東京都のアフォーダブル住宅とは何か
東京都は2月20日、子育て世帯向けに市場家賃より2割程度安い「アフォーダブル住宅」を供給する国内初の官民連携ファンドを正式に創設したと発表しました。
アフォーダブル住宅とは、家計に無理のない価格で住める住宅を意味します。
つまり、相場よりも負担を抑えた家賃設定の住宅を指します。
今回の取り組みでは、東京都が合計100億円を出資します。
さらに民間資金を合わせ、総額200億円以上の規模になります。
最も早い物件では、今年5月ごろから入居者募集を始める予定です。
この東京都 アフォーダブル住宅政策は、住宅価格高騰が続く中での重要な一歩です。
そのため、子育て世帯の定住促進策としても注目を集めています。
4つの官民ファンドの内容
小池百合子知事は同日の記者会見で、昨年11月に選定した4つのコンソーシアムを正式決定したと明らかにしました。
コンソーシアムとは、複数企業が共同で事業を行う枠組みです。
4つのファンドで約350戸を供給する計画です。
構成は次の通りです。
・SMBC信託銀行と萬富による「Tokyoネウボーノファンド」
(都出資20億円、ファンド規模40億円以上)
・野村不動産と京王電鉄による
「野村不動産アフォーダブル住宅投資事業有限責任組合」
(同20億円、40億円以上)
・ヤモリと三菱UFJ信託銀行による空き家再生型ファンド
(同20億円、40億円以上)
・りそな銀行による
「リブクオリティTOKYOアフォーダブル住宅供給投資事業有限責任組合」
(同40億円、80億円以上)
当初予定は約300戸でした。
しかし実際には約350戸へ増加しました。
この点は、東京都 アフォーダブル住宅事業の拡大姿勢を示しています。
入居条件と家賃水準
家賃は市場水準の75〜80%程度に設定します。
つまり、相場より約2割安い水準です。
入居対象は以下の世帯です。
・未就学児がいる世帯
・出産を控えた世帯
・世帯年収600万〜800万円以内の子育て世帯
年収制限を設けることで、本当に支援が必要な層に届く設計です。
一方で、高所得層は対象外となります。
そのため、制度の公平性が重視されています。
背景にある家賃高騰
東京都が東京都 アフォーダブル住宅に踏み切った背景には、家賃高騰があります。
23区のファミリー向け賃貸物件の平均家賃は22万円を超えています。
実際に、子育て世帯の都外転出が加速しています。
また、東京都の合計特殊出生率は0.99です。
全国で最も低い水準です。
住宅コストの高さが一因とみられています。
こうした中、住宅負担の軽減は喫緊の課題です。
つまり、東京都 アフォーダブル住宅は少子化対策の一環でもあります。
JKK東京との連携計画
東京都は今回の官民ファンドに加え、別の供給計画も示しました。
東京都住宅供給公社(JKK東京)と連携します。
2026年度から6年間で、毎年200戸を供給します。
合計1,200戸のアフォーダブル住宅を確保します。
公社の既存住宅を活用し、同様に約2割安い家賃で貸し出します。
つまり、ファンド方式と公社活用の二本柱です。
そのため、供給量の底上げが期待されます。
多様な不動産を活用する仕組み
今回のファンドの特徴は、多様な物件活用です。
新築マンションだけではありません。
中古住宅や空き家も対象です。
ヤモリはこれまで200戸超の空き家再生実績があります。
東京都内で160戸以上の供給を目指します。
空き家再生は、既存住宅を改修し再活用する仕組みです。
また、野村不動産は英国や米国での経験を生かします。
海外のアフォーダブル住宅事業の知見を活用します。
さらに、りそな銀行も80億円以上の規模で参画します。
ファンド期間は10年から15年です。
東京都は今年度内に100億円の出資を完了する予定です。
今後の影響と注目点
東京都 アフォーダブル住宅は国内初のモデルです。
そのため、他自治体への波及効果も注目されます。
一方で、供給戸数は現時点で350戸です。
東京全体の住宅需要から見れば限定的です。
しかし、制度設計の成否が今後を左右します。
家賃高騰が続く中で、官民連携モデルが定着するか。
そして子育て世帯の流出を食い止められるか。
東京都 アフォーダブル住宅の今後の展開が焦点です。
ソース
FNNプライムオンライン
日本経済新聞
東京都発表資料

