オーストラリアの航空大手であるカンタス航空は3日、格安航空会社ジェットスター・ジャパンの全株式を売却し、日本市場から撤退すると発表しました。
この決定は、日本航空(JAL)との共同発表という形で明らかにされており、日本政策投資銀行(DBJ)が新たな株主として参画する見通しです。
今回の株式譲渡に伴い、「ジェットスター」ブランドは刷新される予定である一方、当面の運航体制や既存の航空券予約には影響がないとされています。日本国内で長年運航を続けてきたジェットスター・ジャパンは、新たな資本体制のもとで次の段階へ進むことになります。
株主構成の変更と段階的な移行スケジュール
今回の決定に先立ち、JALとカンタス航空は、法的拘束力を持たない覚書(MOU)を締結し、日本資本主導の新たな株主体制へ移行する方針を明らかにしました。
現在のジェットスター・ジャパンの株主構成は、
・JALが50%
・カンタスグループが33.32%
・東京センチュリーが16.68%
となっていますが、カンタスが保有する全株式を譲渡し、日本政策投資銀行(DBJ)が新たに株主として参画します。東京センチュリーは引き続き株式を保有し、経営に関与する予定です。
今後のスケジュールとしては、
・2026年7月に最終合意
・2026年10月に新ブランドを発表
・2027年6月に株式譲渡とブランド移行を完了
という段階的な移行が計画されています。
重要な点として、運航計画自体に変更はなく、既存の予約やコードシェア便(JAL、カンタス、ジェットスター航空との共同運航)は引き続き継続されると説明されています。
カンタス航空が日本から撤退する背景
カンタス航空が日本市場から撤退する背景には、法人需要の減退と燃料費の上昇があります。
世界的に航空業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、同社は経営資源をオーストラリア国内の中核事業に集中させる戦略を進めています。
実際、カンタスは2025年7月に、シンガポールを拠点とするジェットスター・アジアを閉鎖しており、今回のジェットスター・ジャパン株式譲渡によって、アジア地域のLCC事業から完全に撤退する形となります。
カンタスのバネッサ・ハドソンCEOは、
「ジェットスター・ジャパンが日本の格安航空分野で果たしてきた先駆的な役割を誇りに思う」
と述べ、約14年間にわたる日本での事業とパートナーシップへの感謝を表明しました。
新体制で成田拠点の国際線拡大を目指す
一方、日本側は今回の体制変更を成長の機会と捉えています。
JALの鳥取三津子社長は、
「日本市場の変化に柔軟に対応し、JALグループとのシナジーを最大化する」
とコメントしました。
また、ジェットスター・ジャパンの田中正一CEOは、
過去約14年間で5,500万人以上の乗客を輸送してきた実績に触れたうえで、
「次の成長段階に向けてチームを率いることを楽しみにしている」
と述べています。
新体制では、成田空港を拠点として国際線ネットワークを積極的に拡大し、訪日外国人客(インバウンド)需要の獲得や、地方路線の活性化を図る方針です。
これまで国内線中心だったジェットスター・ジャパンが、より国際色を強めた事業展開へと舵を切ることになります。
ソース
・aviationwire.jp
・marketscreener.com
・newsweekjapan.jp
・australianaviation.com.au
・sky-budget.com

