
サレプタ・セラピューティクスは月曜日、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する日本初の遺伝子治療薬の商業販売開始を発表しました。
対象製品はElevidys(一般名:デランジストロゲン モクセパルボベク)です。
本治療は、日本で初めてのデュシェンヌ型筋ジストロフィー向け遺伝子治療です。
そのため、日本の希少疾患治療における大きな転換点となります。
販売は、中外製薬が担います。
同社はロシュグループの一員です。
日本初のデュシェンヌ型筋ジストロフィー遺伝子治療とは何か
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、幼少期の男児に発症する進行性の筋疾患です。
筋肉が徐々に弱まり、最終的には歩行が困難になります。
Elevidysは単回投与型の遺伝子治療薬です。
アデノ随伴ウイルス(AAV)というウイルスを運び屋として利用します。
この治療は、骨格筋に短縮型ジストロフィンを作らせます。
つまり、病気の原因である遺伝子異常に直接働きかけます。
対象は3歳以上8歳未満の歩行可能な患者です。
さらに、DMD遺伝子のエクソン8または9に欠失がなく、抗AAVrh74抗体が陰性である必要があります。
日本で最も高額な医薬品に
Elevidysの価格は約3億497万円(約200万ドル)です。
この価格により、日本で最も高額な医薬品となりました。
しかし、健康保険が適用されます。
また、難病医療費助成制度も利用できます。
そのため、患者の自己負担はごくわずかになる見込みです。
高額ではありますが、実際の負担は抑えられます。
厚生労働省は2025年5月に条件付き・期限付き承認を付与しました。
しかし、海外で発生した死亡例を受け、安全対策の審査を行いました。
その結果、保険適用の決定は一時延期されました。
その後、2月13日に諮問委員会が承認しました。
さらに2月20日に償還対象医薬品として正式収載されました。
マイルストーン支払いと市場規模
今回の日本初の商業販売により、サレプタには4,000万ドルのマイルストーン支払いが発生します。
これはロシュとの提携契約に基づくものです。
2026年度には、日本国内で推定37名が治療対象になります。
また、毎年約20名の新規患者が見込まれています。
希少疾患であるため市場規模は限定的です。
しかし、1人当たりの薬価は極めて高額です。
有効性データ:第3相EMBARK試験
承認はグローバル第3相EMBARK試験に基づきます。
対象は歩行可能なDMD男児です。
3年間の追跡データでは、North Star Ambulatory Assessmentで4.39ポイント改善しました。
未治療の外部対照群との比較です。
さらに、立ち上がり時間では疾患進行を73%遅延しました。
10メートル歩行/走行試験では70%遅延しました。
治療効果は時間とともに拡大しました。
これまで世界で1,200人以上に投与されています。
安全性問題とFDA対応
2025年半ば、米国で重大な安全性事案が発生しました。
非歩行患者で2件の急性肝不全による死亡が報告されました。
これを受け、米国食品医薬品局が調査を行いました。
2025年11月にボックス警告を追加しました。
さらに、非歩行患者への適応を削除しました。
しかし、歩行可能な患者への承認は維持されています。
この集団では新たな安全性シグナルは確認されていません。
日本での製造販売後調査
中外製薬は、日本で全例調査を実施します。
また、製造販売後臨床試験も行います。
その目的は長期的な有効性と安全性の確認です。
特に肝機能への影響を慎重に監視します。
今後の展望
今回の発売は、日本初のデュシェンヌ型筋ジストロフィー遺伝子治療の実用化です。
これは希少疾患医療の新たな段階を示します。
一方で、安全性監視は極めて重要です。
超高額医薬品の費用対効果も議論になります。
しかし、単回投与で根本原因に働きかける治療は画期的です。
今後、遺伝子治療の普及に大きな影響を与える可能性があります。
ソース
stocktitan.net
ibnews.com
english.adnkronos.com

