米国とイスラエルが2月28日にイランへの軍事攻撃を開始しました。
これを受け、高市早苗首相は同日、国家安全保障会議(NSC)を開催しました。
同時に、関係省庁へ複数の重要指示を出しました。
なぜ重要なのでしょうか。
それは、日本のエネルギー安全保障と経済に直結する問題だからです。
今後どうなるのか。
政府は情報収集と経済影響の分析を急いでいます。
背景
今回の軍事行動は、中東情勢を大きく揺さぶる事態です。
そのため、日本政府も即応体制を取りました。
午後4時、首相官邸に「イラン情勢に関する情報連絡室」を設置しました。
さらに同日夜、NSCを開きました。
NSCとは国家安全保障会議の略称です。
外交や防衛の重要案件を協議する政府の中枢会議です。
こうした中、日本政府は邦人保護と経済影響の把握を急いでいます。
詳細
高市首相は石川県知事選の応援演説のため、金沢市に向かう途中で第一報を受けました。
その後の対応について、自ら説明しています。
FNNプライムオンラインによると、首相は講演で次のように述べました。
「空港に向けて出発しようという時にイスラエルがイランを攻撃した第一報が入り、その後、飛行機に乗る直前、どうも米軍も参戦したらしいと。それで、飛行機に乗るかどうかだいぶ迷った」と明かしました。
また、首相は自身のXで次のように投稿しました。
「一報を受け、直ちに私から関係省庁に対し、情報収集を徹底すること、残っておられる邦人の安全確保に向け、万全の措置を講じることを指示しました」としています。
首相官邸での記者会見では、イランとイスラエルに加え、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)などの周辺国に滞在する邦人の安否把握も指示したと説明しました。
現時点で邦人の被害情報はないと述べています。
さらに、「海路、空路の状況把握と関係事業者への情報提供、今後予想される経済的影響の洗い出し」も指示しました。
仕組み・分析
今回の焦点は中東の海上輸送です。
特にホルムズ海峡の動向が重要です。
ホルムズ海峡とは、ペルシャ湾と外洋を結ぶ海峡です。
世界の原油輸送の要衝にあたります。
ブルームバーグによると、日本は原油輸入の約9割を中東に依存しています。
そのため、ホルムズ海峡の航行が困難になれば影響は甚大です。
実際に、北海ブレント原油先物は攻撃前から上昇基調でした。
約6~7カ月ぶりの高値水準で推移していました。
仮に海峡が封鎖されればどうなるでしょうか。
原油価格は大幅に上昇する可能性があります。
さらに、円安が重なれば輸入コストは増加します。
つまり、インフレ圧力が強まる懸念があります。
ロイターによると、高市首相はNSCで
「これまでに得ている情報の分析と、今後の対応を協議する」と述べました。
今後の影響
今後の最大の論点は、日本政府の立場です。
今回の軍事行動を支持するかどうかが焦点になります。
一方で、エネルギー価格の上昇が家計を直撃する可能性があります。
ガソリン価格や電気料金への波及も考えられます。
そのため、政府は経済影響の洗い出しを急いでいます。
物価高対策との整合も課題になります。
さらに、金融市場の不安定化も警戒が必要です。
円相場や株式市場の変動が続く可能性があります。
課題・展望
中東情勢は流動的です。
そのため、状況は刻々と変化します。
実際に、戦時の速報情報は今後更新や修正が入り得ます。
しかし、日本政府は迅速に対応しました。
エネルギー安全保障の再検討も議論になるでしょう。
調達先の多様化や備蓄政策の強化が課題です。
こうした中、政府は外交と経済の両面で難しい判断を迫られます。
今後のNSC協議の内容が注目されます。
ソース
ロイター
ブルームバーグ
FNNプライムオンライン
Yahoo!ニュース ほか

