令和8年5月21日官報まとめ|二酸化炭素貯留事業法施行規則とCCS制度整備

2026年5月21日の官報号外では、経済産業省令第五十号「二酸化炭素の貯留事業に関する法律施行規則」が公布されました。
今回の号外では、これを中心に、試掘権登録関係の改正、JOGMEC関係省令改正、海域の貯留層に関する共同省令、新制度への移行に伴う旧環境省令・旧告示の廃止がまとめて掲載されています。

一方、本紙第1709号には、法務省令第三十八号「不動産登記規則の一部を改正する省令」が掲載されており、筆界特定手続の公告・通知方法の見直しが行われました。
ただし、これはCCS制度とは別件です。

今回のポイントは、CCSの法律で定められた大枠が、許可申請、監視、保安、閉鎖、費用確保まで実務ルールとして具体化されたことです。
CCS事業は、事業開始前の審査だけでなく、操業中の監視や閉鎖後を見据えた対応まで求められる制度として整えられました。

法律(号外)の改正ポイント

今回の主軸は、号外第112号に掲載された経済産業省令第五十号です。
官報上では、この省令が「二酸化炭素の貯留事業に関する法律施行規則」として、総則、貯留事業及び試掘、保安、導管輸送事業、貯留層の探査、土地の使用及び収用、雑則までを定めています。

まず重要なのは、許可申請時の審査項目が細かく定められたことです。
申請時には、事業計画、資金計画、技術者の履歴、貸借対照表や損益計算書、地質構造の断面図、損害賠償責任に備えた支払能力を示す書面などが必要になります。
さらに貯留事業では、地層の評価、坑井の健全性評価、将来にわたる安定貯蔵の予測と評価、漏えい防止のための調査・分析・措置、監視方法も求められます。

次に、操業中の監視義務が制度の中核に置かれています。
監視は、通常時監視、懸念時監視、異常時監視に区分され、対象には、温度・圧力、二酸化炭素の成分や注入量、坑井の健全性、地層の振動、二酸化炭素の位置や範囲、許可貯留区域の直上区域や周辺環境の状況が含まれます。

さらに、閉鎖と廃止後の管理ルールも明文化されました。
閉鎖措置計画では、坑口の閉塞、関連工作物の撤去・廃棄、坑井の健全性評価、漏えい防止措置が必要です。
終了確認では、閉鎖措置計画に基づいて適切に措置が行われていることに加え、坑井から二酸化炭素の漏えいが発生しておらず、かつ、発生するおそれがないと認められることが基準になります。注入終了後の管理費用に関する資金確保や、JOGMECへの拠出金制度も定められています。

また、保安規制も詳細です。ガス等の噴出防止、土地掘削時の被害防止、火薬類の管理、火気管理、災害時報告、作業監督者の選任、使用前自主検査、定期自主検査などが規定されています。

政令・省令(号外・本紙)の具体化内容

今回の制度整備を、読みやすく整理すると次のとおりです。

区分主な法令内容
号外の中心経済産業省令第50号二酸化炭素の貯留事業に関する法律施行規則の全部改正
号外の関連経済産業省令第51号試掘権の登録に関する政令施行規則の一部改正
号外の関連経済産業省令第52号JOGMECの業務運営、財務及び会計に関する省令の一部改正
号外の関連経済産業省・環境省令第7号海域の貯留層における貯留事業実施計画等に関する省令
号外の関連経済産業省・環境省令第8号立入検査時の身分証明書様式の特例に関する省令の一部改正
号外の関連環境省令第16号旧来の海底下廃棄制度に関する省令の廃止
号外の関連環境省告示第26号指定海域の公示の廃止
本紙の別件法務省令第38号不動産登記規則の一部改正

特に、経済産業省・環境省令第7号は、海域の貯留層を対象にした共同省令です。
海域の貯留事業実施計画には、資金計画及び体制に加え、海域の貯留層における貯蔵以外に適切な処分の方法がないことを説明する事項などが定められています。
海域については、陸上とは別の共同省令で運用ルールが置かれています。

