本が大量の台湾産パイナップルを購入した2021年の出来事を想起させるものと受け止められています。


発言を巡る応酬と中国側の強硬姿勢

高市首相は、中国からの圧力が続く中でも、自身の発言を完全に撤回することを拒んでいます。
12月16日には、自身の発言が政府の既存の立場を超えていると受け取られた可能性を認めました。

一方で、台湾に関する日本の長年の基本的な立場に変更はないと説明しています。
中国側は、発言の完全な撤回を引き続き求めています。

中国の外相である王毅氏は、高市首相の発言について「レッドラインを越えた」と述べ、強い不快感を示しています。


参考情報源

Global Taiwan Institute
South China Morning Post
NPR
Bloomberg
The New York Times
共同通信(英語版)
各国政府・関係機関の公表情報

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