令和8年6月12日付の官報では、号外第130号(3分冊の1)で金融機関グループの子会社・出資関連規制の見直しがまとめて掲載され、本紙第1725号ではPFHxS関連物質を追加する消火薬剤関係の省令改正、農地造成費用の算定方法改定、防災交付金事務の都道府県実施などが掲載されました。
今回の整理ポイントは次の3つです。
- 号外の中心は、銀行法施行規則など金融関係の府令・共同命令・告示の横断改正
- 本紙の中心は、PFHxS対応の省令・告示、農地復旧費用算定告示、防災関係告示
- 本紙には国会事項として法律公布奏上・通知の記載もあるが、今回の主掲載は法律条文そのものではなく下位法令と告示
号外第130号の主な改正ポイント
※号外第130号は3分冊構成です。ここでは第1分冊(pp.1〜144)の内容を整理しています。
① 銀行法施行規則等の一部改正(内閣府令第55号)
- 公布日:令和8年6月12日
- 原則施行日:令和8年6月15日
- 一部改正規定の施行日:令和9年4月1日
官報本文で確認できる主な改正点は、次のとおりです。
- 資金供給業務の対象が「株式会社」中心から「国内の会社その他の団体」へ広がる改正
- 株式だけでなく、社債、新株予約権、信託の受益権まで明記する改正
- 組合契約、匿名組合契約、投資事業有限責任組合契約、有限責任事業組合契約、外国における類似契約まで含める改正
- コンサルティング業務や新規事業分野開拓会社等に関する規定の整理
- 上場会社等に関する書きぶりの見直し
分かりやすく言うと、従来の「株式会社」中心の規定を、「国内の会社その他の団体」や各種組合契約、信託受益権などを含む形へ見直す場面が目立つ改正です。
② 商工組合中央金庫・労働金庫・農協系統などの共同命令改正
号外目次には、銀行法施行規則のほか、次の共同命令が並んでいます。
- 内閣府・財務省・経済産業省令第3号
株式会社商工組合中央金庫法施行規則の一部を改正する命令 - 内閣府・厚生労働省令第8号
労働金庫法施行規則の一部を改正する命令 - 内閣府・農林水産省令第6号
農業協同組合及び農業協同組合連合会の信用事業に関する命令等の一部を改正する命令
これらは、銀行法施行規則の見直しと歩調を合わせる形で、各業態の子会社業務や出資関連規定を整備したものと整理できます。
施行時期は、目次および本文構成上、原則として令和8年6月15日施行、一部規定は令和9年4月1日施行という流れです。
③ 法規的告示(金融庁告示など)の改正
号外目次には、金融庁告示として次の改正が並んでいます。
- 銀行等の子会社が営むことのできる業務から除かれる業務等の一部改正
- 信用金庫又は信用金庫連合会の子会社関係告示の一部改正
- 信用協同組合関係告示の一部改正
- 債権管理回収業に関する特別措置法関係基準の一部改正
- 保険業法施行規則関係基準の一部改正
- 労働金庫、農協系統、漁協系統、農林中央金庫関係告示の一部改正
つまり今回は、府令・共同命令だけでなく、業務範囲や基準を定める告示まで含めて一体的に整備された日といえます。
④ 号外第130号第1分冊で確認できるその他の省令
号外目次には、金融分野以外にも次の省令が掲載されています。
- 総務省令第76号
地方独立行政法人法別表及び地方独立行政法人法施行令第五条第一項の総務省令で定める事務を定める省令の一部を改正する省令 - 法務省令第39号
地方出入国在留管理局組織規則の一部を改正する省令 - 法務省令第40号
法務省組織規則の一部を改正する省令 - 文部科学省令第25号
私立学校教職員共済法施行規則の一部を改正する省令
これらは目次で確認できますが、今回の記事では、金融関係改正と本紙の具体化内容を中心に整理します。
本紙第1725号の具体化内容
① PFHxS対応の省令改正(総務・厚労・経産・国交・環境・防衛省令第1号)
本紙第1725号では、
「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令附則第四項の表…に規定する消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤に関する技術上の基準を定める省令の一部を改正する省令」
が掲載されています。
改正の核心は、定義規定の「汚染物」に、従来の対象に加えて
「ペルフルオロ(ヘキサン-1-スルホン酸)関連物質」
を追加した点です。
要するに、消火器・消火薬剤関係の基準の対象物質が広がったということです。
- 施行日:令和8年6月17日
② 関連する表示告示の改正(厚労・経産・環境告示第5号)
本紙には、容器・包装・送り状に表示すべき事項を定める告示の改正も掲載されています。
こちらも、PFHxS若しくはその異性体又はこれらの塩に関する文言を追加する内容です。
- 適用日:令和8年6月17日
つまり、基準省令と表示告示の両方でPFHxS対応が進められたと整理できます。
③ 農地造成費用の算定方法改定(農林水産省告示第760号)
本紙第1725号には、
災害にかかった農地に代わる農地を造成するのに要する標準的な費用の額の算定方法を定める件
も掲載されています。
本文で確認できる算定枠組みは次のとおりです。
- 復旧すべき農地面積を0.682乗
- その値に1000を乗じる
- さらに換算係数1.610を乗ずる
- 中山間地域では1.05倍
- 面積はアール単位、金額は千円単位で処理
- 施行:公布の日から
- 適用関係:令和8年4月7日以後に発生した災害に係る災害復旧事業について第二号の規定を適用
- 旧告示:令和7年農林水産省告示第961号を廃止
④ 防衛省告示第154号:自衛隊地方協力本部の出張所の名称・位置
本紙には、
自衛隊地方協力本部の出張所の名称及び位置を定める件
も掲載されています。