一方、本紙第1709号の法務省令第三十八号は、筆界特定手続における公告・通知方法に電子情報処理組織を使用する方法を追加したものです。
これは、CCS制度そのものではなく、本紙側の別件として整理するのが適切です。

改正の全体像整理

今回の制度整備は、次のように見ると分かりやすいです。

大枠(号外)
二酸化炭素の貯留事業について、許可、試掘、監視、保安、閉鎖、長期管理までを運用できるようにする実施ルールが整えられました。中心は経済産業省令第五十号です。

具体化(関連省令・告示)
試掘権登録、JOGMECの関与、海域向けルール、立入検査時の様式、旧制度の廃止まで周辺制度が整理されました。旧海底下廃棄制度に関する省令・告示は廃止され、新法に基づく制度運用へ移る形です。

補強(本紙)
本紙には不動産登記規則改正などが掲載されていますが、CCS制度の中心的改正は号外側です。

施行日・整理事項まとめ

項目内容
公布日令和8年5月21日
施行日(CCS関連)確認できる範囲では、CCS関連省令・告示は令和8年5月22日施行
旧制度との関係旧海底下廃棄制度に関する環境省令・告示は、法律施行日である令和8年5月22日から廃止
本紙の別件不動産登記規則の一部改正は令和8年5月21日施行
附則

影響を受ける主体

影響を直接受けるのは、CCS事業を行う事業者、試掘を行う事業者、導管輸送事業者、JOGMEC、関係する技術者や保安担当者です。
また、申請時には、周辺事業者や鉱業権者、農業、漁業その他の産業との調整に関する事項も対象となるため、地域関係者や既存利用者との調整実務も関係します。

補足として、本紙の法務省令第三十八号の影響を受けるのは、筆界特定申請に関わる土地所有者や関係人です。ただし、これはCCS制度とは別テーマです。

よくある疑問(Q&A)

Q. CCSとは何ですか。
A. 二酸化炭素を地中の貯留層に圧入・貯蔵する仕組みです。今回の省令群では、許可申請から監視、閉鎖、費用確保までの実施ルールが具体化されました。

Q. 今回の改正で何が一番重要ですか。
A. 許可、操業中の監視、閉鎖措置、終了確認、管理費用の確保まで、一連のルールがそろったことです。CCS事業を法律に基づいて実際に運用するための細目が整いました。

Q. 陸上と海域でルールは同じですか。
A. 完全には同じではありません。号外の施行規則では第二章の多くが海域の貯留層以外に適用され、海域については別の共同省令で実施計画等が定められています。

Q. これまでの海底下廃棄制度はどうなりますか。
A. 官報では、関連する環境省令と環境省告示が廃止されています。旧制度に関するルールは、法律施行日に合わせて整理される形です。

Q. 本紙第1709号の改正もCCS制度の一部ですか。
A. いいえ。本紙第1709号の法務省令第三十八号は、不動産登記規則の改正であり、CCS制度そのものとは別件です。

まとめ

令和8年5月21日の官報では、CCS制度に関する省令体系の具体化が進みました。
中心となるのは、経済産業省令第五十号による施行規則の全部改正で、これにより、許可申請、監視、保安、閉鎖、費用確保までの一連のルールが整えられました。

同時に、試掘権登録、JOGMEC関係、海域ルール、立入検査様式、旧制度の廃止も周辺制度として整理されています。
つまり今回の官報は、CCS制度について、制度の骨組みだけでなく、実務を回すための細目まで整えた日といえます。

ソース

出典:官報発行サイト(令和8年5月21日付 号外第112号、本紙第1709号)

本記事は官報に掲載(公布)された法令情報をもとに、編集・再構成して解説したものです。官報は一次情報ですが、制度改正の詳細な運用は今後の政省令・通達・Q&A等で補足される場合があります。最終確認は官報および所管官庁の公式情報をご参照ください。

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