福島原発事故15年、日本で原子力発電再稼働が進む 世論支持の変化と廃炉の現実

日本はまもなく福島第一原子力発電所事故から15年を迎えます。
2011年3月11日に発生した東日本大震災と津波は、福島第一原発の重大事故を引き起こしました。

しかし現在、日本の原子力政策は当時とは大きく変化しています。
原子炉再稼働の支持が世論で過半数となり、原子力発電を再び受け入れる動きが広がっています。

さらに世界最大級の原子力発電所の再稼働や、廃炉作業のための新型ロボット投入など、日本の原子力を巡る状況は新たな局面を迎えています。
つまり、日本は事故の記憶とエネルギー政策の現実の間で、大きな選択を迫られています。

福島事故後に一度は停止した日本の原発

2011年の福島事故は、日本の原子力政策を大きく変えました。
事故後、日本国内の原子炉は安全審査のため順次停止しました。

その結果、数年間にわたり日本の稼働原発はゼロとなりました。
これは原子力に強く依存していた日本の電力政策にとって大きな転換でした。

しかしその後、電力供給やエネルギー安全保障の問題が浮上します。
そのため政府は、新たな安全基準のもとで原子炉再稼働を進める方針に転じました。

柏崎刈羽原発の再稼働が象徴的な出来事に

2026年1月、日本の原子力政策にとって象徴的な出来事が起きました。
東京電力が新潟県の柏崎刈羽原子力発電所6号機を再稼働させたのです。

柏崎刈羽原発は世界最大級の原子力発電所です。
そしてこの再稼働は、東京電力が運転する原子炉として2011年以降初めてとなりました。

当初は警報装置の不具合により延期されました。
しかし最終的に運転が再開され、原子力復活の象徴的な出来事となりました。

現在、日本では稼働可能な原子炉33基のうち15基が運転中です。
事故直後はゼロだったため、着実に増加しています。

原子力発電の拡大を掲げる政府の方針

日本政府は現在、原子力の活用を再び強化しています。
高市早苗首相は原子力の再稼働加速と新技術開発を推進しています。

政府はエネルギー政策として、2030年までに電力の約20%を原子力で賄う目標を掲げています。
これは脱炭素社会を目指す政策の一環です。

また日本は化石燃料の多くを輸入に依存しています。
そのためエネルギー安全保障の観点でも原子力が重視されています。

つまり政府は、気候対策と電力安定供給の両面から原子力を再評価しています。

世論も変化、再稼働支持が過半数に

こうした政策転換の背景には世論の変化があります。
朝日新聞が2026年2月下旬に実施した世論調査では大きな変化が確認されました。

調査では、
原発再稼働に賛成 51%
反対 35%

という結果になりました。

これは事故後長く続いた反対多数からの逆転です。
つまり日本社会の意識が徐々に変化していることを示しています。

特に支持が高かったのは若い世代です。
18歳から29歳では66%が再稼働に賛成でした。

福島第一原発の廃炉は史上最大級の難工事

一方で、福島第一原発の廃炉作業は続いています。
これは人類史上でも最も複雑な原子力工学プロジェクトの一つとされています。

現在も約880トンの溶融燃料デブリが残っています。
デブリとは、溶け落ちた核燃料と構造物が混ざった危険物質です。

これらは損傷した3基の原子炉内部に存在しています。
そのため作業は非常に難しい状況です。

新型ロボットが廃炉作業に投入

2026年2月下旬、東京電力は新しいロボット技術を公開しました。
それが全長22メートルの蛇型ロボットアームです。

このロボットは、従来の装置では到達できなかった場所へ進入できます。
つまり原子炉内部のデブリ調査や回収のために設計されています。

開発には約10年がかかりました。
国際廃炉研究開発機構(IRID)が中心となって開発しています。

今年秋には、
2号機で3回目となる試験的なデブリ取り出しが予定されています。

しかし本格的な回収作業はまだ先です。
少なくとも2037年までは開始できない見込みとされています。

また廃炉完了までの期間は、
30年から40年かかると予測されています。

原子力復活に反対する市民の声

原子力政策の転換に反対する声もあります。
事故の記憶がまだ深く残っているからです。

2026年3月7日、東京の代々木公園で抗議集会が開かれました。
約1,500人が原子力政策に反対するデモに参加しました。

主催者は、
現在も5万人以上が避難生活を続けていると指摘しています。

また国際環境NGOFoE Japan(Friends of the Earth Japan)は、
福島の教訓が消し去られようとしている」と警告しました。

つまり事故の被害はまだ終わっていないという立場です。

エネルギー安全保障の観点から原子力支持の声も

一方で、原子力を支持する専門家もいます。
その理由はエネルギー政策の現実です。

日本エネルギー経済研究所の寺沢達也理事長は次のように述べています。

「日本は再生可能エネルギーの選択肢が限られている。
そのためカーボンニュートラルを実現するには実行可能な選択肢は原子力しかない

この発言は、エネルギー供給の現実を示しています。
つまり脱炭素と安定供給を両立するための議論が続いています。

日本は原子力とどう向き合うのか

福島事故から15年が経とうとしています。
しかし原子力を巡る議論は終わっていません。

一方では、原子炉再稼働と新技術開発が進みます。
しかし一方で、廃炉や被災者支援はまだ続いています。

つまり日本は、
事故の教訓とエネルギー政策の現実の両方を抱えながら進む状況にあります。

今後、日本がどのように原子力と向き合うのか。
それは世界のエネルギー政策にも大きな影響を与える可能性があります。

ソース

e.vnexpress.net
The Straits Times
The New York Times
BBC
The Guardian
The Japan Times
FoE Japan
Arab News
朝日新聞世論調査

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