官報本文では、全国の出張所名と位置が列挙され、あわせて、
- 令和8年6月15日から適用
- 昭和38年防衛庁告示第163号
- 昭和41年防衛庁告示第39号
を廃止する旨が記載されています。
⑤ 内閣府告示第75号:防災力強化総合交付金の事務を都道府県知事が実施
本紙には、
内閣府本府所管の補助金等の交付に関する事務の一部を都道府県の知事が行うこととする件
も掲載されています。
内容としては、都道府県内の市町村に交付する防災力強化総合交付金について、都道府県知事が次の事務を行うことが示されています。
- 交付申請の受理
- 書類審査・必要な現地調査
- 交付決定通知
- 遂行状況報告
- 実績報告受理
- 額の確定
- 返還命令
- 報告徴収・立入検査
- 不服申出関係事務 など
⑥ 国会事項:法律公布奏上の記録
本紙第1725号の国会事項には、法律公布奏上及び通知、法律公布奏上通知書受領の記載があります。そこでは次の3法律が確認できます。
- 学校教育法等の一部を改正する法律
- 予備自衛官等の職務の円滑な遂行を図るための国家公務員及び地方公務員の兼業の特例に関する法律
- 経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律
ただし、これらは本紙の国会事項欄での記録であり、今回の法令欄の主掲載対象ではありません。
改正の全体像整理
| 分類 | 主な内容 |
|---|---|
| 号外第130号(3分冊の1) | 銀行法施行規則等を中心とする金融機関グループの子会社・出資関連規制の見直し |
| 号外第130号(3分冊の1) | 商工中金、労働金庫、農協系統などの共同命令・関連告示の整備 |
| 本紙第1725号 | PFHxS対応の消火器・消火薬剤関係省令・表示告示の改正 |
| 本紙第1725号 | 農地造成費用の算定方法改定 |
| 本紙第1725号 | 自衛隊地方協力本部出張所の名称・位置の告示 |
| 本紙第1725号 | 防災力強化総合交付金事務の都道府県実施 |
| 本紙第1725号 | 国会事項として法律公布奏上・通知の記録 |
施行日・経過措置まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公布日 | 令和8年6月12日(金) |
| 主要施行日① | 令和8年6月15日(金融関係改正の原則施行、自衛隊出張所告示) |
| 主要施行日② | 令和8年6月17日(PFHxS対応の省令・告示) |
| 農地造成費用告示 | 令和8年6月12日(公布の日)から施行 |
| 一部規定の施行日 | 令和9年4月1日(金融関係改正の一部規定) |
| 経過措置 | 農地造成費用告示は既発生災害について従前例の適用あり |
| 附則 | 有 |
影響を受ける主体
- 銀行・信用金庫・信用協同組合・労働金庫・農業協同組合・漁業協同組合・商工組合中央金庫・農林中央金庫
子会社や出資関連規制の見直し対象 - 金融機関グループの子会社や出資先
対象業務・出資対象の整理に影響 - 消火器、消火薬剤、泡消火薬剤の管理・処理に関わる事業者
- 対象化学物質を含む製品の表示実務に関わる事業者
- 被災農地の復旧実務に関わる自治体・関係団体
- 都道府県・市町村の防災担当部局
- 自衛隊地方協力本部の出張所運用に関わる行政実務
よくある疑問(Q&A)
Q. 銀行グループの子会社が支援できる対象が広がるとは、具体的に何を指しますか。
A. 官報本文で確認できるのは、従来の「株式会社」中心の書きぶりが、「国内の会社その他の団体」へ改められていることや、社債、新株予約権、信託の受益権、各種組合契約などが明記されていることです。具体的にどの法人類型まで含まれるかの詳細運用は、官報PDFだけでは確認できません。
Q. PFHxSについて今回の官報で確認できることは何ですか。
A. 今回の官報では、PFHxS若しくはその異性体又はこれらの塩が、消火器・消火薬剤の基準省令や表示告示の対象に追加されていることが確認できます。その化学的な位置付けの詳細までは、この官報PDFだけでは確認できません。
Q. 農地造成費用の算定方法はどう変わりましたか。
A. 復旧すべき農地面積を0.682乗した値に1000を乗じ、換算係数1.610を乗ずる算式が示され、中山間地域では1.05倍とされています。
Q. 今回の本紙に法律公布は載っていないのですか。
A. 国会事項欄には法律公布奏上・通知の記録があります。 ただし、今回の主掲載対象は、法律条文の本文よりも、省令・告示などの下位法令と官庁事項です。
まとめ
令和8年6月12日付の官報は、法律条文の掲載が中心の日ではなく、金融分野の子会社・出資関連規制の見直しと、PFHxS対応、農地復旧算定、防災・防衛実務に関する告示が並んだ日でした。
特に号外第130号(3分冊の1)では、金融機関グループの子会社が営める業務や出資対象の規定を、より広い事業形態に対応させる見直しが目立ちました。
本紙第1725号では、PFHxS関連物質を追加する省令・告示、農地造成費用の算定方法改定、防災力強化総合交付金事務の都道府県実施、自衛隊地方協力本部出張所の整理が確認できます。
制度運用の細部は官報だけでは確認しきれない部分もありますが、今回の官報は、制度実務に直結する下位法令・告示の改正が集中した日と整理できます。
ソース
出典:官報発行サイト(令和8年6月12日付 号外第130号(3分冊の1)・本紙第1725号)
本記事は官報に掲載(公布)された法令情報をもとに、編集・再構成して解説したものです。官報は一次情報ですが、制度改正の詳細な運用は今後の政省令・通達・Q&A等で補足される場合があります。最終確認は官報および所管官庁の公式情報をご参照ください。

