2026年度予算案が成立|参院予算委で賛否同数、異例の委員長決裁で可決

2026年4月7日、高市政権で初めてとなる当初予算の2026年度予算案が、異例の展開を経て参議院本会議で可決・成立しました。

2026年度予算案の総額は122兆3092億円です。 これは過去最大規模です。つまり、日本の財政運営にとって大きな節目となりました。

一方で、今回の成立過程は通常の流れではありませんでした。参議院予算委員会で賛否が同数となり、委員長決裁で可決したためです。そのため、予算の中身だけでなく、成立の仕方そのものにも注目が集まりました。

また、この2026年度予算案は、防衛と社会保障の両立という重い課題を抱えています。さらに、少数与党の厳しい国会運営も浮き彫りになりました。今後は、この122兆3092億円の予算が経済と財政にどのような影響を与えるかが焦点になります。

参院予算委で起きた賛否同数

4月7日午後、参議院予算委員会で2026年度予算案の採決が行われました。ここで、自民党・日本維新の会の与党側の賛成票と、立憲民主党などの野党側の反対票が完全に同数となる異例の事態が起きました。

通常、採決は多数決で決まります。しかし今回は多数が出ませんでした。こうした中、国会法と参議院委員会規則の規定が適用されました。

その規定では、可否同数のときは委員長が決すると定めています。つまり、票数で結論が出ない場合は、委員長が最終判断を下す仕組みです。実際に、自民党の藤川政人予算委員長が可決を宣言しました。

委員長決裁が持つ重み

委員長決裁とは、委員会で賛成と反対が同数になったときに、委員長が結論を決める手続きです。国会法に基づく正式な仕組みですが、近年の国会では極めてまれです。

そのため、今回の2026年度予算案の委員会通過は、単なる可決ではありませんでした。歴史的な1票が予算の行方を決めた場面として受け止められました。

さらに、この出来事は少数与党の厳しい立場も映しました。与党だけで安定的に押し切れないため、国会運営は常に緊張を伴います。実際に、今回の採決ではその緊張関係がはっきり表れました。

参議院本会議で可決・成立

予算委員会を通過した後、2026年度予算案はただちに参議院本会議に送られました。ここでも焦点は、与党単独で可決できるかどうかでした。

参議院では与党が過半数に4人足りない状況でした。そのため、自民党と日本維新の会だけでは成立に届きませんでした。一方で、日本保守党や一部の無所属議員が賛成に回りました。

その結果、7日夕方に自民党・日本維新の会などの賛成多数で可決・成立しました。つまり、2026年度予算案は委員会でも本会議でも、通常以上に綱渡りの展開を経て成立したことになります。

野党の修正案は否決

本会議に至る前に、野党側は修正案も提出しました。立憲民主党と公明党は共同で、燃料価格高騰対策などを盛り込んだ修正案を出しました。

また、国民民主党も別に修正案を提出しました。内容はガソリン代引き下げ等を盛り込んだものです。しかし、これらの修正案はいずれも否決されました。

そのため、最終的には政府案がそのまま成立しました。実際に、与野党の政策の違いは修正案の内容にも表れましたが、結論としては原案維持となりました。

審議入りから約40日でのスピード成立

今回の2026年度予算案は、衆議院での審議入りが2月26日でした。そこから数えると、成立までわずか約40日です。

予算案の審議としては、かなり速いペースです。そのため、成立までのスピードそのものも大きな特徴になりました。一方で、このスピード感には政治的な背景がありました。

少数与党のもとでは、長期化すれば不確定要素が増えます。つまり、早期成立を目指す動機が強かったといえます。しかし、速さを優先したことで、審議のあり方への視線も厳しくなりました。

年度内成立を断念した背景

今回の予算成立に至るまでには、別の異例もありました。高市政権は当初、3月末までの年度内成立を目標に掲げていました。

衆議院では、異例のスピード審議で3月13日に通過させました。しかし、参議院では審議が難航しました。そのため、政権は年度内成立を断念しました。

こうした中で、予算空白を避ける必要が生じました。国の予算が切れれば、行政運営に支障が出かねません。そのため、政府・与党は別の対応を取りました。

11年ぶりの暫定予算を編成

高市政権は3月30日、11年ぶりとなる暫定予算を成立させました。金額は約8兆5641億円です。

暫定予算とは、本予算が年度開始までに成立しない場合に、当面必要な支出だけを先に認める仕組みです。言い換えると、本予算成立までのつなぎ措置です。

4月1日以降の予算空白を回避するため、今回の暫定予算は重要な役割を果たしました。しかし一方で、当初予算を年度内に成立させられなかった事実は、少数与党の国会運営の難しさを示しました。

