日本政府、設備投資減税を導入へ 産業競争力強化法改正案を閣議決定

政府が設備投資減税を柱とする産業競争力強化法改正案を閣議決定

日本政府は2026年3月6日、全業種を対象とした設備投資減税を含む産業競争力強化法改正案を閣議決定しました。

この法案は、企業による国内投資を強く後押しすることを目的としています。

つまり、企業が設備投資を行いやすい環境を税制面と金融面の両方から整える政策です。

また、この改正案は現在開会中の第221回国会に提出される予定です。

こうした中、高市早苗政権が掲げる「大胆な設備投資促進税制」の具体的な法的基盤が整うことになります。

設備投資減税制度の具体的な内容

今回の改正案の柱となるのが、設備投資減税制度の新設です。

この制度では、企業が行う設備投資の一部を法人税から差し引くことができます。

つまり、投資を行う企業の税負担を軽減し、投資を促す仕組みです。

対象となる設備投資は以下の通りです。

・機械装置
・建物
・ソフトウエア

これらの設備投資を行う企業は、一定の条件を満たすことで減税を受けられます。

具体的な条件は次の通りです。

投資額が35億円以上
投資利益率(ROI)が15%以上

ここでいうROI(投資利益率)とは、投資した資金に対してどれだけ利益が生まれるかを示す指標です。

つまり、投資効率が高いプロジェクトが対象になります。

一方で、中小企業への配慮も行われています。

中小企業の場合、5億円以上の投資で制度の対象になります。

法人税控除の仕組みと上限

制度を利用するには、経済産業大臣の確認を受ける必要があります。

確認を受けた企業は、投資額の7%を法人税額から控除できます。

つまり、設備投資の一部を税金から直接差し引くことができます。

ただし、控除には上限があります。

控除できる額は法人税額の20%までです。

この仕組みにより、企業の税負担を抑えながら国内投資を促進する狙いがあります。

即時償却と繰越控除の仕組み

今回の改正案では、税制の柔軟性も強化されました。

まず導入されるのが、即時償却制度です。

即時償却とは、設備投資額を初年度に全額費用として計上できる制度です。

通常は数年かけて費用化します。

しかし、この制度を使えば一度に費用化できます。

そのため、企業の資金繰りを改善する効果があります。

さらに、税額控除の繰越制度も設けられます。

これは、控除しきれなかった税額を最長3年間繰り越せる仕組みです。

こうした制度は、国際情勢の不安定化を踏まえて導入されました。

特に、トランプ米政権の関税政策などによる国際経済の急変への対応が背景にあります。

金融面からの支援策

改正案には税制だけでなく、金融支援策も含まれています。

中心となるのが、日本政策金融公庫による新たな融資制度です。

この制度では、企業が成長投資を行う際に長期かつ低利の融資を受けることができます。

日本経済新聞によると、対象となるのは以下の条件です。

事業期間5年以上
投資額50億円以上

この融資制度では、「2段階融資」と呼ばれる仕組みが導入されます。

これは、事業の進行段階に応じて資金供給を行う方式です。

そのため、大規模な成長投資でも資金調達を安定させることができます。

地域経済への対策と制度整備

今回の改正案では、地域経済への対応策も盛り込まれました。

背景には、人口減少と少子高齢化による地域経済の縮小があります。

こうした状況に対応するため、次の制度が新設されます。

・事業効率化の計画認定制度
・産業用地整備の計画承認制度

つまり、企業の事業再編や産業立地を支援する制度です。

これにより、地域で不足する物品やサービスの供給を維持する狙いがあります。

5年間の集中投資期間

政府は今回の政策を中長期の成長戦略として位置づけています。

具体的には、令和11年3月末までの5年間を特別期間とします。

この期間は「集中投資期間」と呼ばれます。

つまり、国内設備投資を一気に拡大する政策期間です。

政府はこの期間に、企業の国内投資を大幅に増やすことを目指しています。

今後の影響と政策の狙い

今回の設備投資減税は、日本の産業政策の大きな柱になります。

企業の設備投資を促すことで、次の効果が期待されています。

・国内生産力の強化
・技術革新の促進
・雇用創出

さらに、国際競争が激化する中で、日本企業の投資環境を改善する狙いがあります。

つまり、日本国内への投資を増やし、産業競争力を高める政策です。

今後は、国会審議を経て法案成立が焦点となります。

成立すれば、日本の設備投資政策は大きく転換する可能性があります。

ソース

中日新聞
日本経済新聞
Exciteニュース
税務関連解説サイト(nagoya-tax.net)

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