大分県日出町のテーマパーク「ハーモニーランド」が、今後10年をかけて大規模な再生計画に乗り出します。株式会社サンリオとその子会社であるサンリオエンターテイメントが中心となり、地方観光の常識を覆すような「滞在型リゾート」への進化を図る壮大なプロジェクト。その全貌を詳しくご紹介します。
「天空のパーク」構想、始動。計画の中心にあるのは“優しさ”と“包容力”
2025年12月8日、サンリオグループと大分県、日出町が共同で発表したのは、「天空のパーク構想」。キャッチコピーは「世界でいちばんやさしい場所」。このフレーズが象徴するように、今回の計画は単なる施設リニューアルではありません。自然、交通、宿泊、そしてキャラクター体験が融合した“地域共創型”の新リゾートづくりがその中核に据えられています。
計画概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年12月8日 |
| 主体 | サンリオ、サンリオエンターテイメント、大分県、日出町 |
| 計画名 | 天空のパーク構想 |
| 初期投資額 | 約100億円(最終的には数百億円規模へ) |
| 工期 | 約10年(2035年完成を目指す) |
| 目標来場者数 | 現在の約50万人 → 100万人~200万人規模 |
見どころ満載:4つの柱から成るリニューアルの全貌
今回の計画で注目すべきは、以下の4つの開発内容です。
1. オフィシャルホテルの新設
パーク隣接地に、別府湾を一望できる絶好のロケーションを活かした公式ホテルを建設。全室がハローキティやシナモロールなど、サンリオの人気キャラクターをテーマとした内装になる予定で、グッズ付き宿泊プランやキャラクタールームサービスも導入される見通し。これにより、日帰り客が主だったハーモニーランドは“泊まって楽しむリゾート”へと転換されます。
2. 全天候型エリアの整備
屋外型であるがゆえに、悪天候に弱いという課題を克服すべく、大型ドーム屋根の設置を実施。雨天・猛暑でも快適に楽しめる空間を創出することで、稼働率と来園満足度の安定化を図ります。
3. モビリティ革命:ロープウェイ・電動カート導入
坂が多く回遊しにくい地形という弱点を補うため、園内にはロープウェイや電動モビリティが導入予定。特に高齢者や小さな子ども連れの家族にとって、アクセス性の向上は非常に大きな改善となります。
4. エリア拡張:43ヘクタールの広大なテーマパークへ
現行の23ヘクタールに加え、隣接する約20ヘクタールの山林を開発。自然と調和したアトラクションやアクティビティ、エコツーリズム要素を盛り込んだ体験型エリアの展開が見込まれています。
なぜ今?サンリオの戦略的変化と地方創生の接点
サンリオの経営方針の転換
サンリオはこれまで物販中心だった収益構造を、キャラクターIP(知的財産)を活用したライセンス事業、テーマパーク事業へと大胆にシフトしています。ピューロランドのV字回復を手掛けた小巻亜矢社長のリーダーシップのもと、今度はハーモニーランドを地方型モデルの成功例として育てる方向です。
「維持」から「成長」へ
今回の投資は「老朽化対策」ではなく、「観光拠点のハブ化」を明確に意識した“攻めの成長投資”。それを支えるのが、サンリオの好調な財務基盤(2025年に過去最高益)です。
大分県との連携強化:空港までも“キティ化”
2025年から始まった「大分ハローキティ空港」キャンペーンと連動し、空港からハーモニーランドまでのアクセスも改善予定。シャトルバスの導入や、外国人観光客向けの多言語サイン設置、キャラクター装飾による「空港=パークの玄関口」化が進められています。
このインフラ整備とブランディングの両立は、韓国や台湾、香港などアジア圏からの観光客を呼び込むための鍵を握っています。
地域社会との「共創」:雇用・経済・食の連携
このリニューアルは地域経済にも大きな波及効果をもたらします。
- 新規雇用創出:数百人規模の雇用が見込まれ、特に地元の若年層や子育て世代にとっては重要な就労機会に。
- 地産地消の推進:ホテル内レストランでは、地元産の魚介・野菜・肉を積極活用し、地域農業や漁業とも連携。
- 周遊観光の活性化:別府・由布院との連携により、複数都市を巡る「温泉+キャラクター体験」の周遊モデルが確立される見通しです。
さらに、「共創室(仮称)」というプロジェクト推進チームが立ち上がり、ファンや住民の意見を取り入れながら開発を進めていく姿勢も注目されています。
今後のタイムライン:未来のハーモニーランドへ
| 年度 | 内容 |
|---|---|
| 2026年 | 基本計画策定・発表 |
| 2031年 | 開園40周年に合わせて一部施設のプレオープン |
| 2035年 | グランドオープン予定 |
まとめ:九州に誕生する“世界にひとつだけのリゾート”
ハローキティというグローバルキャラクター、温泉という日本の伝統文化、そして自然豊かな大分の土地――。これらが掛け合わされることで生まれる新生ハーモニーランドは、単なるテーマパークの域を超え、九州における「観光の新ハブ」として、国内外からの注目を集めることになるでしょう。
「世界でいちばんやさしい場所」を目指すこのプロジェクトの今後に、期待せずにはいられません。
出典
- 大分合同新聞
- Social Game Info
- 愛称説明サイト
- 日経新聞
- Yahoo!ニュース
- Kabu IR
- Gamepedia趣味部
- OBS大分放送
- サンリオ公式情報
- Arab News Japan