自然成立を待たずに採決

日本国憲法には、予算案に関するルールがあります。衆議院通過から30日以内に参議院が議決しなければ、衆議院の議決が国会の議決となる仕組みです。

今回の2026年度予算案でも、この規定により4月11日には自然成立する可能性がありました。つまり、参議院で最終判断がまとまらなくても、一定期限を過ぎれば成立する見通しはありました。

しかし、政府・与党はその日を待ちませんでした。7日に採決を実現し、参議院本会議で成立させました。実際に、自然成立ではなく、政治決着によって予算を成立させた形です。

122兆3092億円の予算規模

2026年度予算案の一般会計総額は122兆3092億円です。2025年度当初予算から7兆1114億円増となりました。

これにより、2年連続で過去最大を更新しました。つまり、2026年度予算案は金額の面でも歴史的水準に達しています。

また、規模が大きいだけでなく、何に重点を置くかも問われます。防衛、社会保障、税収、国債発行のバランスが重要です。一方で、歳出拡大が将来の財政にどう影響するかも見逃せません。

主要項目の内訳

2026年度予算案の主な項目は次の通りです。

項目金額ポイント
一般会計総額122兆3092億円2年連続過去最大
防衛費(防衛省計上分)約9兆353億円過去最高
社会保障費約39兆円最大の歳出項目
税収見込み約83兆7000億円過去最高水準
新規国債発行約29兆6000億円依然高水準

この表から分かる通り、社会保障費は約39兆円で最大の歳出項目です。また、防衛費は約9兆353億円に達し、過去最高となりました。

さらに、税収見込みは約83兆7000億円で過去最高水準です。しかし、歳出全体をまかなうには足りません。そのため、新規国債発行は約29兆6000億円と高い水準にあります。

防衛と社会保障の両立

高市早苗首相は、昨年12月の閣議決定時に「責任ある積極財政」を掲げました。これは、必要な支出を行いながらも、国としての責任を果たす財政運営を目指す考え方です。

その柱の一つが、防衛力強化です。安全保障環境が厳しさを増す中で、防衛費の拡充は政権の重要課題です。一方で、少子高齢化が進む日本では、社会保障の維持も不可欠です。

そのため、2026年度予算案は防衛力強化と社会保障の充実を両立させる姿勢を示しました。しかし、両方を大きく伸ばすほど、財政への負担は重くなります。つまり、優先順位と持続性が強く問われる内容です。

税収増でも残る財政課題

税収見込みは約83兆7000億円で、過去最高水準です。これは一見すると明るい材料です。しかし、歳出の増加ペースには追いついていません。

そのため、歳出が税収を大きく上回る構造は変わっていません。実際に、新規国債発行は約29兆6000億円に達しています。これは将来世代への負担とも直結します。

さらに、過去最大の2026年度予算案が続くことで、財政の硬直化も懸念されます。つまり、税収が増えても、財政健全化との両立は簡単ではありません。

少数与党が映した国会の現実

今回の予算成立は、単なる大型予算の成立ではありませんでした。少数与党という政治状況の中で、国会法に基づく委員長決裁という極めてまれな手続きを経て実現した点に大きな意味があります。

暫定予算の編成もありました。スピード審議への批判も出ました。そして、賛否同数という劇的な展開も起きました。こうした一連の流れは、現在の日本政治の緊張関係をそのまま示しています。

また、与党は単独で安定多数を持たないため、毎回の採決で他党や無所属の動向が重みを増します。そのため、今後の国会運営でも同様の難しさが続く可能性があります。

122兆円予算の今後の焦点

122兆3092億円という未曾有の規模の2026年度予算案は、今後の日本経済に幅広い影響を及ぼします。景気の下支えや安全保障の強化に役立つ可能性があります。

一方で、財政リスクも確実に残ります。国債依存が続けば、金利動向や将来負担への警戒は避けられません。つまり、予算を成立させたことがゴールではなく、執行と結果がこれから問われます。

さらに、少数与党のもとで、補正予算や追加対策が必要になった場合の国会対応も重要です。実際に、今回の2026年度予算案の成立過程そのものが、今後の政治運営を占う試金石になりました。

ソース

・2026年度予算案、参院予算委で可決――賛否同数の異例の委員長決裁で過去最大122兆円予算が成立

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