自治体システム標準化、935自治体が期限未達 デジタル庁が遅延公表【7000億円プロジェクト】

自治体システム標準化とは何か

自治体システム標準化とは、全国の自治体が使う基幹業務システムを国の統一仕様にそろえる取り組みです。

中心となるのは、デジタル庁です。

住民基本台帳や税、戸籍など20業務を対象にしています。

935自治体が期限に間に合わず

2026年2月27日、デジタル庁は重大な発表を行いました。

全1788自治体のうち52.3%にあたる935自治体が、2025年度末までに移行を完了できない見通しだと公表しました。

つまり、過半数が期限未達となります。

当初目標は2025年度末、すなわち2026年3月末でした。

しかし、遅延が初めて半数を超えました。

総予算7000億円超の国家規模プロジェクトが、深刻な局面に入った形です。

わずか2か月で約200自治体が遅延側へ

前回調査は2025年10月末時点でした。

その時点で間に合わない自治体は743団体でした。

割合は41.6%でした。

しかし、今回は935自治体に増加しました。

わずか2か月で192自治体が新たに遅延見込みへ加わりました。

対象となる全3万4592システムのうち、8956システム(25.9%)が2026年度以降へずれ込む見込みです。

10月末時点では5009システムでした。

つまり、約4000システム増えました。

遅延の主因はSE不足

デジタル庁は遅延の主因を明示しています。

2025年秋頃から移行作業が本格化しました。

しかし、システムエンジニア(SE)の確保が追いつきませんでした。

全国1788自治体が一斉に移行を進めました。

そのため、ベンダーの人材が逼迫しました。

大手から中小まで、リソース不足が広がりました。

構造的な同時集中が背景にあります。

富士通やRKKCSも期限断念

ベンダー側の動きも影響しています。

富士通は2024年9月、約300自治体に期限内移行を断念すると通知しました。

さらに2025年10月、RKKCSも発表しました。

受注123団体のうち約半数で、2025年度末完了が困難だと説明しました。

現場の混乱も伝わります。

ある自治体職員はこう証言しました。

「テストで計算ボタンを押しても動かない。確認すると、まだ一部機能を作成中と言われた」。

つまり、開発遅延が顕在化しています。

一部では進展も

しかし、全てが停滞しているわけではありません。

2026年1月末時点で、1万3283件(38.4%)のシステムが移行完了しました。

移行済みシステムを持つ自治体は1188団体です。

割合は66.4%に達しました。

また、TKCが担当する164団体では進展がありました。

2026年2月9日に全団体の移行が完了しました。

ベンダー間で進捗に大きな差が出ています。

ガバメントクラウドとは何か

今回の標準化は単なる更新ではありません。

政府共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」上で運用する構想です。

クラウドとは、インターネット経由で利用する共有型IT基盤です。

自治体ごとに異なっていた仕様を統一します。

そのため、運用効率やコスト削減を狙っています。

この制度は2021年の標準化法施行を受けて始まりました。

今後は2030年度末まで延長

期限に間に合わない自治体はどうなるのでしょうか。

デジタル庁は支援を継続します。

そして、2030年度末までの完了を目指す方針です。

しかし、延長は事実上の計画見直しです。

7000億円規模の国家IT改革は、再設計を迫られています。

一方で、標準化自体の意義は大きいです。

しかし、工程管理と人材確保が最大の課題です。

こうした中、国とベンダー、自治体の三者連携が試されます。

ソース

デジタル庁
神戸新聞
日経クロステック
ダイヤモンド・オンライン
デジタル行政ドットコム
Yahoo!ニュース

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