柏崎刈羽原発でテロ対策文書の管理不備が発覚、規制委が追加検査を決定
原子力規制委員会は2026年3月4日、東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)で発覚したテロ対策関連の秘密文書の管理不備を受け、追加検査を実施する方針を正式に決定しました。
今回の問題は、テロ対策に関する機密文書が社内で不適切にコピー・保管されていたことが発端です。こうした文書は厳格な管理が求められるため、原子力施設の安全管理体制の信頼性に関わる問題として注目されています。
一方で、2026年3月18日に予定されている6号機の営業運転開始には影響しないと規制委は説明しています。つまり、今回の追加検査は安全管理の確認が目的であり、現時点で運転再開のスケジュールには直接影響しない見通しです。
テロ対策文書を社員がコピー・撮影して共有
問題となったのは、原発のテロ対策に関する秘密文書の取り扱いです。
原子力施設では、テロ対策関連の資料は国家安全保障にも関わる可能性があるため、指定された場所で厳重に保管する義務があります。
しかし柏崎刈羽原発では、テロ対策の管理者などに指定されていた社員1人が、2020年11月から12月ごろに秘密文書を無断でコピーしていました。
さらに、この社員は当時勤務していた東京電力本社で、コピーした文書を職場の自分の机に保管していたことが判明しています。
スマートフォン撮影とメール送信も確認
テレビ新潟の報道によると、この社員はコピーした文書をさらにスマートフォンで撮影していました。
そのうえで、社内の関係者16人にメールで送信していたことも確認されています。
つまり、
- 文書のコピー
- 私的な場所での保管
- スマートフォン撮影
- 社内メールでの共有
という複数の不適切な管理行為が重なっていたことになります。
なお、東京電力によると、社外への情報漏えいは確認されていません。
しかし、原子力施設の安全対策情報は極めて重要であるため、管理体制そのものが問題視されています。
管理不備は2020年以降で計4件
今回の問題は単発の事案ではありません。
東京電力によると、柏崎刈羽原発では2020年以降に情報管理の不備が計4件発生しています。
原子力規制委員会はこうした状況を重く見て、
- 再発防止策の提出
- 追加検査による確認
を求めることになりました。
規制委、改善計画の提出を要求
原子力規制委員会は東京電力に対し、再発防止に向けた改善計画を2026年4月6日までに提出するよう要請しました。
その後、規制委は延べ40時間の追加検査を実施し、改善策が実際に機能するかを確認する予定です。
この検査では、
- 文書管理体制
- 情報共有ルール
- セキュリティ教育
など、組織全体の管理体制がチェックされる見通しです。
6号機の営業運転には影響なし
柏崎刈羽原発6号機は、2026年1月21日に約14年ぶりに再稼働しました。
しかしその直後、制御棒の電動機制御盤の不具合が発生し、1月23日に停止しています。
その後、2月9日に再起動し、3月3日にフル稼働状態に到達しました。
東京電力は現在、3月18日の営業運転開始に向けて原子力規制委員会へ検査日程を申請しています。
今回の追加検査について、規制委はこの工程には影響しないと説明しています。
申請書の誤りなど管理問題が相次ぐ
柏崎刈羽原発では、最近も管理上の問題が発覚しています。
2026年2月には、6号機の30年超運転に必要な申請書に28カ所の誤りが見つかりました。
原子力規制委員会は東京電力に対して、書類の修正を求めています。
つまり、柏崎刈羽原発では
- テロ対策文書の管理不備
- 運転申請書の記載ミス
など、事務・管理面での問題が相次いでいる状況です。
東京電力のコメント
今回の問題について、東京電力は次のようにコメントしています。
「過去の不適切事案を踏まえ改善を進める中で本件が発生したことを重く受け止め、一過性の改善にならないよう取り組む」
同社は再発防止策をまとめ、規制委の検査を受ける方針です。
今後の焦点
柏崎刈羽原発は、日本最大級の原子力発電所であり、日本の電力政策にも大きな影響を持つ施設です。
しかし近年は、
- テロ対策の不備
- 入退室管理問題
- 書類管理のミス
などが相次いでおり、安全管理体制の信頼回復が大きな課題となっています。
今回の追加検査で、東京電力がどこまで管理体制を改善できるのかが、今後の重要な焦点になります。
ソース
47NEWS
日本経済新聞
TBS NEWS DIG
テレビ新潟報道
Yahooニュース
Livedoorニュース

