旭川女子高校生殺害事件|内田梨瑚被告が初の被告人質問で語った内容と証言の食い違い

2026年5月29日、旭川地裁で裁判員裁判の第5回公判が開かれました。
この公判では、殺人などの罪に問われている内田梨瑚被告(23)が、初めて被告人質問に立ちました。
そして、衣服を脱がせた理由、被害者への言葉、橋での出来事について、自らの言葉で説明しました。

この日の証言は、事件の核心に直接触れる内容でした。
そのため、裁判の行方を左右し得る重要な場面として注目を集めました。
さらに、これまで法廷で示された共犯者や目撃者の証言との食い違いも、より鮮明になりました。

2024年4月に発生した事件の全体像

この事件は、2024年4月に発生しました。
留萌市在住の女子高校生が、旭川市の神居大橋、神居古潭で全裸にされ、暴行を受けたうえで川に落とされ、死亡したとされています。
被害者は当時17歳でした。

起訴状などによると、内田被告は2024年4月18日から19日頃、共犯の女と共謀したとされています。
その共犯の女は、当時19歳で、すでに懲役23年が確定している小西優花受刑者です。
こうした中、女子高校生を車で監禁し、現場まで連行したとされています。

起訴内容と被告の否認

検察側は、神居大橋で被害者を全裸にさせ、暴行を加えたと主張しています。
また、欄干に座らせて「落ちろ」「死ねや」などと叫び、川に転落させて殺害したとしています。
被害者は雪解けで増水した川に落ち、溺死し、遺体は数日後に見つかりました。

一方で、内田被告は「殺意はなく、橋から落としていない」と一貫して否認しています。
初公判では監禁を認めました。
しかし、殺人や不同意わいせつ致死などは全面的に否認しました。

法廷で見せた内田被告の様子

5月29日の被告人質問で、内田被告は髪を後ろでまとめて法廷に入りました。
そして、比較的はっきりとした口調で質問に答えたと報じられています。
また、語気を強める場面も見られました。

公判の場では、裁判長に「よろしくお願いします」と丁寧に頭を下げたとされています。
つまり、全体を通じて、表面上は比較的落ち着いた様子だったことがうかがえます。
しかし、その証言内容は非常に重く、法廷に強い緊張感をもたらしました。

衣服を脱がせた理由についての主張

内田被告は、被害者に衣服を脱がせた理由について説明しました。
その中で、「被害者が『死にたい』と言っていたので、本気で死ぬ気がない人なら断ると思った」と述べました。
さらに、「まさか脱ぐとは思っておらず、びっくりした」
とも説明しました。

この証言では、被害者の言葉をそのまま受け取ったと主張しています。
しかし、被害者が置かれていた状況や、その前後の暴行の有無が重要な争点になっています。
そのため、この説明がどこまで信用できるのかが大きな焦点です。

被害者への言葉と当時の心境

内田被告は、被害者の態度に「イライラしていた」と述べました。
また、SNSで自分の写真が無断で使われたことをめぐるトラブルで、不安を感じていたとも語りました。
実際に、その流れの中で「じゃあ死んでみろ」
と発言したことを認めました。

さらに、被害者が電話で「親に話をさせてほしい」と繰り返していたとも証言しました。
そして、許しを求めながら、「お金を払うので許してほしい」
と言っていた経緯も語りました。
こうした中、被害者が強い恐怖と切迫した状況にあったことも、法廷で改めて浮かび上がりました。

橋で何が起きたのか 核心部分の主張

事件の核心部分について、内田被告は明確に自分の立場を述べました。
被害者を橋に残し、「うちら帰るから」と言って車に戻ったと説明しました。
そのうえで、「その後、キャーという悲鳴とダンという音が聞こえた」
と述べました。

つまり、内田被告は、自分が被害者を押した事実はないと改めて主張した形です。
そして、被害者が川に転落したのは、自分たちが立ち去った後の出来事だと強調しました。
しかし、この説明は、他の証人の証言と大きく食い違っています。

小西優花受刑者の証言との真っ向対立

5月27日の公判では、共犯とされる小西優花受刑者(21)が証言しました。
小西受刑者は、「内田被告が被害者の肩甲骨あたりを両手で押した」と述べました。
さらに、「被害者は前方に傾き、一瞬で姿が消えた」
とも語りました。

また、小西受刑者は、「悲鳴と川に落ちるような音がした」と証言しました。
そのうえで、「内田被告の調書は最初から最後まで全部うそ」
と述べています。
一方で、内田被告は押していないと否定しており、両者の主張は完全に対立しています。

ビデオ通話で見た少年証言の重み

5月28日の公判では、ビデオ通話で現場を目撃した当時16歳の少年も証言しました。
この少年は、被害者が橋の床で全裸の状態にあり、蹴られるなどの暴行を受けていたと述べました。
また、腰のあたりが赤くなり、かなり弱っていた様子だったと語りました。

