日銀調査で支出増が過去最高 長期金利は27年ぶり高水準

家計の負担感が、これまでになく強まっていることが、最新の調査で明らかになりました。

日本銀行が19日に公表した、2025年12月の「生活意識に関するアンケート調査」によると、1年前と比べて支出が「増えた」と答えた人の割合から、「減った」と答えた人の割合を差し引いた「支出指数」が50.9となりました。

この数値は、比較可能な2006年9月以降で最も高い水準です。物価上昇が家計を強く圧迫している状況が、数字としてはっきり示された形です。

物価上昇を「実感している人」は95%超

今回の調査では、物価に対する実感も詳しく尋ねられています。

1年前と比べて物価が
「かなり上がった」と答えた人は70.0%
「少し上がった」は25.2%

となり、合計で95.2%の人が物価上昇を実感しています。これは、前回9月の調査よりもさらに強まった結果です。

支出が「増えた」と答えた人の割合も61.1%に上昇し、前回から1.9ポイント増えました。食料品や光熱費など、日常的な出費の増加が家計を直撃している状況がうかがえます。

物価は今後も「上がる」と考える人が多数

将来の見通しについても、楽観的とは言えません。

1年後の物価が「上がる」と予想した人は86.0%でした。前回調査の88.0%からはわずかに低下したものの、依然として非常に高い水準です。

日本銀行は、金融政策を判断する際に、消費者がどれだけ物価上昇を予想しているかを重要な材料としています。このため、今回の結果は、今後の利上げ判断に影響を与える可能性があります。

長期金利は約27年ぶりの高水準に

こうした物価動向と並行して、金融市場でも大きな変化が起きました。

19日の国債市場では、長期金利の指標となる新発10年国債の利回りが一時2.275%まで上昇しました。これは、1999年2月以来、約27年ぶりの高水準です。

最終的な終値でも、利回りは2.270%となり、前の週末から0.090%上昇しました。

消費税減税論争が国債売りを加速

長期金利が急上昇した背景には、政治の動きがあります。

次の衆院選を控え、与野党で消費税減税を巡る議論が活発化しています。自民党の鈴木俊一幹事長が、飲食料品の消費税率を0%に引き下げる公約を検討していると発言したほか、木原稔官房長官も「選択肢として排除されていない」と述べました。

さらに、立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」も、食料品の消費税ゼロを掲げています。

こうした動きに対し、市場では将来の財政悪化への懸念が強まり、国債が売られ、結果として長期金利が上昇しました。

住宅ローンや企業負担への影響も

長期金利の上昇は、私たちの生活や企業活動にも影響を及ぼします。

野村証券の岩下真理氏は、次のように指摘しています。

市場が前倒しでインフレと財政リスクへの警戒を強めている
長期金利が想定よりも早く2.5%に近づいている

長期金利が上がると、固定型住宅ローンの金利上昇につながりやすくなります。また、企業にとっては借り入れの利払い負担が増える可能性があり、設備投資や賃上げの判断にも影響を与えかねません。

家計と金融環境の変化が同時に進行

今回の調査と市場動向からは、物価高による家計負担の増加と、金利上昇による金融環境の変化が同時に進んでいることが読み取れます。

支出は増え、将来の物価も高止まりすると考える人が多い中で、金利が上昇すれば、住宅や企業活動への影響は避けられません。今後、日本銀行の政策判断や、政治の動きが、家計にどのような影響を及ぼすのかが、より重要な注目点となります。

ソース

・読売新聞
・東京新聞
・日本銀行 生活意識に関するアンケート調査
・国債市場関連報道
・野村証券 関係者コメント

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