米海軍がホルムズ海峡護衛を拒否 船舶97%減少で世界石油供給に衝撃

米海軍がホルムズ海峡でのタンカー護衛要請を拒否していることが明らかになりました。
これは、米国・イスラエルとイランの戦争開始後、海運業界からの護衛要請が続いているにもかかわらず、攻撃リスクが高すぎると判断されたためです。

この決定により、世界の石油輸送の要衝であるホルムズ海峡の航行はほぼ停止しました。
その結果、世界の石油供給やエネルギー市場に大きな影響が出ています。

また、ホワイトハウスと軍の評価の間にメッセージの食い違いも生じています。
そのため、国際エネルギー市場では不確実性がさらに高まっています。

イラン戦争開始後、護衛要請が連日

ロイター通信によると、米海軍は2月28日に始まった米国・イスラエルによるイラン戦争以降、海運業界からほぼ毎日護衛要請を受けています。

しかし、米海軍は海運会社の幹部に対し、攻撃の危険性が依然として非常に高いと説明しました。
そのため、現時点では軍事護衛を提供できないと伝えています。

この判断は、ドナルド・トランプ大統領が「必要な時には海軍がタンカー護衛を行う」と繰り返し保証してきた発言と対照的です。

つまり、政治メッセージと軍事評価の間に差がある状況が浮き彫りになっています。

ホルムズ海峡の航行は97%減少

国連のデータを引用したロイター通信によると、戦争開始以降、ホルムズ海峡を通過する船舶は97%減少しました。

ホルムズ海峡は世界の石油輸送の要所です。
世界の石油供給の約5分の1がこの海峡を通過します。

しかし現在、事実上の封鎖状態に陥っています。

その結果、原油価格は2022年のロシアによるウクライナ侵攻以来の最高水準に達しました。

イラン革命防衛隊が封鎖を宣言

イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は3月2日、ホルムズ海峡の封鎖を宣言しました。

IRGCのエブラヒム・ジャバリ准将は国営テレビで次のように警告しました。

「海峡通過を試みる船舶はイラン軍が炎上させる

この警告の後、戦争開始以降すでに複数の船舶が攻撃を受けたとされています。

また、海上保険会社はこの海域の戦争リスク補償を停止しました。
そのため、商業船舶の航行は事実上止まっています。

米海軍「現時点では護衛不可能」

米海軍は現在、海運業界や石油業界と定期的なブリーフィングを行っています。

その中で、現段階では護衛は不可能と説明しています。

情報筋によると、火曜日のブリーフィングでも評価は変わりませんでした。
つまり、攻撃リスクが低下するまで護衛作戦は開始されないという判断です。

ワシントンのメッセージに混乱

火曜日には、ワシントンからのメッセージの混乱も表面化しました。

エネルギー長官クリス・ライトはX(旧Twitter)で、
米海軍が石油タンカー護衛に成功したと投稿しました。

しかし、この投稿は後に削除されました。

その後、ホワイトハウスのカロライン・レヴィット報道官は次のように説明しました。

「米海軍は現時点でタンカーやいかなる船舶も護衛していない」

つまり、政府内でも情報の整合性に問題があった形です。

米軍は「選択肢を検討」

統合参謀本部議長のダン・ケイン大将は国防総省で記者団に説明しました。

軍は現在も護衛活動を開始していません。
しかし、「様々な選択肢を検討している」と述べました。

一方で、トランプ大統領は月曜日、フロリダ州のマール・ア・ラーゴで次のように発言しました。

「その時が来れば、米海軍とパートナーは必要に応じてタンカーを護衛する」

つまり、政治レベルでは護衛の可能性を否定していません。

海峡防衛には圧倒的戦力が必要

海上安全保障の関係者は、ロイター通信に対し次のように指摘しています。

ホルムズ海峡の安全を確保するためには、
米国がイランの広大な海岸線を制圧する必要があるというのです。

しかし、そのためには海軍艦艇が十分ではないとされています。

さらに、仮に護衛船団を組んだとしても、
高速ボートやドローンの群れ攻撃に圧倒される可能性があります。

つまり、軍事的に非常に難しい状況です。

産油国は減産開始

この影響は産油国にも広がっています。

イラクやクウェートなどの湾岸アラブ産油国は、
輸出ルートが確保できない状況に直面しています。

その結果、貯蔵能力が限界に達し、
減産を開始しました。

一方で、イランのアッバス・アラグチ外相は次のように主張しています。

米国は石油市場を操作するために
誤解を招く主張を広めているというのです。

また現在の供給不足について、
「史上最大の規模だ」と述べました。

世界エネルギー市場への影響

ホルムズ海峡は世界の石油輸送の要衝です。
そのため、封鎖状態は世界経済に直接影響します。

石油市場ではすでに価格が急騰しています。
また、エネルギー安全保障への懸念も急速に広がっています。

こうした中、米軍が護衛作戦を実施するかどうかが、
今後の国際情勢の重要な焦点になっています。

ソース

Reuters
NPR
Al Jazeera
Politico
The Straits Times

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