少年は、内田被告が「死んだふりしてる」と馬鹿にするような口調で言っていたとも証言しました。
そして、「落ちろ」「死ねや」
と少なくとも20回以上叫ぶ声を聞いたと話しました。
さらに、被害者が裸で欄干の上に座らされ、泣いて謝っていたとも述べました。

暗転後に聞こえた声と説明

少年によると、ビデオ通話の画面が暗くなった後も音声は聞こえていたとされます。
その中で、内田被告の「早く行こう」という声と、足音が聞こえたと証言しました。
また、少年が被害者のことを尋ねた際には、「親が迎えに来るから」
と返されたといいます。

この証言は、事件直前から直後にかけての流れを考えるうえで重要です。
一方で、内田被告は自分たちがその場を離れた後に転落音を聞いたと主張しています。
そのため、時間の流れと行動の順序が、今後の審理でさらに厳しく問われることになります。

被害者が訴えていた言葉

これまでの複数の証言から、被害者が極限状態で助けを求めていた様子も明らかになっています。
被害者は、「誰も助けてくれねえぞ」と言われる中で、「許してほしい」などと繰り返し訴えていたとされます。
実際に、その様子は裁判で再現される形で語られ、大きな衝撃を広げました。

こうした証言は、被害者が自ら進んで危険な行動を取ったのか、それとも強い支配や脅迫の中にあったのかを考えるうえで重要です。
つまり、被害者の言動を単純に表面的な言葉だけで評価できるのかが問われています。
裁判員にとっても、非常に重い判断材料になりそうです。

供述の食い違いが裁判の最大の争点

この裁判では、内田被告の「立ち去った後に起きた」という主張と、小西受刑者の「押した」という証言が鋭く対立しています。
さらに、少年は暴行や叫び声を聞いたと証言しており、複数の証言が内田被告の説明と一致していません。
そのため、供述の信用性が最大の争点になっています。

刑事裁判では、誰の証言がどの程度具体的で、他の証拠と整合するかが重要です。
また、証言の変遷や利害関係も慎重に見極める必要があります。
こうした中、裁判員がどの証言を信用するのかが判決を大きく左右します。

今後の公判日程と判決の見通し

次回公判は6月3日に開かれる予定です。
この日は、検察側からの被告人質問が続く見通しです。
つまり、内田被告の説明に対して、さらに厳しい追及が行われる可能性があります。

また、判決は6月頃とされています。
しかし、重要な争点が多く、証言の食い違いも深いため、法廷でのやり取り一つ一つが結論に強く影響しそうです。
そのため、今後の公判でも細かな発言や時系列の確認が注目されます。

Xで広がった反応と社会的な波紋

この日の被告人質問は、Xでも即座に大きな注目を集めました。
「『びっくりした』って…被害者の命を何だと思ってるんだ」という声や、「共犯の証言が重すぎる」という反応が広がりました。
さらに、「被害者家族の気持ちを思うと胸が痛い」
という声も相次ぎました。

一方で、「被告の主張をしっかり聞くべきだ」という意見も出ています。
しかし、事件の残虐性や被害者の苦痛が法廷で具体的に示される中で、世論の衝撃は極めて大きい状況です。
また、SNSトラブルから監禁へと進んだ経緯や、少年の関与、被害者保護のあり方も社会問題として語られています。

事件が突きつける重い課題

この事件は、単なる一つの刑事事件にとどまりません。
SNS上のトラブルが、現実の暴力や支配にどう結びつくのかを示す事例としても受け止められています。
さらに、若年層を取り巻く人間関係の脆さや、危険な支配関係の深刻さも浮かび上がっています。

一方で、被害者が助けを求めていたにもかかわらず、結果として命を失ったという事実は非常に重いです。
そのため、被害者支援や早期介入の仕組み、周囲が異変を察知した際の対応も、今後の社会的課題になります。
つまり、この裁判は真相解明だけでなく、再発防止の議論にもつながる重要な意味を持っています。

初の被告人質問で浮かび上がったもの

今回の被告人質問によって、内田梨瑚被告の認識と、被害者が置かれていた絶望的状況との大きな隔たりが改めて浮き彫りになりました。
とりわけ、「本気で死ぬ気がないなら断る」という発言は、法廷内外に強い衝撃を与えました。
この言葉は、事件の残虐性と、被告の受け止め方の異質さを象徴するものとして受け止められています。

しかし、裁判はまだ続いています。
そのため、今後は検察側の追及や他の証拠との整合性を通じて、発言の意味や事実関係がさらに詳しく検証されることになります。
真相解明と、被害者に対する尊厳ある審理が、引き続き強く求められています。

ソース

TBS NEWS DIG
HTB北海道ニュース
STV札幌テレビ
UHB北海道文化放送
時事通信
読売新聞
産経ニュース
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テレビ朝日ニュース
共同通信(各種配信)

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