2026年4月28日、大手電力10社と都市ガス大手4社の計13社が、5月使用分(6月請求)の料金を発表しました。
標準家庭向け料金は全社で小幅な値上がりとなりました。
背景には、石炭とLNGの価格上昇があります。
今回の5月の電気・ガス料金の値上がりは、直近の家計負担に直結する動きです。
一方で、中東情勢の影響は夏以降にさらに本格化する見通しです。
そのため、足元の小幅上昇だけでなく、今後の負担増にも注意が必要です。
大手13社でそろって上昇した5月料金
大手電力10社では、関西電力を除く9社が前月比8円~24円の値上がりとなりました。
東京電力は18円増の8,795円です。
また、中部電力は24円増の8,483円となります。
都市ガス大手4社も、全社で21円~27円の値上がりとなりました。
東京ガスは193円増の約5,747円です。
さらに、4カ月連続の上昇となっています。
こうした中、5月の電気・ガス料金の値上がりは、電力とガスの双方で確認されました。
つまり、特定の会社だけの動きではありません。
家計全体に広く影響する上昇といえます。
燃料費調整制度で国際価格が反映
今回の値上がりは、燃料費調整制度によるものです。
これは、発電やガス供給に使う燃料の価格変動を料金へ反映する仕組みです。
そのため、国際市況の変化が家庭の請求額に波及します。
実際に、今回の5月の電気・ガス料金の値上がりには、石炭とLNGの国際価格上昇が反映されています。
石炭価格は、4月27日時点で132.25ドル/トンでした。
前日比では1.57%上昇しています。
一方で、料金への反映には時間差があります。
しかし、そのタイムラグがあるからこそ、今後の値上がりが後から家計を押し上げる構図になります。
今回の上昇は、むしろ序章に近い動きともいえます。
石炭とLNG高騰が家計を押し上げる構図
5月の電気・ガス料金の値上がりを押し上げた主因は、石炭とLNG価格の上昇です。
LNGは液化天然ガスのことで、発電用燃料として広く使われています。
日本の発電はLNGへの依存度が高く、輸入依存も強い状況です。
中東情勢の緊迫化も影響しています。
イランとイスラエルの対立や、ホルムズ海峡の通過リスクが原油高騰を招き、その影響がLNGや電力料金にも波及しています。
そのため、電気・ガス料金の上昇圧力が強まっています。
さらに、脱炭素化の流れも価格を押し上げています。
脱炭素化とは、二酸化炭素の排出を減らす方向への政策や企業行動です。
その過程でLNG需要が増え、中国などの燃料切り替えも進み、価格上昇につながっています。
また、円安も輸入コストを悪化させています。
燃料を海外から買う日本では、円安が進むほど支払い負担が重くなります。
つまり、国際価格の上昇と為替の悪化が重なっている状況です。
再エネ賦課金も過去最高水準に
家計負担を押し上げているのは、燃料価格だけではありません。
2026年度の再エネ賦課金は1kWhあたり4.18円となり、過去最高を更新しました。
再エネ賦課金とは、再生可能エネルギーの普及費用を電気料金に上乗せする仕組みです。
標準家庭では、月あたり約1,254円の負担増となります。
そのため、燃料費調整とは別の要因でも、請求額は押し上げられます。
5月の電気・ガス料金の値上がりを考えるうえで、この点も見逃せません。
一方で、再エネ賦課金は国の制度に基づく固定的な上乗せです。
しかし、燃料費調整は国際市況で変動します。
つまり、制度要因と市場要因の両方が家計を圧迫している形です。
中東情勢の本格反映は夏から
今回の5月の電気・ガス料金の値上がりは小幅です。
しかし、中東情勢の本格的な影響は夏以降に強まる見通しです。
ここが今後の最大の焦点になります。
燃料費調整制度にはタイムラグがあります。
そのため、2月28日のイラン攻撃以降の価格高騰は、電気料金では6月使用分から、ガス料金では秋以降に反映される見通しです。
足元の請求額には、まだすべてが乗っていません。
こうした中、今夏の冷房需要が重なると、家計負担は一段と重くなる可能性があります。
とくに7月から8月は猛暑による使用量増加が見込まれます。
そのため、単価上昇と使用量増加が同時に進む懸念があります。
年間光熱費は1万~2万円増の試算も
専門家の試算では、夏の7月から8月に影響が顕在化し、年間の光熱費が1万~2万円増える可能性があります。
この見通しは、5月の電気・ガス料金の値上がりが一時的なものではないことを示しています。
家計にとっては、夏以降が本番となります。
実際に、春の時点では値上がり幅が小さく見えても、今後は状況が変わる可能性があります。
一方で、猛暑になればエアコン使用は抑えにくくなります。
つまり、節約努力だけでは吸収しきれない負担増もあり得ます。
4月使用分よりは小幅でも上昇基調は継続
4月使用分では、補助金終了と再エネ賦課金の影響が重なりました。
その結果、393円~463円の大幅値上がりとなっていました。
それに比べると、5月は小幅な上昇にとどまっています。
しかし、上昇基調そのものは続いています。
そのため、5月の電気・ガス料金の値上がりを「落ち着いた」と見るのは早計です。
家計負担は引き続き増える方向にあるとみられます。
政府支援の検討と残る不透明感
政府は、7月から9月の支援策を検討中とされています。
これは、夏場の負担増を和らげる狙いがあります。
また、猛暑期の生活防衛という意味でも注目されます。
しかし、燃料価格の高止まりが続けば、支援だけで十分に吸収できるとは限りません。
一方で、国際情勢や為替の動きは不透明です。
そのため、厳しい状況が続く見込みです。
家計負担を抑えるための確認点
家計負担軽減のためには、まず検針票で現在の料金プランを確認することが重要です。
市場連動型プランは、市場価格の変動が料金へ反映されやすい仕組みです。
そのため、価格上昇局面では負担が重くなりやすくなります。
また、使用量そのものを減らす工夫も欠かせません。
LED照明への切り替えや、エアコン設定の見直しは基本的な対策です。
さらに、新電力への切り替えで安価なプランを検討することも選択肢になります。
ただし、安さだけで判断するのは注意が必要です。
料金体系や燃料費調整の扱いは事業者ごとに異なります。
つまり、単純な基本料金の比較だけでは不十分です。
5月の電気・ガス料金値上がりが示すもの
今回の5月の電気・ガス料金の値上がりは、現時点では小幅です。
しかし、背景には石炭、LNG、円安、再エネ賦課金、中東情勢という複数の要因があります。
そのため、単なる一時的な変動としては捉えにくい局面です。
実際に、料金反映のタイムラグを考えると、今後の請求額にはさらに上昇圧力がかかる可能性があります。
一方で、夏の需要期が近づいています。
家計にとっては、5月の電気・ガス料金の値上がりよりも、その先の上昇局面への備えが重要になります。
ソース
FNNプライムオンライン
日本経済新聞
エネチェンジ
Selectra
資源エネルギー庁
東洋経済オンライン
H-BID
Trading Economics
読売新聞
日テレNEWS NNN
TBS NEWS DIG
東京ガス公式

