公立学校で深刻化する教員不足、文科省調査で4317人不足が判明
文部科学省は2026年3月5日、公立学校の教員配置に関する実態調査の結果を公表しました。
その結果、2025年度の始業日(4月1日)時点で4317人の教員不足が確認されました。
つまり、計画していた教員数を確保できない学校が全国で増えている状況です。
さらにこの問題は教育の質や学校運営に影響するため、社会的な関心も高まっています。
こうした中、政府は教員確保や働き方改革を進める方針を示しています。
今後、教育現場の人手不足がどのように改善されるのかが重要な課題となります。
4年間で大きく悪化した教員不足の実態
文部科学省の調査によると、2025年度の始業日である4月1日時点で次の状況が確認されました。
・教員不足の学校数:2828校
・不足人数:4317人
これは全国の公立小学校、中学校、高校、特別支援学校の8.8%にあたります。
さらに学校活動が本格化する5月1日時点でも3827人が不足していました。
この時点での不足率は0.45%となっています。
つまり、新学期開始後も人員不足が解消されない学校が多数存在していました。
2021年度調査との比較
前回の調査は2021年度に実施されています。
その結果は次の通りでした。
・不足人数:2558人
・不足校割合:5.8%
しかし今回の調査では、
・不足人数:4317人
・不足校割合:8.8%
となりました。
つまり、わずか4年間で教員不足は大幅に悪化しています。
校種別で見る教員不足の状況
始業日時点の不足状況は、学校種別によっても大きく異なります。
小学校
・不足校:1398校(7.6%)
・不足人数:1911人
中学校
・不足校:828校(9.1%)
・不足人数:1157人
高校
・不足校:310校(9.0%)
・不足人数:571人
特別支援学校
・不足校:292校(26.1%)
・不足人数:678人
特に注目されるのは特別支援学校です。
不足率が26.1%と突出して高くなっています。
つまり、4校に1校以上が教員不足という状況です。
地域による格差も顕著
今回の調査では、地域ごとの差も大きいことが明らかになりました。
教員不足がゼロだったのは9つの教育委員会にとどまりました。
東京都や高知県などが含まれます。
一方で、次の地域では不足が深刻です。
・島根県
・福岡県
・熊本市
これらの地域では、不足が生じた学校の割合が30%以上に達しました。
また、前回調査と比較すると
・改善した教育委員会:23
・悪化した教育委員会:41
となっています。
つまり、全国的に見ると悪化地域の方が多い状況です。
教員志望者の減少が背景
教員不足の大きな原因の一つが、教員志望者の減少です。
文部科学省が2025年12月に公表したデータでは、
2025年度の公立学校教員採用試験の倍率は次の通りでした。
・全体:2.9倍(過去最低)
・小学校:2.0倍
・中学校:3.6倍
・高校:3.8倍
いずれも過去最低水準となりました。
つまり、採用試験を受ける人数が減っているということです。
さらに、団塊世代の退職などにより採用人数が増えています。
そのため、受験者減少と採用増加が同時に起きています。
産休・育休や病休の代替教員不足
教員不足のもう一つの原因は、代替教員の確保が難しいことです。
教育現場では次の理由で欠員が発生します。
・産前産後休暇
・育児休業
・病気休職
しかし、代わりの教員が見つからないケースが増えています。
そのため、欠員状態のまま授業を運営する学校も存在します。
労働環境の問題も影響
全日本教職員組合(全教)の調査でも深刻な状況が示されています。
2025年10月時点で
・未配置の教職員:4615人
が確認されました。
さらに、代替者が
「見つからないまま」だった割合は57%
に達しています。
つまり、半数以上の欠員が補充できていないという状況です。
学校現場への影響
こうした教員不足の影響は、学校運営にも及んでいます。
各学校では
・臨時的任用教員の配置
・教員の兼務
などで対応しています。
しかし、報道によると
校長が学級担任を兼務するケース
も発生しています。
つまり、本来の管理業務に加え、授業を担当せざるを得ない状況です。
政府が検討する対策
文部科学省は教員不足の対策として次の施策を進める方針です。
・教職調整額の引き上げ
・働き方改革の推進
教職調整額とは、教員の残業代の代わりに支払われる手当です。
現在は給与の4%が支給されています。
政府はこの額の引き上げを検討しています。
つまり、待遇改善によって教員を確保する狙いです。
教員不足が教育政策の大きな課題に
今回の文科省調査は、日本の教育現場が直面する課題を改めて示しました。
教員不足は4年間で急速に悪化しています。
また、特別支援学校では特に深刻な状況です。
さらに地域格差も拡大しています。
そのため、待遇改善や働き方改革がどこまで効果を上げるのかが焦点となります。
教育現場の人材確保は、今後の日本社会にとって重要な政策課題です。
ソース
文部科学省
nippon.com
東京新聞
北國新聞
神戸新聞
TBSニュース
全日本教職員組合調査

