偽ブランド品の輸入差し止め3万件超 2025年も高水準、中国から8割超

偽ブランド品の輸入差し止め、2025年も3万件超 税関統計が示す高水準の実態

2025年の日本の税関における偽ブランド品の輸入差し止めが、依然として高い水準で推移していることが明らかになりました。
財務省が2026年3月6日に公表した統計によると、知的財産侵害物品の輸入差し止め件数は3万1760件となりました。

前年よりわずかに減少したものの、3年連続で3万件を超える高水準です。
つまり、日本への偽ブランド品流入は依然として大きな問題となっています。

今後は、オンライン取引の拡大や個人輸入の増加とともに、税関の取り締まり体制や国際協力が重要になると見られています。

税関差し止め件数は3万1760件 前年から微減も依然高水準

財務省は2026年3月6日、2025年(令和7年)の税関における知的財産侵害物品の輸入差し止め状況を公表しました。

それによると、差し止め件数は3万1760件でした。
これは前年比3.8%減です。

しかし、2024年の3万3019件(過去最多)に次ぐ高水準です。
また、公表開始以来で3番目に多い件数
となりました。

つまり、日本の税関では依然として大量の偽ブランド品を水際で防いでいる状況です。

さらに見ると、3万件を超えたのは3年連続となりました。
この数字は、偽ブランド品の流通が継続的に存在することを示しています。

中国からの流入が8割超 圧倒的多数を占める

差し止め件数を仕出国(輸出元)別に見ると、構図は非常に明確です。

最も多かったのは中国でした。
件数は2万6292件です。

これは全体の82.8%に当たります。
つまり、税関が差し止めた偽ブランド品の8割以上が中国から発送
されていました。

次いで多かったのは以下の通りです。

国・地域件数構成比
中国2万6292件82.8%
ベトナム2785件8.8%
韓国597件1.9%
台湾451件

特に注目されたのは台湾です。
台湾からの差し止めは前年比948.8%増と急増しました。

つまり、発送拠点が中国以外の地域にも広がり始めている可能性があります。

差し止め点数は76万点 大幅減少の理由

2025年の差し止め物品数は76万3504点でした。

これは前年比41.1%減という大幅な減少です。

また、差し止められた商品の推計価額は約180億円でした。

平均値で見ると次の通りです。

  • 1日平均差し止め件数:87件
  • 1日平均差し止め点数:2091点

つまり、日本の税関では毎日大量の偽ブランド品を水際で阻止していることになります。

商標権侵害が最多 偽ブランド品が中心

差し止め物品の種類を知的財産権別に見ると、特徴がはっきりしています。

最も多かったのは商標権侵害物品です。

件数は以下の通りです。

種類点数構成比
商標権侵害物品46万9878点61.5%
著作権侵害物品21万3569点28.0%

つまり、有名ブランドを模倣した商品が大半を占めています。

これは、いわゆる偽ブランド品(模造品)が中心であることを意味します。

イヤホンやバッテリーなど電気製品の偽物が増加

2025年の特徴として、電気製品の模造品の増加が挙げられました。

特に増えているのは以下のような商品です。

  • イヤホン
  • モバイルバッテリー
  • 電子機器アクセサリー

これらは有名メーカー製品に似せて作られています。
しかし、安全性は保証されていません。

つまり、単なる知的財産侵害だけでなく、事故や発火などの危険性も問題となります。

そのため、税関は安全面からも取り締まりを強化しています。

大阪・関西万博関連の偽物も確認

2025年には、大阪・関西万博関連の偽商品も差し止められました。

具体的には以下のような商品です。

  • 万博ロゴ入りTシャツ
  • キャラクターぬいぐるみ

つまり、大型イベントの人気を利用した便乗型の模造品が流通していることが分かります。

こうした商品は公式ライセンス商品に似せて作られるため、消費者が誤って購入する可能性があります。

個人輸入も没収対象 2022年制度変更の影響

偽ブランド品の差し止め件数が高止まりしている背景には、制度変更もあります。

2022年の法改正により、次のルールが導入されました。

個人使用目的で輸入された模造品も没収対象とする制度

以前は、個人輸入の模造品は取り締まりが難しいケースもありました。
しかし現在は、税関が水際で差し止めることが可能になっています。

そのため、差し止め件数の増加につながったとみられています。

密輸入の摘発も相次ぐ

税関による取り締まりでは、刑事事件として摘発されるケースもあります。

例えば、次のような事例が確認されています。

  • 中国から偽ブランドバッグを密輸しようとした事案
  • 商標権を侵害する衣類を輸入し販売しようとした事案

つまり、組織的な輸入ビジネスとして模造品を扱うケースも存在します。

こうした事件では、関税法や商標法違反として刑事告発が行われます。

偽ブランド品対策は今後も重要課題

今回の統計から分かるのは、日本への偽ブランド品流入が依然として続いているという事実です。

特に次の要因が指摘されています。

  • 越境EC(海外通販)の拡大
  • 小口配送の増加
  • 個人輸入の拡大

そのため、税関ではAI分析や国際協力を活用し、取り締まりの高度化を進めています。

今後も知的財産権の保護と消費者安全の観点から、税関の水際対策は重要な政策課題となりそうです。

ソース

  • 財務省
  • 47NEWS
  • 沖縄タイムス
  • 税関統計(知的財産侵害物品差止状況)
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