1月の企業倒産887件で13年ぶり高水準 物価高と人手不足が中小企業を直撃

東京商工リサーチが9日に発表した調査によりますと、2026年1月の全国企業倒産件数は、負債額1千万円以上の企業で887件となりました。
これは前年同月と比べて5.5パーセントの増加で、1月としては2013年以来、13年ぶりの高水準です。

人手不足と物価高という二重の負担が、中小企業や零細企業を中心に経営を直撃している実態が、改めて数字として浮き彫りになりました。

コロナ禍以降、倒産件数は4年連続で増加

1月の倒産件数は、新型コロナウイルスの影響が最も強く出た2022年を底に、4年連続で前年同月を上回っています。
経済活動が正常化する一方で、企業を取り巻くコスト環境は厳しさを増しており、回復の果実を十分に享受できない企業が増えている状況です。

負債総額は1198億1500万円で、前年同月比では1.3パーセント減少しましたが、それでも2年連続で1000億円台を維持しています。
倒産件数が増える一方で、比較的規模の小さい企業の倒産が多いことを示す数字と言えます。

「物価高」倒産が急増 食品・原材料価格が直撃

倒産原因別に見ると、特に目立つのが「物価高」を理由とする倒産です。
2026年1月は76件となり、前年同月比で24.5パーセント増加しました。これで2カ月連続の増加となっています。

食料品や原材料の価格上昇は、企業努力だけでは吸収しきれない水準に達しつつあります。
特に中小企業では、仕入れ価格の上昇分を販売価格に十分転嫁できず、利益が圧迫され続ける構造が続いています。

人手不足倒産も深刻 人件費高騰が経営を圧迫

もう一つ深刻なのが、人手不足を背景とした倒産です。
1月の「人手不足」関連倒産は36件で、そのうち人件費の高騰を理由とするものが19件と、前年同月の3.1倍に急増しました。

人材を確保するために賃上げを行いたくても、資金的な余裕がない企業が多く、人件費の上昇がそのまま経営悪化につながるケースが増えています。

業種別ではサービス業が最多 小売業の苦境も鮮明

産業別に見ると、倒産件数が最も多かったのはサービス業で300件となり、全体の33.8パーセントを占めました。
次いで建設業が161件、製造業が95件となっています。

小売業は111件で、前年同月比23.3パーセント増となり、8カ月連続で増加しました。
価格転嫁の難しさが、特に小売業の経営を圧迫していることが数字から読み取れます。

小規模・零細企業への影響が顕著に

倒産企業の規模を見ると、負債額1億円未満の倒産が689件と、全体の77.6パーセントを占めました。
さらに、従業員10人未満の企業が全体の90.5パーセントに達しています。

中小企業基本法に基づく中小企業の倒産構成比は、11カ月連続で100パーセントとなっており、実質的に大企業の倒産は見られない状況です。
小規模事業者ほど、物価高や人手不足への対応余力が限られている実態が浮かび上がります。

1月最大の倒産と大型倒産の動向

2026年1月で最大の倒産は、コーヒー豆販売などを手がけるジュピターコーヒー(東京)による民事再生法の申請でした。
負債総額は59億300万円に上ります。

一方、負債額100億円以上の大型倒産は、2025年11月以来2カ月ぶりに発生しませんでした。
この点からも、倒産の中心が中小・零細企業に集中していることが分かります。

人手不足倒産は通年でも過去最多を更新

帝国データバンクの調査によりますと、2025年通年の人手不足倒産は427件に達し、初めて400件を超えました。
これは3年連続で過去最多を更新する結果です。

業種別では、建設業が113件、物流業が52件と、いずれも過去最多となりました。
同社は、「賃上げに追随できない小規模企業を中心に、人手不足倒産は当面高水準が続く」と分析しています。

今後の見通し 年度末に向け倒産は緩やかに増加か

東京商工リサーチは今後の見通しについて、次のように分析しています。
物価高や人手不足に対する抜本的な対策を取れない中小・零細企業が多く残っている中で、資金需要が高まる年度末を迎えることで、資金繰りに行き詰まる「息切れ企業」が増える可能性があるとしています。

その結果、倒産件数は急増ではないものの、緩やかな増勢を続けるとの見方が示されています。

ソース

東京商工リサーチ
毎日新聞
帝国データバンク
Reuters
Yahooニュース

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