トヨタ・ランドクルーザー300窃盗事件の概要
東京警視庁がトヨタ・ランドクルーザー300窃盗事件でブラジル国籍の3人を逮捕し、新型ハッキングデバイスを押収しました。
今回の摘発は、高級SUVを狙った組織的窃盗の一環とみられています。
さらに、警察は「CANインベーダー」と呼ばれる装置を初めて押収しました。
つまり、この事件は単なる窃盗ではなく、自動車の電子システムを狙った高度化する犯罪の象徴といえます。
事件の詳細と逮捕内容
東京警視庁は木曜日、千葉県浦安市の駐車場から約850万円(約5万5000ドル)相当のトヨタ・ランドクルーザー300 SUVを盗んだ疑いで、ブラジル国籍の3人を逮捕したと発表しました。
逮捕されたのは以下の3人です。
・ペルドモ・エマーソン・ルイス容疑者(46歳、茨城県常総市在住)
・オリベイラ・ムラカワ・デイビッド容疑者
・マキオ・ディアス・ウェリントン容疑者
3人は2025年12月5日午前3時頃、住宅の駐車場から車両を盗んだ疑いが持たれています。
しかし、警察関係者によると、3人はいずれも容疑を否認しています。
約50台、被害総額4億5000万円の疑い
捜査当局は、この3人組が2025年2月以降、東京都と他の7県で犯行を重ねたとみています。
標的は主にトヨタのランドクルーザーとレクサス車でした。
その数は約50台に上ります。
被害総額は約4億5000万円(約290万ドル)と推定されています。
これは単発犯行ではなく、広範囲に及ぶ組織的犯行である可能性を示します。
下妻市で発見された車両と犯行手口
盗まれたランドクルーザーは、その後、茨城県下妻市のビジネスホテル駐車場で発見されました。
車両には、助手席側の後部タイヤ付近に切断痕がありました。
この痕跡は、車両の電子配線へ直接アクセスするための手口と一致しています。
また、監視カメラ映像が容疑者特定に役立ったと報じられています。
つまり、防犯カメラの存在が摘発の決定打になった可能性があります。
「CANインベーダー」とは何か
事件の核心は、「CANインベーダー」と呼ばれる装置です。
CANとは「Controller Area Network(コントローラー・エリア・ネットワーク)」の略です。
これは、車の内部でロック、エンジン、イモビライザー(不正始動防止装置)などをつなぐ通信システムを指します。
CANインベーダーは、この内部通信に直接アクセスします。
その結果、鍵を使わずにドアを開け、エンジンを始動できる状態を作ります。
所要時間はわずか5分程度とされます。
つまり、極めて短時間で盗難が可能になります。
報道によれば、車両盗難事件でこの新型CANインベーダーを法執行機関が押収したのは今回が初めてです。
トヨタの対策を突破
盗まれたランドクルーザー300には、CAN攻撃対策として設計された最新の盗難防止機能が搭載されていました。
しかし、容疑者らはその防御を回避したとみられます。
つまり、防御技術と犯罪技術の“いたちごっこ”が続いている状況です。
この点は、自動車メーカーにとって重大な課題です。
さらに、所有者にとっても深刻な不安材料といえます。
急増するランドクルーザー盗難
今回の事件は、全国で高級車盗難が急増する中で起きました。
トヨタ・ランドクルーザーは、5年連続で日本の盗難車両ランキング首位です。
警察庁によると、2025年上半期だけで765台の盗難が報告されています。
また、日本損害保険協会のデータでは、2024年に盗まれた車両の4台に1台以上がランドクルーザーでした。
つまり、ランドクルーザーは明確なターゲットになっています。
相次ぐブラジル国籍者の逮捕事例
この事件は、同様の装置を使ったとみられる他の摘発に続くものです。
2025年5月、群馬県でブラジル人男性2人が約60台、総額2億円相当の車両を盗んだ疑いで逮捕されました。
さらに2025年12月には、富山県で別のブラジル国籍の者が一晩で3台のランドクルーザーを盗んだ疑いで逮捕されています。
こうした事例は、国際的ネットワークの存在も想起させます。
しかし、捜査の全容は現時点で明らかではありません。
今後の焦点
今回の摘発は重要な一歩です。
しかし、一方で技術的手口は進化を続けています。
そのため、メーカー側のさらなる対策強化が求められます。
また、利用者も物理的ロックや複数の防犯対策を併用する必要があります。
高級車盗難とCANインベーダー問題は、今後も社会的な重要テーマになる可能性があります。
ソース
読売新聞(japannews.yomiuri.co.jp)
NHK
Adnkronos
Autoblog
Carscoops
Engear
Automacha

