🏢 ツムラ × 養命酒製造 買収

漢方薬大手のツムラが養命酒製造を68億円で取得すると発表しました。
投資会社レノがTOBを開始し、段階的に非公開化を進めます。
つまり、約400年の歴史を持つ「薬用養命酒」ブランドがツムラ傘下に入ります。
買収の概要
ツムラは養命酒製造の全株式を68億円で取得する方針です。
まず、投資会社レノがTOBを実施します。
その後、最終的にツムラが事業を引き継ぐ流れです。
レノは投資家の村上世彰氏が関与する会社です。
TOBは1株4050円で実施します。
期間は2月25日から4月8日までです。
養命酒製造は24日の取締役会でTOBに賛同しました。
しかし、応募は株主の判断に委ねます。
段階的な買収スキーム
今回の買収は複数段階で進みます。
まずレノがTOBで株式を取得します。
一方で、筆頭株主「湯沢」は応募しません。
湯沢は株式の約33%を保有しています。
TOB成立後、スクイーズアウトを実施します。
これは少数株主からの強制買い取り手続きです。
その後、レノは取得株式を湯沢へ譲渡します。
湯沢が唯一の株主になります。
こうした中、非事業性資産を分離します。
不動産や太陽光発電設備などを切り離します。
そして「薬用養命酒」事業へ集中します。
さらに、2026年7~8月頃に全株式をツムラへ売却します。
養命酒製造は6月頃に東証プライム市場から上場廃止となる見込みです。
「養生領域」拡大戦略
ツムラは医療用漢方製剤で国内トップシェアです。
しかし、市販薬や健康食品分野には成長余地があります。
そのため、養命酒ブランドを活用します。
説明資料では「圧倒的な知名度と信頼性」を強調しました。
また、「薬用酒シェアNo.1」のブランド力も評価します。
ドラッグストアでの店頭強化を目指します。
さらに、オンライン販売の拡大も進めます。
生薬の共同調達でコスト削減も見込みます。
つまり、医療用漢方と一般向け市場の融合戦略です。
養命酒製造の業績動向
養命酒製造の業績は近年低迷しています。
2025年3月期の営業利益は前期比約70%減少しました。
薬用養命酒の販売不振が主因です。
そのため、事業再編が急務でした。
今回の買収は再建策の一環です。
一方で、ブランド力は依然高いと評価されています。
KKR交渉破談からの急展開
非公開化を巡っては別の動きもありました。
2025年12月末、米投資ファンドKKRに優先交渉権が付与されました。
KKR との交渉は失効しました。
筆頭株主の湯沢が売却に応じない意向を示したためです。
その後、村上氏関与のレノが主体となりました。
ロイターは2月3日にツムラが買収検討を認めたと報じました。
そこから約3週間で正式発表に至りました。
つまり、水面下で調整が進んでいたことになります。
今後の焦点
今回の買収は漢方市場再編の象徴的案件です。
ツムラは医療用から一般市場へ拡大します。
一方で、養命酒はブランド再強化を図ります。
生薬原料の共同調達は収益改善の鍵です。
しかし、市販薬市場は競争が激化しています。
そのため、販売戦略の実行力が問われます。
今後は統合効果の具体化が焦点になります。
また、株主対応や上場廃止手続きも注目されます。
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